第17話・〈招待状〉
数日後
東京府東京市小石川区上富坂・カフェシエル
カロンコロンと店の扉に取り付けられているベルが鳴り、客が来たことを知らせる。
ウエイター業務中の僕は、「いらっしゃいませ」と言い、お客様を出迎える。が、僕はそのお客様を見て困惑した。
「ええっと、皆さんお揃いなんですね」
師匠である間米さん、横枕さんと川渕さんが来店したのであった。
間米さんが手を振って、「やぁ裕介。元気にしていた?」
「所用で集まっていた」
それに続き、横枕さんが手短に事情を説明してくださった。
「正巳さん、花野くんに渡しておけばいいじゃないですか」
「あぁ、確かに。裕介、これを渡しておくよ。渉くんと千智くんとも共有して」
間米さんは川渕さんの提案を受け入れ、僕は招待状なるものを渡された。訳が分からず困惑しつつ、
「わ、分かりました。えっと、ではお席へご案内いたします。こちらです」
勤務を終えて平屋に戻る。いつものように悪ノリで喧嘩していた渉と千智を通常通りに止めて、二人と招待状を見る。
『拝啓
時下ますますのご清栄のこととお慶び申し上げます。
花野裕介様、関澄千智様、音羽渉様(順不同)におかれましては、お健やかにお過ごしのことと存じます。
実は神奈川県鎌倉にて閏米正巳を筆頭に川渕泉成と、横比利央は準えではありますが貸本屋を開くことになりました。
それに伴い、三日後の開店初日に御三方をご招待したく存じております。
一層のご活躍を祈念いたしております。
敬具 間米正巳(文責)・川渕泉成・横枕利央』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます