第6話
「空〜、ちゃんと忘れ物はない?初めが肝心だからね、テストも大丈夫だとは思うけど緊張しすぎないようにねー」
「分かってるよ母さん。そんなに心配しないでも大丈夫。」
「そうだよ母さん。空は真面目だから心配はしなくても大丈夫だよ。無理はしないようにな」
そんなほんわかした日常とは少し違い、慌ただしく会話が流れるある1日。
俺こと、蒼井空の中学校の入学式がついにやってきた。
タイムスリップしてから約2週間たち、勉強も何とかなりそうだと言うことがわかった。
天龍に関しても、何とかこの時間で「龍士」
まであがりレートに至っては8000まで到達した。その分勉強は一切していないので今日
テストがダメだったら終わってしまうのだが
まー大丈夫だろうと思い込むことにしていた。
入学式なんて本当に久しぶりの感覚だが、この何気ない会話はなんだかむず痒い反面嬉しい。
前の時も同じように愛を2人はくれていたのだろうが前の時はただ無心で2人から言われることに頷くだけでそれに気づけていなかった。今になってそれに気付くことができて、何も親孝行できていなかったなと思い出した。今回は少しでも親孝行できるように頑張らないとななんて、
この人生の目標が1つ増えた瞬間だった。
30年程振りの中学への通学路は本当に懐かしくて、凄く新鮮な気持ちになった。外にはほとんど出ていなかったので触れるものが全部凄く綺麗に見える。前ではこんなふうに感じることは出来なかったので改めて神様にそして俺を変えさせてくれた麻雀に感謝だ。
そんなこんなで歩くこと15分程で俺の母校
「帝東付属海王中学校」
に着いた。凄く頭の良さそうな名前をしているが、ただ昔は凄かっただけの今はそこそこの学力でそこそこに部活に力をいれていて、そこそこお金があれば入れる私立だ。
まー、昔の俺は結構勉強して入った訳だが。
少し感傷に触れつつ先生や先輩にしっかりと
挨拶をする。挨拶は大切だからな。社会人の時に嫌という程させられたし大切さは知ってる。その後入学の案内に従って講堂へと入る。
何事もなく入学式が終わった。
新しい恋の予感とか、可愛すぎる生徒会長とか、テロリストが襲ってくるとかそんなものは一切なく普通に終わった。まー、この学校はこれからのテストが本番なのだが、ちなみに生徒会長の挨拶はあったが、普通の眼鏡をかけた
ガリ勉君だった。前も同じだったのだろうが全然覚えてなかった。 許せモブ会長。
なんて軽口を挟みつつ、教室に案内されて早速テストが始まった俺のクラスは1組だった。これも前と同じだと思う。多分?。正直あんまり覚えてない。
「辞め」
先生の合図で俺は鉛筆を止める。これで今日のテストは全部終わりだ。以外も長かったなーと腕を天に上げて伸びをする。今日はこれから学校は終わりなので帰ろうと席を立つと
「ねー、ちょっといい?」
後ろから声をかけられた。
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