悪夢から、こんにちは。〜彼女は恋のキューピット〜
猫の尻尾
第1話:ナイトメアタウン。
悪魔の女の子なんかが出てきますけど・・・どっちかって言うと青春
ラブストーリーって言ったうがいいかもです。
髪は肩より少し長め・・・。
性格は、大人しいほう、勉強も運動も人並み。 特別変わったところも
なく普通のどこにでもいる女子高生。
舞にはひとつ悩みがあった。
可愛がっていたサラダと名付けた「ちわわ」を自分の不注意で 死なせて
しまってから、そのストレスで耳鳴りがし始めた。
精神的苦痛により一時的にそうなったのかもしれない。
いつも耳鳴りがするわけじゃなく、時々何も手につかないくらいひどい
時もあった。
その日も学校に遅れそうになった舞は近道をするため
公園の中を突っ切った・・・公園の中央あたりで横目に子犬が目に入った。
首輪を見てどこかの飼い犬なんだろうかって思った。
どことなく亡くなったサラダに似てる・・・。
だから雫はサラダのことを、つい思い出してしまった。
そしたら胸がキュって締め付けられる感じがした。
公園を突っ切ったあと歩道橋の階段を駆け上がった。
歩道橋の中央あたりに来た時、突然例の耳鳴りがはじまった。
耳鳴りが静まるまでと、雫は歩道橋の真ん中で立ち止まって、やり過ごそう
としていると、耳鳴りはどんどん激しくなっていった。
耳を押さえたが、それはただそうすれば、多少は耳鳴りに効果があるだろう
って思っただけの行動だった。
気分の悪いモスキート音に我慢できなくて、
そこにしゃがみこむと、舞はそのまま気を失っていた。
どのくらい気を失っていただろう・・・。
気がつくと 舞は見たこともない天井の柄が目に入った。
そしていつの間にかベッドに寝かされていて壁には妙な魔方陣みたいな
模様が一面に描かれていた。
どうやら、どこかの部屋の中にいるようだった。
「目、覚めた?」
そう言われて、舞はあわててベッドから起き上がった。
見ると、そこにギャルっぽそうなの女の子が椅子に座って自分を見ていた。
改めてよく見てみると?・・・人間の女の子じゃない・・・頭に大きな
ツノが生えていた。
「あんた、どう見ても人間だよね?」
(あんたはどうみても人間じゃないよね)
って舞は思った。
「珍くないんだよね、ここに人間が来るって・・・」
「あの、ここはどこなんですか?」
「私はどうなったんでしょう?」
「あなたは誰?」
「そんなに一度に聞かれても・・・」
「まずは、ここがどこかって質問・・・」
「ここはナイトメアタウンって言う悪夢の町」
「だからあんたがここにいるってことは悪い夢を見てるってことになるのかな?」
「悲しい思い出や、嫌な経験をした人は 時々この世界に迷い込んでくるみたい
だね」
「だから、あんたはまだ何かの悲しみに囚われてるってことになるね」
「残りの質問・・・なんだっけ?」
「なんだっけ?」
「あなたは誰?」
「そうそう、私は誰?・・・私は悪魔」
「女だから小悪魔かな」
「え?・・・悪魔さん・・・ですか?」
そう言われると、そんな感じがした。
彼女の背中って言うかお尻のあたりにプラプラ揺れうごしてるものが見えた。
「それなんですか?」
「え?・・・あ・・・尻尾・・・私の尻尾」
なるほど、ハートマークみたいな先っぽの尻尾が左右に動いていた。
「私の名前はルシル・・・ル・シ・ル・・・」
「あんた、名前は?・・・あるんでしょ、名前」
「あ、はい、あ・・・あの 風吹・・・舞です・・・ふぶき まい」
「よろしくね、マイちゃん、とりあえずここで暮らすことになりそうだから」
「この部屋使っていいよ」
「時々、いるんだよ、あんたみたいに人間界から飛ばされてくる人」
「嫌な出来事は早く忘れることだね」
「じゃないと、いつまでもこの世界に閉じ込められたままになるよ」
舞は亡くなったサラダのことは一生忘れられないって思った。
悲しみが時間とともに薄れて行ったとしてもサラダのことは忘れないって・・・。
「私はこれからどうなるんですか?」
「自分の世界には帰れないんでしょうか・・・?」
「帰れるかもしれないし、帰れないかもしれない・・・」
「それは私には分からない・・・」
舞には「
いつも舞のことを気にかけてくれる人で、まるで兄妹のように一緒に育った
間柄だった。
舞がこんなことになってるなんて彼は知らない。
舞は悠真とは同じクラスだった。
だから今日、自分が学校に来てないってきっと気付いてると思うから心配してる
だろう。
せめて悠真にだけは、今の状況を知らせたかったが、 ここではスマホもLINEも
役に立たなかった。
舞はどうやら人間界とは別の世界に飛ばされたらしい。
ルシルは、ここが「ナイトメアタウン」だと言った。
「悪夢の町・・・ナイトメアタウン・・・」
すべて、その原因はサラダが亡くなったいきさつと、その悲しみに囚われた
舞のせいだった。
そして、このルシルって悪魔・・・悪夢の女の子・・・ のちに舞と悠真にとって
忘れられない存在になって行くことになるのだった、
つづく。
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