第二十四章 桃の節句の宴

 七段飾りのお雛様を頂いたお礼と称して、義両親は桃の節句の日にささやかなお祝いを開いて、私の両親を宴に招待した。


 両親は約束の時間になり、ちょっとだけ過ぎた頃合いで、今度は約束通り来てくれた。手土産に銘酒を持って……。


「よく来てくださいました!」

「さぁさぁ上がって……」

「お招きいただきましてありがとうございます!」

「こちら、つまらないものですが……」

「まぁ、〇〇〇〇(日本酒の銘柄)じゃないですか!?」

「ありがとうございます!」


 挨拶を簡単に済ますと、お義母さんは早速宴会用の客間に両親を通す。


 実父をしかるべきところに座らせると、お義母さんは母の腕を引いて小さな声で、


「今回は仕方がありませんが……」

「次からは何の相談もなく勝手な事をなさらないでください」

「主人もテレビが見えず邪魔だと申しておりますので……」


 無論、このいきなり送りつけられた七段飾りのお雛様の事で嫌味を言っているのである。この宴会の彼女らの真の目的は、このとびきりの嫌味を私の両親にぶつけることにあった。




 その後は、穏やかで和やかな雰囲気の元、桃の節句、つまりはひな祭りの宴会が執り行われ、最後には記念写真を撮ってお開きとなった……。

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