第4話


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あれから半月。

結局自分からは一言も話しかけられないまま

最後の日になってしまった。


とにかくこれまでのお礼を言いたかった。

もう二度と会えないなら、後悔したくない。


「っあー、もう!送っちゃえ!」


カチ、と思い切って送信ボタンを押した。

既読になるのが怖くてすぐにチャットを閉じた。


文章なんて得意じゃないから

無駄に長いメッセージを送ってしまった。

書きながら結局何が何だか分からなくなって

最終的には

《間宮さんのご多幸を心よりお祈り申し上げます!!》

とかいう硬すぎるビジネス文で締めくくってしまった。

引いたかな、ああだめだ、怖すぎてもう一生チャット開けない。



〜♩


送ってから少しして、

通知の音がやけに大きく鳴るからどきっとした。


......ま、まさか、あのお忙しいお人がこんな早く返信してくれるわけ......


《ご多幸(笑)》


き、きたー!!


どうしようやっぱご多幸はおかしかったか、

でも笑ってくれたならいいか?

てか間宮さん(笑)とか使うんだ!

なんて色んなことを考えてるうちにまた通知が鳴った。



《こちらこそ、今までありがとうございました。

会社は変わりますが、何か困ったらいつでも言ってください。

 そのうちご飯にでもいきましょうか。》



......!!!!!


ああ、マスクしててよかった。

今の私、今世紀最大にニヤけてる。

嬉しくて嬉しくて堪らない。

恐れ多すぎて口には出せなかった、でも夢にまで見てたこんな展開......ああ神様、ありがとう!!!



《はい!!ご飯、ぜひお願いします!!》




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