魔王城への道程と、調和のハーレム

魔王城への旅路は、想像以上に平和なものだった。魔族の本拠地へ向かうというのに、道中で襲撃を受けることもなく、むしろルシフェリアの存在が通行を容易にしていた。彼女は魔族の領土内ではよく知られた存在で、その威光は広範囲に及んでいた。


「この辺りは、私の直属の部隊が巡回している地域です」


ルシフェリアが指さしながら説明した。彼女はもう完全に俺の女として振る舞っており、魔族の娘としての誇りよりも、俺に仕えることの方を優先している。


「魔王の娘として、大きな権限を持っていたんだな」


シルヴィアが感心したように言った。エルフとして、魔族との長い対立の歴史を知っている彼女にとって、魔王の娘と平和に旅するというのは不思議な経験だったろう。


「父が私を溺愛していたからです。でも、今思えば……それは支配の道具としての愛情だったのかもしれません」


ルシフェリアの表情が少し曇った。


「どういうこと?」


「父は、私を強力な魔族との政略結婚に使おうとしていました。隣接する魔族領の王子や、古い血統を持つ魔族の長老など……」


彼女は寂しそうに笑った。


「私の意思なんて、考えてもいなかった。ただの交易品として」


リーナが優しくルシフェリアの肩に手を置いた。


「でも、今はハルト様がいます。ハルト様は私たちの意思を尊重してくれます」


「ええ、そうです」


ルシフェリアの目が輝いた。


「ハルト様は、私に選択肢を与えてくれました。従うか、従わないか。そして、私は心から従うことを選びました」


セシリアがそっと微笑んだ。


「ルシフェリア姉さんは、ハルト様との出会いで真の自由を得たのですね」


「自由……か。そうかもしれません。でもそれ以上に、初めて自分が女として見てもらえた気がします」


ルシフェリアは俺を見つめ、頬を赤らめた。


「ハルト様は、私を魔王の娘としてではなく、一人の女として見てくれました。そして、その女を……欲してくれました」


その夜、一行は魔族の領土内にある廃墟となった城砦で野営することにした。かつては人間の前線基地だったが、今では廃墟と化している。


「ここなら、魔族の目もあまりありません。安全に休めます」


ルシフェリアが言った。彼女は翼を広げ、廃墟の周囲を偵察していた。


「では、今夜はここで休もう」


俺の言葉に、女たちは準備を始めた。リーナとセシリアが食料の調理を、シルヴィアとルナが寝床の準備を、ルシフェリアが警備を担当した。


夕食後、月明かりが廃墟に差し込む中、女たちが俺の周りに集まってきた。


「ハルト様、今夜も……お願いできますか?」


リーナが恥ずかしそうに尋ねた。彼女の腹は大きく膨らんでおり、出産まであと数週間というところだった。


「お前の体は大丈夫か?」


「はい。セシリアちゃんの祝福のおかげで、体調はとても良いんです。でも……ハルト様に愛されたい気持ちは、ますます強くなるばかりで……」


リーナの目は潤み、切実さに満ちていた。妊娠が進むにつれ、彼女の性的欲求は増しているようだった。それは『孕ませの福音』の副作用かもしれない。出産間近になるほど、俺への執着と性的欲求が強まるのだ。


「私もです、ハルト様」


シルヴィアも近づいてきた。エルフの彼女もまた、腹は膨らみ始めている。


「エルフとしての長い人生で、こんなに強い感情を抱いたことはありません。ハルト様を……もっと感じたいのです」


ルナは言葉こそ少ないが、その熱い視線で全てを物語っていた。狼族の本能が、彼女を俺へと駆り立てている。


セシリアは少し離れて微笑んでいた。彼女はまだ妊娠初期で、体調も安定しているが、聖女としての立場からか、他の女たちを優先しているようだった。


そしてルシフェリア。彼女はというと、少し離れた柱にもたれかかり、複雑な表情でこちらを見ている。魔王の娘としての気位と、俺に抱かれたいという欲望がせめぎ合っているようだった。


