男が極めて貴重になった世界で女嫌いの僕は君に

思考停止

第1話 君がきた

僕は不幸だ


こんな世界に男として生まれたのだからここの世界では男は数少なく男など、女の性処理か子供を作るための道具だろう


こんな世界に生まれてしまったならいっそ、、、そんなことをいつも考え冷たく静かな檻のようなタワマンのマンションで


今日も一人引き篭もる


いつものように部屋に引きこもっていた。

すると突然、ドンッ! と大きな音がして、ドアが勢いよく壊された。


粉じんの向こうから現れたのは、ひとりの女だった。


(また俺を襲いに来た女か……?)

そう思った瞬間、その女はまっすぐ俺を見て口を開いた。


「ライ様。」


――頭が真っ白になった。


ライなんて人、知らない。

もちろん俺の名前もライなんかじゃない。


(何言ってんだこいつ)

そんなことを考えていると女は女で襲ってくるわけでもなくその場にじっとしてるだけ


しばらく経っても俺を襲ってくることもなく女はそこにいるだけ


(何しにきたんだこいつてかこいつなんだ誰だ?)

一人ぐるぐる頭を回し考える警察を呼ぼうかとも思ったが、警察も女だ男を襲わないなんて確証もない


「お、おい…」

女は何もせずただじっと立っている、仕方ないため女に話しかける


「?」

女はきょとんとした顔をする


(……どうしたものか、こいつは何してんだ?)

女が俺を襲いもせずただ立ってるだけという状況に頭が回る


ひたすら気まずい


「お、お前は……何しにきたんだ?てか、誰だ?」

勇気を出して俺は尋ねる


「ライ様にご報告を……」

女はやはり俺のことをライ様と呼んでくる


(誰かと勘違いしてるのか?罠か?誰なんだこいつ……)


「……ライって誰だ、?」

俺は仕方なく尋ねる


「?」

女はよくわからないという顔をする


「…………俺はライって人じゃないぞ」

俺はライという人を知らないが、女が勘違いしてそうなので、一言言ってみる


「?……ライ様……?」

よくわかってなさそうな女


その後も、俺が「ライって奴は知らない」と言っても、女は首を傾げるだけだった


(なんなんだ、こいつ……!)

他の女のように襲ってくるわけでもなく、ただライという人に間違えてくる女に、嫌気がさしていた


何度も、何度も、俺は叫んだ。

「俺はライじゃない!」


しかし、女はただ一言――

「ライ様……」


もう、何もかもが怖くなっていた。

間違いだと説明しても、女はまったく聞く耳を持たない。


(……ダメだ、こいつ……)

(警察を……ダメだ、警察も信用できない)


女は警察も信用できず、呼ぶこともできない。

だからと言って、俺がライじゃないと言っても、女は信じようともしない。



何度も、同じ会話の繰り返し。


(……なんだこいつ本当に)

女は俺を襲わずにただその場に座り、何も言わずに数時間が経った。


(……なんだ、こいつ本当に女か?)

普通なら男と二人っきりで、家にいれば襲ってくるものだが、女はただそこにいるだけ


(…なんだよ、こいつ……)

女は何時間も、姿勢を変えずに座っている。

崩れることも、動くこともなく、ただそこにいるだけだった。


(…女だよな?)

男である俺と二人っきりで、何もしないなんてあり得るのか?

不思議に思い同時に好奇心が湧く


何もしない気まずい空気に耐えられなかったのと、少しの希望なのか好奇心なのかわからないものに心動かされ、俺は、女に誘惑してみることにした


普通の女なら、この世界で男という貴重な存在に誘惑されれば、本能や欲に負け襲ってくるものだ


(きっとこいつもそうに違いない)


何もしない気まずい空気に耐えられなかったのと、少しの希望なのか好奇心なのかわからないものに心動かされ、俺は、女に誘惑してみることにした


普通の女なら、この世界で男という貴重な存在に誘惑されれば、本能や欲に負け襲ってくるものだ


(きっとこいつもそうに違いない)


俺は少し服を着崩し女に近づく


(さぁ、どうなるか)






終わりです、初投稿でした、コメントくれたら嬉しいです!

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