安政文伍捕物帳

地徳真猿

第一話•日本橋魚河岸、鬼火の謎

◆日本橋魚河岸 鬼火の謎

✴魚河岸の熱


安政三年(一八五六年)弥生。



​まだ夜の帳が降りたままの時刻ではあったが空は東から薄い藍が剥げ落ちるように鈍い光を滲ませはじめていた。


​吉原遊廓そばの岡場所の一つ、北端にある相模楼。


格子窓の奥から聞こえていた三味線の音色は、今や名残惜しむように途切れ、廓全体を覆っていた華やかな嬌声と、白粉や伽羅の香が混ざった重い熱気は、朝の冷気に押し戻されつつあった。



​二階の座敷では、朝帰り前の客が最後の酒を呷り女郎たちが煙管の先で薄く残った夜の夢を淡く燻らせている。


障子の紙戸はまだ固く閉ざされ、室内の灯が漏れるばかりで外の光を遮っていたが、この廓に精通した客とて夜が明けるのを肌で感じる。



​その相模楼の脇の裏道を、一人の男が足早に歩を運んでいた。


​簪職人の「やす」である。


「やれやれ。朝餉には間に合ったか」


​やすは背負った道具箱が軋む音に耳を傾けながら、軽く背を伸ばした。


彼の装いは商売柄、武家屋敷から町家、そしてこの手の岡場所にも出入りできるように身なりは小綺麗だが派手さはない。


昨夜は、相模楼の馴染みの女郎から武家屋敷の奥方に関する些細な情報を仕入れていた。


​岡場所の明け方は夜の派手さが剥がれ落ち生々しい現実が顔を出す。


店の女中たちが裏で水を撒き、酔客が吐き出した汚物の上を野良犬が嗅ぎ回る。


やすはそんな裏の気配を情報として嗅ぎ分けることに長けていた。


​やすの足はいつしか日本橋の東へと向かっていた。


彼が今朝持ち帰るべき情報は「北町奉行所同心•真鍋新太郎」の耳に入れるべきものだった。


​やがて彼の耳に届いたのは、朝の吉原の静けさとは打って変わり耳を聾するような、活気ある大音声と水が叩きつけられる音、そして魚の生臭さと潮の香が混じった、日本橋魚河岸の朝の匂いである。