「では、今夜は全員でやろう」


俺の宣言に、女たちの顔が一斉に輝いた。


廃墟の広間で、月明かりを唯一の灯りとして、俺たちは行為に及んだ。最初はリーナから。彼女を優しく横たえ、膨らんだ腹を気遣いながら、ゆっくりと結合した。


「ああ……ハルト様……! 今日も……優しく……!」


リーナは涙を流しながら笑った。妊娠した体はより敏感になっており、わずかな刺激にも激しく反応する。


「大丈夫か? 痛くないか?」


「痛いけど……でも、それ以上に……嬉しい……! ハルト様が……私の中に……!」


俺はゆっくりと動き、リーナの子宮の入り口を優しく刺激した。出産間近の彼女の子宮は、より柔らかく、開きやすくなっているように感じた。


「赤ちゃんが……動きます……! ハルト様に……会えたくて……!」


リーナは自分の腹に手を当てながら喘いだ。その言葉が、俺の興奮をさらにかき立てた。


次はシルヴィア。エルフの彼女は、人間とは違った反応を見せた。結合するたびに、魔力が微かに漏れ出し、周囲を淡い光で包んだ。


「ハルト様……エルフの子宮は……人間とは少し違います……もっと……奥深いので……」


彼女の言葉通り、シルヴィアの内部は驚くほど深く、子宮の入り口もより奥に感じられた。エルフの長い寿命に合わせた、神秘的な構造なのかもしれない。


「気持ちいいか?」


「はい……エルフとして……こんなに激しい感情を……許されるとは……」


シルヴィアは目を閉じ、快楽に身を任せていた。彼女の長い耳は敏感に震え、俺がそれを舐めると、彼女は跳ねるように体を反らせた。


「そこは……! エルフの……弱点……!」


彼女の耳を弄びながら、俺はより深く突き立てた。シルヴィアの子宮は、エルフの魔力を込めて、俺の種を引き込もうとしているようだった。


ルナは狼族らしく、より野性的だった。彼女は四つん這いになり、腰を高く突き出して俺を誘った。


「ハルト様……狼族は……後ろから……!」


彼女の要求通り、後ろから結合すると、ルナは狼のような唸り声を上げた。


「がうっ……! それです……! 狼族の……雌は……こうして……!」


ルナの内部は、他の女たちよりも強く締まり、熱かった。獣人族の体温の高さと、繁殖本能の強さが表れているようだ。


「子宮が……開きます……! ハルト様の……子供を……もう一度……!」


ルナは既に妊娠しているが、その欲望は衰えるどころか、むしろ強まっている。『野生の隷属』の効果が、彼女の発情期を常に活性化させているのかもしれない。


セシリアはというと、彼女は他の女たちとは少し違った。聖女としての力が、行為をより神聖なものに変えていた。


「ハルト様……私の祝福が……あなたを通じて……みんなに届きます……」


セシリアと結合すると、彼女の体から金色の光が漏れ出し、他の女たちを包んだ。その光は、女たちの快感を増幅し、同時に胎内の子供たちを守っているようだった。


「これは……セシリアちゃんの……?」

「すごい……こんなに……気持ちいい……」


女たちはセシリアの祝福に歓喜の声を上げた。


そして、最後に残ったのがルシフェリアだ。彼女はまだ少し距離を置いて見ている。


「どうした? 遠慮しているのか?」


俺の問いに、ルシフェリアは少しうつむいた。


「私は……新人です。先輩の方たちが……優先されるべき……」


「そんなことはない。お前も俺の女だ。平等に愛する」


ルシフェリアの目が潤んだ。


「そんな……私は……魔王の娘です。こんな卑しい欲望に……溺れていいものか……」


「卑しいだと? 違う。これは愛だ。俺とお前たちの絆だ」


俺はルシフェリアに近づき、彼女の顎を持ち上げた。


「お前はもう魔王の娘ではない。俺の女だ。ならば、女としての喜びを思い切り味わえばいい」


「でも……ここで……みんなの前で……」


ルシフェリアは周りの女たちをちらりと見た。彼女たちは皆、温かい笑顔でルシフェリアを見つめている。


「ルシフェリア姉さん、遠慮しないで」

「私たちは、もう姉妹ですから」


リーナとセシリアが優しく声をかけた。


「さあ、ルシフェリア。お前の欲望に正直になれ」


俺の言葉が、最後の抵抗を打ち破った。


ルシフェリアはゆっくりと服を脱ぎ始めた。褐色の肌は月明かりに照らされ、神秘的な輝きを放っている。彼女の翼は緊張で少し震えていたが、その目は確かに俺を求めていた。


「お願いします……ハルト様……私を……魔王の娘だった頃の私を……完全に消してください……」


「よかろう」


俺はルシフェリアを抱き寄せ、その唇を奪った。深いキスを交わしながら、彼女の体を撫でた。


「んっ……! ハルト様……!」


ルシフェリアは初めての集団行為に緊張していたが、次第に体がほぐれていった。


