時止まる図書館と、新たな召喚者
古代図書館の中心で、俺は重大な決断を下さなければならなかった。リリスから女神召喚の方法を聞き出し、百人の処女を集める必要性を理解した。しかし、それ以上に緊急な問題が浮上していた。
「ハルト様、これは重大です」
セシリアの表情がこれまでになく険しかった。彼女は古代図書館の記録を調べ、ある事実を発見したのだ。
「私たちの子供たち……お腹の中で成長している子供たちの魔力が、予想以上に急速に増大しています」
「どういうことだ?」
「先日の戦いや、ルシフェリア姉さんとの出会い、そしてリリスさんとの結合……ハルト様の力が強化されるたびに、私たちを介して子供たちにも影響が及んでいるようです」
シルヴィアがエルフの知識を補足した。
「エルフの記録によると、強大な魔力を持つ親から生まれる子は、胎内ですでに魔力を蓄え始めます。それが限度を超えると……」
「どうなる?」
「出産の瞬間、魔力が暴走します。最悪の場合、母親ごと、周囲の広範囲を吹き飛ばす可能性があります」
その言葉に、女たちの顔が一斉に青ざめた。
「私たちの子供が……そんな危険な?」
リーナが自分の膨らんだお腹を抱きしめた。
「でも、セシリアちゃんの祝福があるから大丈夫じゃないですか?」
「私の祝福は確かに保護効果がありますが、限界があります」
セシリアは悲しそうに目を伏せた。
「予測では、あと二週間以内に出産が始まります。それまでに女神召喚を完了させ、女神の調和の力で子供たちの魔力を制御しなければ……」
「二週間で百人の処女を集め、女神を召喚するのは不可能だ」
俺が現実を突きつける。いくら時間操作が可能でも、百人の女性を見つけ、愛し、信頼を得るには時間がかかる。
「では、私たちは……子供を産むのを我慢しなければならないのですか?」
ルナの声は震えていた。狼族の本能として、子を産むことは最大の喜びだ。
「待て。別の方法がある」
リリスが静かに口を開いた。
「古代図書館には、時間を完全に停止させる機能があります。対象の時間を止め、その状態を維持することが可能です」
「時間停止……?」
「はい。図書館内の特定エリアの時間を止めれば、妊娠状態を永遠に現在のままで保てます。出産を先延ばしにできるのです」
それはつまり……女たちを冷凍睡眠のような状態にするということか。
「そんな……!」
「私はハルト様と一緒にいたいです!」
女たちの反対の声が上がった。
「でも、それしか方法がないなら……」
シルヴィアが現実を受け入れ始めた。
「私たちが魔力暴走を起こせば、ハルト様も危険にさらされます。それだけは避けなければ」
「私も反対です」
意外にもセシリアが声を上げた。
「聖女として、私はハルト様のそばにいて祝福を与え続ける義務があります。時間停止からは私だけ除外させてください」
「セシリア、それは……」
「大丈夫です。私の子供はまだ初期段階ですし、聖女の力で魔力をある程度制御できます。それに……」
彼女は決意に満ちた目で俺を見つめた。
「ハルト様が百人の処女を集める旅には、聖女の祝福が必要です。私は同行します」
長い議論の末、結論が出た。セシリアを除く全員――リーナ、シルヴィア、ルナ、ルシフェリア、そして魔王城で加わった女たち全員が、古代図書館で時間停止状態で待機する。
ただし、その前に一つ条件があった。
「ハルト様……お別れの前に、もう一度だけ……愛してくれますか?」
リーナが涙を浮かべて頼んだ。
「時間が止まっても、私たちの心はハルト様を想い続けます。だから、最後の記憶を……温かい記憶を残してほしい」
他の女たちも一斉にうなずいた。妊娠した体ではあるが、彼女たちの欲求は衰えていない。むしろ、出産が近づくにつれて性的欲求は強まっているようだった。
「……わかった。では、全員ともう一度愛し合おう」
古代図書館の一角に設えられた寝室で、最後の宴が始まった。
まずはリーナから。彼女のお腹は大きく膨らみ、母性の輝きに満ちている。
「ハルト様……優しく……お願いします……」
「わかっている」
俺はリーナを優しく横たえ、膨らんだ腹を撫でながら結合した。彼女の内部は、妊娠によってより柔らかく、温かくなっていた。
「ああ……! 赤ちゃんが……動きます……! パパに会えて……喜んでる……!」
リーナは涙を流しながら笑った。その表情は痛みと快楽と深い愛情が入り混じっていた。
次はシルヴィア。エルフの彼女は、人間とは違った方法で快楽を表現した。
「ハルト様……エルフの妊娠は……敏感さが増します……特にここが……」
彼女は自分の長い耳を指さした。確かに、耳を舐めるとこれまで以上に激しく反応した。
「ああ……! そこ……! エルフの……弱点が……妊娠で……さらに……!」
シルヴィアは理性を失い、エルフらしからぬ淫らな言葉を吐き出した。
ルナは狼族らしく、より本能的な行為を求めた。
「ハルト様……後ろから……お腹を気にせずに……!」
彼女は四つん這いになり、腰を高く突き出した。妊娠しているが、狼族の体力は衰えていない。
「がうっ……! これだ……! 狼族の雌は……妊娠中も……オスを求める……!」
ルナの内部は熱く、子宮は既に大きく開いていた。もうすぐ出産という状態だが、それでも性的欲求は強い。
ルシフェリアは魔王の娘としての誇りを最後に見せつけた。
「ハルト様……私は他の女たちとは違う……魔王の血を引くこの体で……最上の快楽を味わわせてみせる……!」
彼女の体からは紫色の魔力が漏れ出し、それが俺の快楽を増幅した。