「へい! お頭だ! 今朝の鰆はどうだ!」 


​「まだ目ぇ開いてねぇな! 眠てえ奴は向こうへ行け!」


​日が昇りきらぬうちから日本橋魚河岸は戦場と化す。


天秤棒を担いだ男たち、桶を抱えた女たち、そして大店の板前や、仲買人たちが、所狭しと往来する。


​その喧騒の中心で誰よりも大きな声と誰よりも早い手捌きで魚を捌いているのは、文伍の女房の「おえん」だ。


​「文伍! いい加減、ぼさっとしてないで、この『マコ』を能登屋さんに届けておくれ!」



​おえんの声は河岸の騒ぎの中でもひときわ通り、怠けている亭主•「文伍」に喝を入れる。


おえんに一喝を入れられた文伍は、桶に入った『真子鰈』​を横目に店の隅で煙管をふかし、寝ぼけまなこで河岸の様子を眺めていた。


歳の頃は三十五、六。

鉄火者と呼ばれるに相応しい、筋骨隆々とした体躯に、少し野暮ったい粋な浴衣姿だがまだ寝間着のようなものだ。



​文伍はこの日本橋魚河岸の鉄火者としてかつては賭場荒らしや裏稼業に身を置いていた。


しかし半年前、真鍋新太郎に命を救われその義理から今は真鍋の手足として動いている。


魚屋「魚文」の亭主であるものの、文伍の朝は裏の事情や、真鍋からの呼び出しから始まることが常だ。 


​「うるせえな! 今、考えているんだよ、大事なことをよ!」


​文伍はそう言いながら三人の子供たち、「一太、次郎、三左」が水桶を蹴倒して逃げ回る姿を目で追っていた。


子供たちの元気な悪戯がこの殺伐とした河岸に唯一、家庭の温かさを持ち込んでいる。



​おえんが文伍の頭に飛んできた魚の鱗を払いながら、ため息交じりに言った。


​「また、真鍋の旦那からの用かい? 旦那にゃあ恩があるのはわかるが、そろそろ十手の一本でも貰って、真っ当な道に進んでもらいたいもんだよ」


​文伍はその「十手」という言葉にわずかに眉根を寄せた。


彼は真鍋新太郎の「手下」である。


北町奉行所定廻り同心の「相棒」、そして正義に目覚めた「岡っ引き」へと変わるには、まだ少し時間が必要だった。


​その時、河岸の端から血相を変えた男が駆け込んできた。

​「親分! 親分はいねえですかい!」


​男は文伍の子分である「亀三」だ。


亀三は大声で呼びかけながら魚河岸の敷石で足を滑らせ、尻餅をついた。


手には今朝獲れたばかりの、脂の乗った鰆がべったりとついている。


​「またてめえか、亀三。朝から何のおっちょこちょいだ」


​文伍はそう言いながら静かに立ち上がった。


亀三の慌てようは尋常ではなかった。


​「親分! 真鍋の旦那が、築地で、また死人が出たって! しかも、今朝方、青い鬼火を見たって噂だ!」



​✴白瓜の勘働き


​亀三の報告を受けてから日の光が江戸の町を完全に照らし出すまで、さほどの時間はかからなかった。



​文伍が亀三を連れて築地へ駆けつけた時には、既に北町奉行所の一行が現場を固めている。


​築地は佃島の住人が中心となり埋め立てし、寺社の多い場所である。

潮の香が濃く漂う土地であった。

夜間は人通りが途絶え、闇が支配する。



​その荒れた一角で男の死体が横たわっていた。


​「死因は一刀。見事な手練れだ」


​現場を検分していた「北町奉行所与力•風間善之助」が深々と溜息をついた。


彼の隣に、真鍋新太郎が立っている。


​真鍋新太郎はいつも通り、泥臭い捕物とは無縁のような白い肌に凛とした佇まいであった。


彼は事件現場においてもまるで学者然とした風貌で、血痕や土には一瞥もくれない。


彼の視線は周囲の地形、死体の持ち物、そして亀三が触れたという「鬼火」の噂に向けられていた。


​真鍋は駆け寄ってきた文伍を一目見て、静かに口を開いた。


​「待っていたぞ、文伍。亀三の申告通り今朝、この現場で青い火の玉を見た者が複数いるようだ。おまけに、殺されたのは両替商の大番頭だそうだ」


​文伍は死体を覗き込む。


殺された男は確かに身なりの良い番頭風の男だが、その顔は激しい苦悶の中で凍りついている。



​「大番頭がなぜこんな寺社廻りの隅で? しかも、鬼火の後に斬られた前々回の船頭、前回の行商人と、まるで繋がりがねえ」


​文伍の直感的な疑問に、真鍋は静かに答える。


​「そこに、この事件の謎がある。身分、職業、殺された場所もばらばら。しかし、彼らは皆、殺される前に『鬼火』を見たという。通常なら迷信で片付けるが、三度も重なれば、それは事件の手掛かりだ」


​真鍋の頭脳は、既に事件の輪郭を捉え始めていた。


​「風間様。誰かに裏を回ってこの大番頭が昨日、どこで何をしていたか徹底的に洗わしてやってください。文伍。お前は、岡場所のやすを呼べ。そしてこの付近の漁師や夜番の者から、鬼火の『匂い』や『音』について聞き込みをしろ。特に「青」という色が鍵だ」


​真鍋の指令に文伍の熱い血が騒ぎ出す。


この「白瓜」と呼ばれる同心は、剣の腕こそ大したことはないが、「切れ者」でその頭の冴えは江戸の悪を震え上がらせるに足るものだ。


​「へっ、旦那にゃあ負けやしねえ。その鬼火とやら、てめえが火の玉になっても、その尻尾を掴んでやりますよ」


真鍋新太郎と文伍。


知恵と人情、そして鉄火の行動力が、安政の世を揺るがす難事件の闇に今、切り込もうとしていた。


✴​鉄火者の嗅覚


​真鍋新太郎からの指示を受け、文伍は築地を後にした。


潮の香が濃い荒地から日本橋魚河岸へと急ぐ。


​「真鍋の旦那の言う通り、『匂い』と『音』、か。青い火の玉の正体が、ただの怪談じゃねえってんなら必ずや人の仕業の『証し』が残ってるはずだ」


​文伍は足早に魚河岸に戻り、魚文の店先で亀三を呼び止めた。


​「おい、亀三。お前今からこの辺りの漁師や夜番の連中に、鬼火の聞き込みをしてこい。『青い火の玉』を見たときに、変な匂いや音を聞かなかったか、しつこく聞いてみるんだ。特に笛や鐘の音、鉄砲みてえな音、何でもいい。ただし、変な匂いがしなかったかも忘れんじゃねえぞ」


​「へえっ! 親分! 承知しました!」


​亀三は力強く頷いたがすぐに魚の血で滑り、危うく転びそうになった。


文伍は亀三の頭に拳骨を落としたい衝動を抑え、ため息をついて見送る。


​「やれやれ。あいつにゃあ、大事な聞き込みは任せられねえかな」


​文伍は亀三に聞き込みを指示しつつも、より確実な情報源である簪職人のやすを呼び出すため魚河岸の裏にある小さな茶屋に来るよう使いをやった。


​待つことしばし。


日本橋の裏通りにあるやすの工房からやすがいつもの通り道具箱を背負って現れた。


​「親分。お呼びと聞いて飛んできました。築地でまた死人が出たそうですね。今度は両替商の大番頭だとか…」


​やすは茶屋の隅で文伍と向かい合い声を潜めた。


​「ああ、そうだ。真鍋の旦那の推理じゃ、あの『鬼火』は人寄せの仕掛けだという。やす、お前に頼みたいのはあの『鬼火』が上がった時間帯に周囲の岡場所や廓で、何か変わった『音』や『匂い』がしなかったか、探ってほしいんだ」


