第6話「セイタVSカイト」
辺りは闇に包まれ、少しの風の音だけがセイタに刺激を与えていた。
タイト「ピリピリしておるようじゃの。」
【鳥人メモ】
名前︰タイト
種翼︰トキ
特殊能力︰数秒先の未来が見える
セイタ「タイト様。何故でしょうか、ものすごく胸騒ぎがするのです。」
タイト「運命には逆らえぬ。ワシには未来が見えると言ってもほんの数秒先。変えられるかは分からない。そして、その運命と向き合う時が来たようじゃな。」
松明に灯っていた炎の色が紫色に変わっていく。
この炎を見たことがある。ついにご対面というわけだ。
既に、門の前の兵士は倒されているようだなとセイタは身構えた。
階段をのぼり、カイトが姿を表す。
カイト「おやおや、他のものが襲われていると言うのに、こんな少しの護衛だけで大名を守れるとでも?」
セイタ「多くの戦力は国の王の元に集約している。それに、お前は僕が倒す。」
カイト「威勢のいいことだ。」
カイトは刀を持っていたが、やはり自分の刀ではない。見せてもらった通りだ。おそらくは兵士から拝借をしたものであろう。
気にすることなく、セイタは自分の分身を4体作り出した。
カイト「ほぉ。少しは楽しめそうだ。」
最初に分身4体がカイトに攻撃を仕掛ける。
4つの攻撃を受け流し、本体の攻撃に備えた。分身との距離が開き、その時に本体のセイタが攻撃を仕掛けてきた。
刀と刀がぶつかり合い、動きが止まるかと思いきや、カイトが後ろへと吹き飛ばされた。
カイト『刀にあとから重さが追加された。6回ぐらいか?なるほど、作れるのは自分だけじゃねぇのか。だが、一撃で仕留めてこないあたり、限度があるな。そして分身は重ねがけを使ってこない。なるほど。』
間髪入れずに、分身たちがカイトへの攻撃を開始する。四方八方からの攻撃を刀でいなし、カイトは分身の腹部に触れる。
たちまち紫色の炎が上がり、分身は焼ききれてしまう。残りの3体も同じように消し炭になってしまった。
本体も攻撃を入れてくる。しかし、先程と違い、攻撃の重ねがけのようなものを感じない。普通の戦闘のように刀と刀のぶつかり合い。何も変わらない。
余裕があるのか、カイトは刀の動きを止めた時に話し出す。
カイト「なぜ能力を使わない?」
セイタ「…」
カイト「敵にわざわざご丁寧に教えるわけもないか。」
だが、このいつ使うのかが分からないという点がカイトの思考を鈍らせる。ガードをしようと構えてなければ重ねがけされた攻撃を全て耐え切ることはできない。先程のように吹き飛ばされてしまう。
セイタは飛び上がり、戦いの場所を空へと移した。
カイトも飛び、空中戦が開始される。
空中でも刀がぶつかり合うが、一向に能力を使ってこない。
その不安がカイトの思考を守り寄りにさせてしまい上手く攻め入ることができない。カイトは高く飛び、急降下して強烈な一撃を入れる。
セイタは刀の横の部分で受けてしまった。
カイトは刀が折れると確信したが、刀にはヒビ1つ入っていない。
カイト『防御にも重ねがけできるのか。あの忌々しいキツツキと同じように衝撃を何回分かは知らないが吸収しやがった!』
驚いたのも束の間、夜という闇に包まれた空の中から分身4体が攻撃を仕掛けてきた。
カイト『コイツ!下から飛んでくる時に分身を作っていやがったな!』
4方向からの攻撃は空中では交わすのは難しい。受けるしかなかった。その隙をセイタが刀で攻撃してくる。刀に6つの攻撃の重ねがけ。
カイトは地面へと強く叩きつけられた。
セイタ「はぁ…はぁ…。まずい、そろそろ限界が近い。」
ボッ!という音とともに、分身の一体が燃えてしまった。
セイタ「!?」
一体一体が順番に炎に包まれていく。何が起きているのか分からない。そして、セイタの腹部の辺りからカイトの手が出てきた。
その手は開いていてセイタは咄嗟にガードしようとしたが、遅かった。まともに炎に飲み込まれ、焼き切れそうになる前、刀を振り、炎をどかした。
カイト「なかなか、粘るじゃないか。だが、そろそろ限界が近いんじゃないか?息が切れているぞ?」
実際、セイタは体力が限界に近くなってしまっていた。複製という能力は体力を大きく消費する。
長時間の戦いはセイタにとっては不利なのだ。短期戦を望んでいたが、あまりにもカイトがタフすぎる。
セイタは攻撃を構える。
攻撃を仕掛けるが、体力の低下から先程のようなキレは無くなってしまっていた。
カイト「どうした?さっきの勢いがないぞ!」
不意にセイタが羽をカイトの方へと向けた。
燃えた羽の1部をカイトの方へと飛ばす。まだ火の粉が残っていて、カイトの目潰しへとなった。
ここが最後のチャンス。
セイタは攻撃の重ねがけを10回行い、カイトに攻撃を仕掛ける。
カイトが刀で受け、刀にヒビが入り、砕ける。
いける!倒せる!その心の油断が勝敗を分けた。カイトを切ったと思えば、炎に包まれてしまった。そうだ、奴は炎を使い、自分を移動させることができる。それを忘れていた。
上から蹴りが飛んできて、今度はセイタが地面へ強く打ち付けられてしまった。
カイト「若造だったな。故に未熟。」
屋敷に入ろうとした時、後ろから音がした。
顔や体の至る所から血を流しながらセイタが立っていた。
カイト「その体で何ができる?死ぬぞ。」
セイタ「僕は…タイト様の護衛です。死んでも守る。そう誓っています。だから、最後まで戦わないぐらいなら死んだ方がマシです!」
カイト「若造。お前を少々甘く見ていたようだな。いいだろう。その心意気は気に入った。俺の最大の力を使ってケリをつけてやろう。」
カイトが自分の腰につけていた刀をついに抜いた。
紫色の炎が刀を包んでいる。
セイタはつきの構えを取った。外せば死の一撃技だ。
両者お互いに突っ込む。
カイト「秘技・
セイタの体には炎が上がったが、すぐにそれは消えた。
カイト「殺すには惜しい若造よ。また会えた時には再び戦うことを願っておるぞ。」
その夜、タイトの屋敷は炎に包まれ灰となった。
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