「ああ……! 私の魔力が……ハルト様と……混ざり合う……! これが……究極の結合……!」
ルシフェリアは翼を広げ、狂喜の叫びを上げた。
こうして一人ひとりと愛し合い、最後の記憶を刻み込んでいった。それぞれが妊娠しているため、激しい行為はできなかったが、それゆえの優しさと深い愛情が交わされた。
すべてが終わった後、セシリアが新たな問題を提起した。
「ハルト様、もう一つ考慮すべきことがあります。王国に残してきたアリシア王女とリリア王女です」
「あの二人か」
「はい。二人もハルト様の子を宿しています。そして、王家の血筋は強い魔力を持っています。彼女たちの子供もまた、強大な力を持つ可能性が高い」
確かに、王族の血筋ならば、一般人とは魔力の質が違う。
「一般人や狼族の女性たちは、元々の魔力が少ないため、子供たちの力もセシリアの祝福で制御できる範囲でしょう。でも、王族や魔族、エルフなど、魔力の高い種族の子供たちは別です」
「では、アリシアとリリアも呼び寄せる必要があるな」
「はい。でも、王女たちを無断で連れ出すことはできません。正式な手続きが必要です」
そこでリリスが介入した。
「古代図書館の転移機能を使えば、王女たちを気づかれずに連れて来られます。ただし、彼女たちの意思が必要です」
「では、私が説得に行きます」
セシリアが申し出た。
「聖女として、王女たちにも信頼されています。時間停止の必要性を説明すれば、理解してくれるでしょう」
「よし。では、セシリアが二人を連れて来い」
数時間後、セシリアはアリシアとリリアを連れて戻ってきた。二人のお腹もわずかに膨らみ始めていた。
「ハルト様!」
アリシアが駆け寄ってきた。
「セシリア様から全て聞きました。私たちもここで待機します」
「でも、父王には心配かけるでしょう……」
リリアは少し不安そうだった。
「心配しないで。時間が止まっている間、外部ではほとんど時間が経ちません。目を覚ました時、王国ではほんの数日しか経っていないでしょう」
リリスの説明に、二人は納得した。
「では、私たちも……お別れの前に……」
アリシアが恥ずかしそうに言った。リリアも同じように俺を見つめている。
「よし。では、二人とも愛してやろう」
王女姉妹との行為は、また違ったものだった。王家の教育を受けた二人は、どこか気高さを保ちつつも、激しい快楽に溺れていく。
「ハルト様……私たち王女は……こんなに淫らになって……いいのでしょうか……?」
「でも……止められない……! ハルト様とのこれが……最後かもしれないから……!」
二人は涙を流しながら、それでも快楽を求め続けた。
すべての女性たちと別れを済ませた後、いよいよ時間停止の儀式が始まった。
「では、行きます」
リリスが古代図書館のコントロールパネルを操作する。女たちが横たわるエリアに、青い光のカーテンが降りてきた。
「この光の中で時間が止まります。目覚める時は、ハルト様が女神召喚を完了させた時です」
「みんな……またね……」
俺は光の中の女たちに手を振った。彼女たちは微笑みながら、次第に眠りについていく。
最後まで抵抗していたセシリアも、涙を浮かべながら見送った。
「ハルト様……無事に帰ってきてください」
「ああ。必ず、女神を連れて帰る」
すべての準備が整い、いよいよ俺は単身でカラドリアへ向かうことになった。
「リリス、図書館の管理は任せた」
「はい、主人。古代図書館は私が守ります。そして、時間操作機能で主人の旅をサポートします」
リリスは深くお辞儀をした。
「外部の一週間が、内部の一年に感じられるように設定しました。これで、百人の処女を集める時間が稼げます」
「ありがとう。では、行ってくる」
俺は古代図書館を出た。背後には、愛する女たちを残して。
カラドリアへの道中、俺は計画を練り直した。まずは奴隷市場で処女の奴隷を購入し、彼女たちを解放し、愛を育む。そして、徐々に仲間を増やしていく。
しかし、カラドリアに到着した時、予期せぬ光景が目に飛び込んできた。
街の中心にある貴族の屋敷から、不気味な魔力が立ち上っている。それは召喚魔術の波動だった。
「まさか……?」
俺は屋敷へと急いだ。警備の兵士たちを難なく突破し、屋敷の奥にある儀式の間へとたどり着く。
そこには、肥満した悪徳貴族と、数人の魔術師がいた。そして、彼らが囲む儀式陣の中心で、奇妙な光が渦巻いていた。
「さあ、もうすぐだ! 我が願いを叶える美少女を異世界から召喚するのだ!」
貴族は興奮して叫んでいた。
「でも、侯爵様、この召喚は危険です。制御できない存在を呼び出す可能性が……」
魔術師の一人が警告したが、貴族は聞く耳を持たない。
「構わん! 金はいくらでも出す! とにかく、美しく、強く、そして従順な少女を召喚しろ!」
儀式陣の光はますます強くなり、空間が歪み始めた。そして、ついに――。
光が爆発的に輝き、次に収まった時、儀式陣の中心に一人の少女が立っていた。
彼女は黒いセーラー服を着ており、長い黒髪が背中まで流れている。年齢は十五、六歳だろうか。日本人の少女のように見えた。
「成功だ! 我が美少女召喚が成功した!」
貴族は狂喜して少女に近づいた。
「さあ、自己紹介しろ。お前の名前は?」
少女はゆっくりと顔を上げた。その瞳は虚ろで、どこか遠くを見つめているようだった。
そして、静かに、しかしはっきりと答えた。
「……鈴原澪」
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