​文伍は、真鍋から指示された「音」や「匂い」について、さらに深く踏み込んで尋ねた。


​やすは顎に手をやり、一拍置いた。


彼の情報網、夜の帳が降りた江戸の裏表すべてに及んでいる。


​「……実は、あります。昨夜、吉原の相模楼へ行ったときに女郎の連中が『最近、変な音を聞く』と囁いていました」

「なに?変な音だと?」


​文伍は前のめりになった。


​「ええ。普通の笛や太鼓とは違う、妙に鼻にかかったような、珍しい笛の音だそうです。どこか異国風だと。それが、鬼火が上がる少し前に、近くの裏通りで聞こえた、と」


​やすはさらに懐から紙包みを取り出した。


​「そして、この大番頭と会っていた吉原の女郎、お袖についてですが。この女は大番頭が殺されたと知るやすぐに廓から姿を眩ませたそうです。女将の話では、お袖は夜になると時折その笛の音にまるで怯えるように反応していた、と」


​文伍の顔つきが変わった。


やはり、笛の音と女郎の間に繋がりがある。


​「そのお袖って女郎は、今どこにいる?」


​「それが……深川の方へ向かったという目撃談があります。そして、これが彼女が残していった櫛です。裏には『牡丹の紋様』が彫ってありますが『座敷持』の持ち物にしては妙に上等で、何か秘密がありそうです」


『座敷持』とはやっと自分の部屋が持てた若い女郎の格付けである。


​文伍は、この二つの情報――笛の音と女郎・お袖が、真鍋の推理の鍵となることを直感した。


​「よし、わかった。やす、お前は引き続き、この『笛の音』が、どこのものか、そして『牡丹の紋様』が裏稼業の何の印か、調べてくれ」


​「承知いたしました」


​文伍はやすに謝礼を渡し、その足で再び北町奉行所へと走った。


朝の日本橋を早足で駆け抜ける。


   ​

✴白瓜の推理


​文伍が真鍋新太郎に会えたのは定廻り同心部屋の隣、真鍋が与えられた「私的な部屋」であった。


真鍋は誰にも邪魔されないその場所で事件の報告書と、過去の類似事件の記録を広げていた。


​「旦那。噂の『鬼火』についてですが、亀三の聞き込みでは『匂い』は感じられなかったそうです。しかし、やすが一つ妙な話を仕入れてきました」


​文伍はやすからの情報を一言一句たがわず真鍋に伝えた。


​「異国の珍しい笛の音。夜中、吉原や新橋、深川の岡場所跡の茶屋の近くでその音を聞いた者がいる、と」


​真鍋は報告を聞き終えると初めて筆を置き、腕を組んだ。


​「文伍、その通りだ。これで、この事件は単なる『辻斬り』や『怨恨』ではないことが確定した。この事件で鍵となるのは、『青』と『音』の組み合わせだ。 青い火は銅を熱した物とか、特殊な油かも知れん。異国の笛の音は誰かを呼び出している合図なのか…」


​真鍋はここから冷静沈着に、青い火の正体、そして笛の音の役割という、文伍が先ほど聞いたばかりの推理を論理的に展開した。


​「そして、その『笛の音』こそが犯人の本当の狙いだ。笛の音に誘い出されるのは、特定の訓練を受けた者か、あるいは音に異常に反応する何かを持った者、そして……笛の音に覚えがある者だ」


​真鍋はそこで文伍が伝えそびれた「女郎・お袖の逃走」の情報を、まるで見ていたかのように引き出した。


​「文伍。お前はこの大番頭が昨日、吉原の揚屋で女郎と会っていたという情報をやすから貰ったな。そして、その女郎は大番頭が殺されたと知るや、廓から姿を消したそうだ」


​文伍は真鍋の頭の冴えに「ぎょっ」とし、舌を巻いた。


​「この事件は、笛の音を合図に、特定の場所へ誘い出された女郎を狙い、その口封じのためにたまたまその女郎と接触していた大番頭が殺されたのではないか…」


​真鍋は立ち上がり文伍の肩に手を置いた。


​「真の獲物は笛の音に反応する遊女。そして、犯人の正体はその笛の音の秘密を知る者だ。文伍。お前の『人情』と『行動力』で、その女郎・お袖を見つけ出し、なぜその笛の音に反応するのか、確かめてくれ。私はこれから、この『笛』と『青い火』の仕掛けを、裏稼業の道具として使っていた連中を洗う」


