魔王軍のカースブック
ゆるせマン
決別
廃棄処理 呆気ない終わり
火葬場に一つ、棺が運ばれる
それを眺めるのは知らない筈のない顔ぶれ達
先ずは家族…贔屓目で見ても出来の良い、しばらくまで一緒に泣いたり笑ったりした自慢の弟
やや癇癪持ちでヒステリックな所は有れど、こんなオレを見捨てずしっかり育て上げようと努力した母
どうもだらしなさが目立ち人としておかしな点があるものの、たまに仕事を休み家族全員で遊園地や祭りに映画館…他には海へ行ったりと色々な楽しい思い出をくれた父
次に友人…最初はちょっとしたバカ話から意気投合して色々な事を話合った、時にはゲームを貸したり借りたりして先生に叱られた悪友
何気ない授業時間前に興味本位で少し話したら意外とノリが良く、成人式の後に飲み会に誘われて学校でゲームやってた話をして根に持つタイプの人だという一面も知れた先生
最後に仕事先の仲間…どんなに教えても同じミスを連発してしまい、ガチギレさせてしまう事が多々あったがそれでも根気よくどうにかしようとしてくれた店長
こんな不甲斐ないオレを見限らずに一応は仕事仲間として受け入れてくれた他のクルー達、…いや仕事の都合上で夜勤に入れる人居ないから仕方なくやってんだわコレ
…ともかく人として出来が悪く要領も悪いダメ人間だったオレは、今日も夕方から明日の朝までの仕事を終えて6日に1日の休みを迎えた
今日は夜もぐっすりと寝まくるぞと鼻歌を歌いながら週刊誌と弁当を買い、働いているコンビニを意気揚々と出ていった
すると目の前で左に曲がりコンビニの駐車場へと中々の速度で車がやって来た、急いでいる様に見えて寝坊か早めに出張する必要があったかと思いながら通勤の為に乗ってきた自転車へと歩いて向かい__
気が付いたら…オレは病院のベッドの上で死んだ自分を見下ろしていた、話によればあの時車は突然途中で右に急ハンドルしてオレをはね飛ばしたそうだった
そこから葬式が始まり、滞りなく進んで今オレの遺体は焼かれている……
哀しまないでくれよみんな…「オレは人様に迷惑しかしてこなかった、愚か者なバカだったんだぞ」、って死んだせいなのか固く閉じて開けない口を開けて言えればどれだけよかったか
遺体が灰と骨になっていくのと同調してるのか、夢うつつな意識が段々と薄れていくのを感じてまだ別れの挨拶も出来ないまま消え失せるのかと自分らしくもない事を思った
別れというのは、そういうものかもしれない
…心配する程ではないかもしれないが、みんなのその後の人生に幸あれとただ願うのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます