粉雪降る中で
太郎
第1話 デートのお誘い
俺は
今は二学期の中間テストも終わった時期だ!なので、期末テストまでは遊びに遊びまくってやる!そして可愛い彼女をクリスマスまでに作るんだ!
何々?なんでこんなにテンションが高いのかって?
それは隣のクラスの美少女、
学校でその名を知らない人はいないくらいの美少女だ。そんな人にデートに誘われる。それはそれはとても良い気分だ。
俺は四組、青葉さんは三組とクラスが隣なので廊下ですれ違う事がよくある。お互い名前は知ってるが、話した事は無かった。
それくらいの接点しかないのだが、この前、中間テストの勉強を友達と図書館でしていた時に青葉さんから急に連絡が来たんだ。
スマホを見て観るとそこには、
『中間テストが終わったらデートしませんか?』
この文字を見た瞬間、俺は発狂しそうになった。図書館なので流石に発狂はしなかったが、無言で嬉しさの舞を踊ってしまった。
完全に迷惑。
舞を踊り続ける俺に友達が鉄の鉄拳を振り、目が覚めた俺は、図書館の職員さんに謝り続けて、学校からの反省文10枚を書き、ようやく図書館の出禁を回避した。
こんな人に迷惑かける行為をしたから、学校からの評価は下がり、青葉さんにデートに誘われたという事からテストは完全に上の空。最早成績は最低のところまで行ったが、俺は気にしない。
青葉さんにデートに誘われたからな!
もう学校の成績なんて気にしない。俺には青葉さんにデートに誘われたという事実があるだけで生きていける気がする。
自分の部屋のドアが開くと、妹が覗いてきた。
「お兄ちゃんさっきからうるさい。明日はデートなんでしょ?準備はできてるの?」
そう明日はその青葉さんとデートをする日だ。明日着ていく服はもう決めたし、顔が浮腫まないように脂っこい食べ物は食べてない。
「大丈夫、ちゃんと準備は終わってるぜ。明日は絶対青葉さんを落としてくるからな。報告待ってろよ」
「寝言は寝てから言って。お兄ちゃん結構ナルシストなんだから女の人を落とすなんて無理だよ」
妹め、何がナルシストだ。自信を持ってると言えよ!
「思ってる事口に出てるよ」
「おっと失礼」
時計を見たらもう十時だった。起きたら、髪の毛のセットや色々しないといけないし、もう寝よう。
「早く部屋から出てくれ、俺はもう寝る。おやすみ」
「緊張して朝まで眠れないって事が無いようにしなよ。おやすみ」
妹が部屋から出て行き、真っ暗な部屋の中で俺一人になった。
妹め、馬鹿にして。俺がそんな小学生みたいな事をする事が無いだろう。
__________________
朝
「しまった。一睡もできなかった」
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