​真鍋からの指令は、文伍がただの鉄火者から、定廻り同心の相棒へと、一歩踏み出すための義理と正義の道標であった。


​「へい、旦那。そう言われちゃあ、背を向けるわけにはいかねえ。この文伍の腹、決まりました。必ずや、そのお袖とやらを救い出し、犯人の首根っこを掴んで参りやす!」


​文伍は再びやすの工房へ急ぎ戻り、お袖が深川の方角へ向かったという情報を確認し懐に牡丹の紋様の櫛を忍ばせると、東へと急いだ。


✴​深川の闇


​文伍が深川の東側、木場に程近い築島橋そばの掘割の畔に辿り着いた頃には日が高く昇り、空は澄んだ藍色を広げていた。


しかし、この辺りは木材問屋の倉庫や材木を繋ぐ「筏」がひしめき合い昼なお暗い影を落としている。


​日本橋の喧騒とは異なり、水面に響くのは材木を扱う男たちの掛け声と人足の打ち鳴らす木槌の音ばかり。


ここは、江戸の裏稼業が息を潜めるには格好の場所であった。


​文伍は懐に忍ばせた牡丹の紋様の櫛を握りしめ、潮と、材木のヤニが混ざった独特の匂いを深く吸い込んだ。


鉄火者としての長年の経験がこの場所が持つ「熱」と「気配」を嗅ぎ分けている。


​「深川へ向かった、か。あの気弱そうな女郎が、一人でこんな場所へ来るたァ、よほどの訳がありやがる」


​彼は木場の男たちから、「女郎のお袖」の目撃情報を集め始めた。


文伍の風貌は町人でありながら一筋縄ではいかない「裏の顔」を匂わせる。


それは、この手の者たちにとって警戒すべきものであり同時に、仲間意識を呼び起こすものでもあった。


​「おい、親父。昨日か今朝、吉原から流れてきたってえ女を知らねえか。牡丹の櫛を持った、気のある女だ」


​一人の船頭が文伍の前に差し出された酒の肴である、焼いたばかりの浅蜊を頬張りながら素っ気なく答えた。


​「へえ。女郎たァ、俺たちとは縁のねえ話だ。ただ……」


​船頭は周囲を窺うように声を落とした。


​「昨日から妙な笛の音を聞く、ってえ話は、この辺りでも持ち切りだぜ。なんでも、夜中に『ヒュウ、ヒュウ』と鳥の鳴き声みてえな聞いたこともねえ音がするんで皆、気味が悪いってんでよ」


​笛の音は木場にも届いていた。


そしてその音は、やすが吉原で聞いたという「異国風の笛の音」と、どこか共通する「妙に鼻にかかったような」響きを持っているに違いない。



​文伍は情報が繋がったことを確信しすぐに茶屋を後にした。


​✴鉄火者の嗅覚


​文伍は、深川の岡場所跡の一つ、永代寺の近くにある小さな茶店に腰を落ち着けた。


ここは、日中は釣り客や木場の職人が休むだけの店だが夜になれば怪しげな客が出入りする「裏の口」となる。


​彼は茶店の女将に目立たぬように「包み」を渡し、単刀直入に尋ねた。


​「女将さん。女郎のお袖という女を知らねえか。牡丹の紋様の櫛を持っていたはずだ」


​女将は、文伍の鋭い眼光に怯えつつも、「包み」の魅力には抗えず声を震わせた。


​「へえ、それが……。今朝方、店の裏の納屋に身を隠しているのを見かけました。顔色が悪く、震えておりましたが、何かから逃げている様子で……」


​「今、その女はどこにいる」


​「それが、『あの笛の音』がまた聞こえたと叫びながら慌ててどこかへ走り去ってしまいました。方角は……洲崎の方角でさあ。あそこは昼は洲崎弁財天のお詣りで人はわんさいますが、夜は人っ子一人いねえ真っ暗な場所ですよ」


​文伍の背筋に冷たいものが走った。


そこは、真鍋新太郎が指摘した「夜間は人通りが途絶え、闇が支配する」場所と同じ性質を持っていた。


​「くそっ、またしても、あの笛の音に誘い出されたか!」


​文伍は茶店の勘定を放り投げ洲崎へと急いだ。


頭の中では真鍋の言葉が響いていた。


​「真の獲物は笛の音に反応する遊女。そして、犯人の正体はその笛の音の秘密を知る者だ」


​お袖が向かった洲崎の弁財天。


もしや、次の殺害現場になるのではないか。



​✴青い火の再来


​洲崎の弁財天は深川の海岸沿い、まだ家屋もまばらで夕方には人気も少ない場所であった。


強風が吹きつける中、文伍が駆けつけたとき既に日は西に傾き、黄昏時を迎えていた。


​辺り一面に潮の香が濃く漂い、足元の泥に足を取られそうになる。


​「お袖! どこだ、お袖!」


​文伍が大声で叫んだ時、彼の視界の隅に青い光がチカチカと揺らめいているのが見えた。


​「まさか……鬼火か!」


​それは、築地の現場で亀三が報告したというまさしく「青い火の玉」であった。


しかし、それは人の背丈ほどの高さに静かに浮遊している。


そして、その火の玉の揺らぎに合わせるように文伍の耳に、あの「異国の笛の音」が聞こえてきた。 


​「ヒュウ、ヒュウ……」


​笛の音は、悲しげでどこか懐かしさを誘う響きを持っている。


​文伍は火の玉の先、奥まった石垣の影に身を潜めるように立っている女郎・お袖の姿を捉えた。


彼女はその音に吸い寄せられるように一歩、また一歩と青い火の方へと歩を進めている。


​「やめろ、お袖! その火に近づいちゃいけねえ!」


​文伍は叫びながら泥を蹴って全速力で駆けた。


だが、一歩遅かった。


​青い火の玉の真下の石垣の陰から、一人の男が姿を現した。


​男は頭巾で顔を隠し、その手には短刀が月明かりに鈍く光っている。


​「これは裏切者への報いだ。お前のような野暮な奴に、この笛の秘密は分からない」


​男はそう言い放つと笛を吹くのを止め、お袖に向かって鈍く光る刀を振り上げた。


お袖は笛の音が止まった瞬間に、まるで呪縛から解けたように我に返り悲鳴を上げた。



✴​鉄火者、動く。


​文伍の身体は真鍋の知恵の指令を待つことなく反射的に動いた。


​「てめえみてえな卑怯な奴に、お袖を斬らせるわけにはいかねえ!」


​彼は、懐に差していた出刃包丁を抜き放ち、地を這うような低い体勢で男に向かって突進した。


荒事の場数を踏んだ文伍の動きは武士の剣術とは違う、野性的な迫力を持っていた。


​刀を持った男が振り下ろした刃と文伍の出刃包丁が夜の闇に甲高い金属音を響かせて火花を散らす。


​青い火の玉は二人の戦いを見届けるかのように、未だそこに揺らめいていた。


​「この火、そして笛の音の仕掛け必ずや暴いてやる!」 


​文伍は男の剣を受け止めながら、男が隠し持つ「鬼火」と「笛」の秘密に一歩、また一歩と近づいていた。



✴​洲崎の別れ太刀


​文伍の野性的な一撃は頭巾の男の短刀を弾き、荒れた埋立地の泥濘に火花を散らした。


男は体勢を崩さず文伍の出刃包丁が持つ異様な迫力にわずかに警戒の色を浮かべた。


​「おのれ、鉄火者め。まさか、お前のような野良犬が嗅ぎつけるとはな!」


​男はそう吐き捨てると、もう一本、細身の脇差を取り出した。

二刀流。


その構えはただの辻斬りではなく、組織だった訓練を受けた者であることを示していた。



​文伍の出刃は人を斬るための刀とは違い、重く分厚い。


力で押し込むのは得意だが相手の脇差は速くまるで毒蛇のように文伍の隙を突いてくる。



​火花が散るたびに、周囲に漂う潮の香と油の匂いが一層強くなる。


​青い鬼火は二人の頭上でゆらゆらと揺れていた。


その青い光がお袖の顔をそして、男の頭巾を不気味に照らし出している。



​「てめえら、何の因果でお袖を追いかけ回しやがる! 命までは取らねえが、その頭巾、剥いでやろうか!」


​文伍は渾身の力で出刃を叩きつけ男を石垣の方へ押し込んだ。


男の脇差が文伍の肩をかすめ、粗末な浴衣の袖を切り裂いた。


しかし、文伍は怯まない。


彼はお袖を守り、真鍋に手掛かりを持ち帰るという義理に燃えていた。


​その時突然、遠くから二度、短く甲高い笛の音が聞こえた。


「ヒュ、ヒュ!」


​それは、男が吹いていた異国の笛の音と同じ系統の響きであったが先ほどよりも鋭くまるで「合図」のように聞こえた。



​男の動きがその瞬間にぴたりと止まった。


​「……ちっ」


​男は舌打ちをすると刀を収め、文伍から大きく飛び退いた。 


​「今日は、ここまでにしておく。だが、この笛の音の秘密に触れたことを後悔するぞ鉄火者」


​そう言い残すと男は闇に紛れ、洲崎の奥へと姿を消した。


その際、男は足元の木箱を蹴り倒したが文伍はそれを追うよりもお袖の安否を優先した。


青い鬼火も男が遠ざかるにつれてまるで灯りの消えた提灯のようにあっけなく消滅した。



​✴女郎の告白


​男が去りあたりが静寂を取り戻すと、文伍はお袖のもとに駆け寄った。


彼女は地面に座り込み全身を震わせ、今にも泣き出しそうな顔をしていた。



​「おい、大丈夫か、お袖! 怪我はねえな!」


​文伍は、乱暴ながらも優しく彼女の肩を抱き起こした。


お袖は、恐怖に歪んだ顔で、文伍の胸に顔を埋めた。


​「こ、怖かった。あの音……また、あの音が私を呼んだんだ。まるで、魂を引っ張り出すみたいに……」


​文伍は真鍋から授かった推理を今、確信した。


​「あの笛の音は、お前にかかるまじないだ。お前を特定の場所へ誘い出し、口封じをしようとした。違うか?」 


​文伍の問いかけに、お袖はか細く頷いた。


​「ええ……親分。私は……半年前、ある事件に加担しました。それは、異国の品を運ぶための、抜け荷にまつわる大きな企てでした」


​お袖は牡丹の櫛を握りしめながら、震える声で語り始めた。



​「私は、そこで『笛の音』を操る男たちと出会い、彼らが使う『青い火』が合図であることを知りました。しかし、私は……その企てで、殺されるはずだった人の命を拾ってしまったのです。情けのために、組織を裏切ってしまった」


​彼女は裏切りが露見するのを恐れ、身を隠すために自ら女郎として吉原へ逃げ延びた。



​「吉原は、忘八者に固く守られた、いわば城です。ここならば、奴らも簡単には手が出せないだろうと……。でも、あの笛の音は、南廓の中にまで追いかけてきた……」


​その話を聞き、文伍は全ての線が繋がったことを悟った。


両替商の大番頭は、おそらく抜け荷の資金調達に関わっておりお袖と接触したために口封じに遭ったのだ。


船頭や行商人は、事の目撃者かあるいは、抜け荷に関わっていたのかもしれない。


​そして、お袖の持つ牡丹の櫛は裏切り者の印、あるいは、その組織の重要な符牒なのであろう。 


​「そうか……。わかった。お前はもう心配するな。今から、北町の真鍋の旦那のところへ行く。旦那の知恵と、俺の腕で必ず、この異国の笛と青い火の謎を、暴いてやる!」


​文伍は、お袖をそっと抱き上げると東の空が完全に夜の帳を下ろし始めた洲崎を早足で後にした。


彼の心の中には正義という名の熱い血が今までになく騒いでいた。


✴​白瓜の推理、核心への着手


​翌朝。


​文伍からの報告を受けた真鍋新太郎は、北町奉行所定廻り同心部屋の静かな隅で広げられた地図の上に一本の線を引いた。


「文伍。お前の持ち帰った情報は、全てを繋ぐ鍵となった。笛の音はお袖へのまじない。お袖は抜け荷組織の裏切者。そして、牡丹の紋様は、その組織の符牒……」


​真鍋が引いた線は地図上の築地、吉原、そして洲崎を結んでいた。


​「犯人は、この三つの殺害現場から、江戸湊への最短の道程、すなわち水運を利用している。そして、殺害現場は全て、夜間は人通りが途絶える、埋立地だ」


​真鍋はその白い指で地図上の日本橋魚河岸に円を描いた。


​「文伍。この抜け荷を企む組織は、異国の品を運ぶために、水運を操り、夜の江戸を縦横無尽に動いている。そして、その組織の頭目は、水運の中心であり、最も情報が錯綜する場所、つまり……」


​真鍋新太郎の鋭い眼光が、文伍を見据えた。 


​「……お前の、日本橋魚河岸にいる」


​文伍は驚きに目を見開いた。

​「まさか……俺たちの足元に!?」


​「そうだ。お前が毎日顔を合わせているあの喧騒と活気の中に、この奇々怪々な事件の黒幕は潜んでいる。牡丹の紋様を裏稼業の印として使う、古くから江戸の闇を牛耳ってきた、水運の組織だ」 


​真鍋は静かに立ち上がった。


​「文伍。この件の捕物は、お前の嗅覚と、お前の身近な人間への人情が試されることになる。犯人の目論見は、お袖を口封じし抜け荷の企てを継続すること。そして、その笛の音の秘密は必ずや魚河岸の奥に隠されている」


​「へい、旦那。この文伍、腹ぁ決まりました。俺たちの居場所を汚す悪党、この手で引っ掴んで、旦那の前に突き出してやりやす!」



✴​魚河岸に潜む黒幕


​真鍋の言葉は文伍の胸に鉛のように重く響いた。


「…文伍。この事件の捕物は、お前の嗅覚と、お前自身が試されることになる。犯人の目論見は、お袖を口封じし抜け荷の企てを継続すること。そして、その笛の音の秘密は必ずや魚河岸の奥に隠されている…」


毎日、大声と活気に満ち溢れるこの日本橋魚河岸にあの青い鬼火と異国の笛の音を操る悪が潜んでいるというのか。


​文伍は真鍋の静かな目に見送られ、自身が主を務める魚文へと急いだ。


おえんの「また旦那の用かい!」という大きな声が耳に入ったが、彼は上の空でただ魚河岸の隅々を見渡していた。


​太陽が完全に中天に昇り活気の河岸は店を終い、魚の血と水が混ざり生臭い湯気を立てている。


文伍が疑いの目を向けたのは、魚河岸の物流を一手に担う「仲買の元締め」、通称「大源」と呼ばれる源兵衛の店だった。


​源兵衛は表向きは温厚な顔を持つ男で魚河岸の誰もが頼る裏表のない親方であった。


だが、真鍋の推理が正しければその温厚な顔の裏で江戸を揺るがす抜け荷を操っていることになる。


✴​鉄火者の探索


​文伍は夜が再び河岸を支配するのを待った。


​夜の帳が降り日本橋から人影が途絶える。

吉原にも匹敵する熱気が嘘のように日が落ちれば冷え込み潮の香が重く立ち込めている。


水面を打ちつける波の音だけが不気味に響いていた。


​文伍はおえんと子供たちが寝静まったのを確認すると出刃包丁を懐に忍ばせ源兵衛の店、そしてその奥にある水路沿いの土蔵へと向かった。


​土蔵の裏手、舟着き場に面した一角は特に闇が深かった。


そこには、大量の塩を運ぶための大きな木樽が積み上げられており、その間にわずかに潮風と混ざらない異様な油の匂いが漂っているのを文伍の鉄火者としての鼻が嗅ぎ分けた。 


​「やはり、旦那の言う通りだ。この匂いは、ただの魚油じゃねえ」


​文伍は、積まれた樽の隙間から、土蔵の内部を覗き込んだ。


​土蔵の中央には魚を運ぶための特注の頑丈な木箱がいくつも並べられ、その一つが不自然に開けられている。


そして、その木箱の傍で源兵衛が一人、油紙に包まれた異国の笛を手に何事かを調べていた。


​「源兵衛……てめえだったのか!」


​文伍は抜き身の出刃を手に、闇から躍り出た。


​「ぶ、文伍! 何をしてやがる!」


​源兵衛は文伍の出現に、一瞬、目を見開いたがすぐに諦めたように静かに笑った。


その顔は昼間の温厚さとは裏腹に、悪に染まった男の冷酷さを滲ませていた。


​「よう、文伍。やはりお前、お上の犬だったか。惜しいな、この牡丹の符牒の秘密に、もう少しで気づかれずに済んだものを」


​源兵衛は手に持っていた笛を床に放り捨てると、懐から一尺ほどの鎖分銅を取り出した。


​「俺はな、この魚河岸の水運全てを牛耳ってきた。抜け荷は、江戸の世を生き抜くための生きる道よ。あの女は、仲間の命を助けようなどというくだらねえ情けで俺らを裏切った。裏切者には、死こそが報いだ」



✴​笛の音の仕掛け


​「あの青い火と笛の音の仕掛けを吐け! 汚え真似を!」


​文伍が激しく詰め寄ると源兵衛は鼻で笑い木箱を指差した。


​「教えてやるよ、鉄火者。この特注の木箱はただの運搬箱じゃねえ。内側に異国の楽器に使われる特殊な板を貼り、笛の音を増幅させるための共鳴箱だ。そして、あの青い鬼火は……」


​源兵衛は足元の木樽の脇に置かれていた黒く粘つく油の入った小さな桶を蹴り倒した。


​「……俺が清より取寄せた、魚油に「燐」を混ぜた特別な代物だ。あれを焚き付け共鳴箱の木箱の裏から放つ。夜の闇であの笛の音と青い火を見れ、お袖のようなまじないにかかった者は、魂を抜かれたように誘い出されるのよ!」


​源兵衛の告白、真鍋の推理の全ての裏付けであった。


あの奇々怪々な事件の裏には、江戸の生活に不可欠な「魚」と「水運」を隠れ蓑にした冷酷な計算があったのだ。


​「てめえみてえな悪党に、人情の分かるはずがねえ!」


​文伍は激昂し出刃を構えた。


「ひゅん!」

​源兵衛の鎖分銅が文伍の頭上をかすめ、積み上げられた木樽に叩きつけられた。


樽が崩れ大量の塩水が文伍の足元を濡らした。


​文伍はその水浸しの足場を利して一瞬低く身を沈めると河岸の喧騒の中で鍛え上げた獣のような動きで源兵衛に肉薄した。



✴​鉄火者の捕物


​文伍は鎖分銅の攻撃を避けながら出刃の柄で源兵衛の腹を強く突き上げた。


​「ぐっ!」


​源兵衛はうめき声を上げ!体勢を崩した。

その隙を逃さず文伍は出刃を捨て、素手で源兵衛の巨体を抱え込んだ。


​「逃がすかよ、糞野郎が!」


​文伍は、賭場荒らしの経験で培った「組み伏せ」の技術で、源兵衛の腕を関節からねじ上げた。


​「裏の事情は知らねえが、人の命を、笛の音みてえな手妻で弄ぶたァ、許さねえ!」


​文伍の頬を源兵衛の最後の抵抗である肘打ちが掠めたが、文伍は歯を食いしばり源兵衛の身体を水路沿いの石垣に叩きつけた。


「​ドンッ!」 


​鈍い音と共に源兵衛は鎖分銅を取り落とし呻き声を上げて動かなくなった。


​その時、土蔵の奥から静かな足音と共に一人の男が姿を現した。


白い肌、凛とした佇まい。

北町奉行所同心、真鍋新太郎である。


彼の後ろには、与力・風間善之助と数人の同心や手下たちが控えていた。


​真鍋は倒れ伏した源兵衛と荒い息を吐く文伍を一瞥しただけで状況を理解した。


​「文伍。見事だ。お前の人情と行動力が、私の頭脳を現実にした」


​真鍋は文伍が破壊した木箱と転がった異国の笛、そして燐の入ったの油を静かに見つめた。


​「源兵衛。この牡丹の紋様は、南蛮から流れ着いた抜け荷組織の符牒でありその笛の音はまじないで組織の裏切者を操り、口封じするための異国の呪いであった。この青い火は、その呪いのための目印だった」


​真鍋は淡々と事件の全容を語り、源兵衛の悪事の全てを白日の下に晒した。


真鍋の推理は、この夜の闇の中で完全に完成したのだ。


​文伍は、真鍋の知恵の深さに改めて舌を巻いた。



✴日本橋魚河岸•鉄火の文伍親分誕生


​捕り方に引き立てられていく源兵衛の背中を見送りながら文伍は夜明け前の冷たい潮風に吹かれていた。


隣にはお袖が寄り添い、涙ながらに感謝の言葉を述べている。


​「文伍親分……真鍋の旦那……ありがとうございます。これで、ようやく、笛の音の呪いから解放されました」


​文伍は、お袖の頭に優しく手を置いた。


​「よかったな、お袖。これからは真っ当に生きろ。江戸の町はてめえみてえな情けのある女が生きるには、広くて暖かいところだ」


​東の空が薄い藍から、やがて茜色へと色を変え始めた。


その光が、魚河岸の汚れた水面をきらきらと照らし出す。


​真鍋新太郎は文伍に背を向け静かに言葉をかけた。


​「文伍。お前の人情とこの事件を解決に導いた行動力は、もはや『手下』という枠に収まるものではない」


​そう言うと、真鍋は懐から一本の十手を取り出した。


それは、真紅の房が結ばれた真新しいものであった。


​真鍋はその朱房の十手を文伍の前に差し出した。


​「これは今朝方、北町奉行・井戸対馬守覚弘様よりお前へ下されたものだ。 御奉行様はこの度の一件、及び半年間の働きを高く評価された」


​文伍はその朱房の十手を見て思わず息を呑んだ。


​「旦那……こ、これは……」


​「これからは、ただの文伍ではない。北町奉行所定廻り同心、真鍋新太郎の正式な手先、岡っ引きの親分だ」


​真鍋は十手を文伍の手に握らせた。


十手の重みが文伍の身体に公の義理と責任としてずっしりと伝わる。


それは、彼が以前おえんから言われた「十手の一本でも貰って、真っ当な道に進んでもらいたい」という言葉の実現でもあった。


​「お前は、今日この時から日本橋の魚河岸を縄張りとする、『鉄火の文伍親分』だ」


​文伍は朱房の十手を、まるで自分の魂であるかのように強く握りしめた。


彼の心の中で鉄火者としての血が、正義という名の熱い炎となって燃え上がった。


​「へい、旦那! この文伍、命に代えても江戸の悪に睨みを効かせ、旦那の手足となって働き通します!」 


​真鍋新太郎は、満足げに小さく頷いた。


​「よろしい。さあ、夜明けだ。魚河岸の朝の活気を取り戻すぞ」


​文伍の背中には、もう女房・おえんの「文伍! いい加減、ぼさっとしてないで、この『マコ』を能登屋まで運んでおくれ!」


という鉄火者の亭主に向けた愛のある大声が聞こえてきていた。


​安政三年、弥生の日本橋魚河岸に新しい朝が、そして岡っ引き・日本橋魚河岸鉄火の文伍の「捕物帳」の新たな一頁が、静かに開かれた。


​安政文伍捕物帳

(第一話 終)



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