「見ていてください……私は……もう魔王の娘ではありません……ハルト様の女になります……!」


彼女は大声で宣言すると、自ら腰をくねらせ、俺を受け入れようとした。


結合する瞬間、ルシフェリアの体から紫色の魔力が迸った。魔王の血統が、性的興奮で活性化しているようだった。


「ああっ!? 私の……魔力が……暴走する……!」


「制御しろ。その魔力を、俺への愛に変えろ」


「はい……! ハルト様への……愛に……!」


ルシフェリアは必死に魔力を制御しようとした。すると、紫色の魔力が次第に金色に変化し始めた。セシリアの祝福と混ざり合い、新たな力が生まれているようだった。


「なんだ……これは……? 私の魔力が……浄化されて……?」


ルシフェリアは驚いた様子だった。魔族の魔力は通常、暗黒の属性を持つ。それが聖なる力と混ざり合うなど、前代未聞のことだろう。


「これも、セシリアの祝福の効果だ」


俺はそう言いながら、ルシフェリアを激しく突いた。


「あああっ!? 深い……! ハルト様が……私の子宮を……!」


ルシフェリアは狂ったように嬌声を上げた。彼女の内部は魔王の娘だけあって、驚くほどに締まりが強く、しかも魔力が流れ込んでくる。まるで、魔力そのものが俺を求めて吸い寄せているかのようだ。


「気持ちいいか? 魔王の娘よ」


「気持ちいい……! こんなに……気持ちいいなんて……知らなかった……!」


ルシフェリアは涙を流しながら笑った。彼女の翼は大きく広がり、震えていた。


「私は……バカだった……! 力と権力ばかりを追いかけて……本当に大切なものを……見失っていた……!」


彼女は俺に抱きつき、その耳元で熱く囁いた。


「ハルト様……もっと……! 私を……完全にあなたのものにしてください……! 魔王の血も、魔力も、全てあなたに捧げます……!」


「よかろう! では、たっぷりと注いでやる!」


俺はルシフェリアの子宮の奥深くに、熱い精液を吐き出した。同時に、彼女も絶頂に達し、金色と紫色が混ざり合った魔力を放出した。


「ああああっ!? 入る……! ハルト様の……聖なる種が……私の魔王の子宮に……!」


ルシフェリアの体は激しく痙攣し、その痙攣が魔力の放出をさらに促進しているようだった。周囲の空気が震え、廃墟の壁にひびが入るほどだった。


しばらくして、全てが終わった。女たちは皆、満足感に満ちた表情で横たわっていた。特にルシフェリアは、完全に俺のものとなったようで、顔には深い幸福感が漂っていた。


「ハルト様……ありがとうございます……私は……初めて本当の幸せを知りました……」


彼女は俺の腕の中で、まるで子猫のように甘えた。


「これからもずっと……あなたのそばにいさせてください……」


「ああ、ずっと側におけ」


俺はルシフェリアの頭を撫でながら言った。


その夜、女たちは俺を囲んで眠りについた。それぞれが俺に触れながら、深い安眠に落ちていった。


翌朝、旅を再開する前に、ルシフェリアが提案した。


「ハルト様、ここからさらに半日進むと、私の直属の部隊の駐屯地があります。そこには、私が信頼する女戦士たちがいます」


「お前が言っていた、魔王軍の女たちか」


「はい。彼女たちは皆、強い戦士や魔術師です。そして……私と同じように、魔王の支配に疑問を抱いている者も少なくありません」


ルナが興味深そうに首をかしげた。


「魔族の中にも、反抗的な者がいるのか?」


「ええ。父の支配は強圧的です。特に女性に対しては、結婚も子育ても全て政治の道具としてしか見ていません」


ルシフェリアの表情が暗くなった。


「私は魔王の娘だったから、ある程度の自由はありました。でも、一般の魔族の女性たちは……ただの道具です」


「では、その女たちを救ってやろう」


俺の言葉に、ルシフェリアの目が輝いた。


「本当ですか!? ありがとうございます、ハルト様!」


「ただし、条件は同じだ。俺の女となり、俺の子を宿すこと」


「彼女たちもきっと……喜んで受け入れると思います!」


ルシフェリアは確信に満ちていた。彼女は既に、俺のハーレムこそが真の自由と幸福をもたらす場所だと確信しているようだった。


駐屯地は、山間の谷間に築かれていた。黒い石でできた要塞は、威圧的な外観だったが、ルシフェリアが近づくと、門が開いた。


「ルシフェリア様!? お帰りなさいませ!」


守衛の魔族戦士が驚いた様子で敬礼した。


「私の帰還を報告しろ。そして、全指揮官を招集せよ」


「は、はい!」


ルシフェリアは、かつての威厳をもって命令した。彼女の中にはまだ、魔王の娘としての風格が残っていた。


要塞の広間で、十数人の魔族の指揮官たちが集まった。そのうちの三分の一は女性だった。女戦士、女魔術師、女暗殺者――様々な職種の女性たちが、一様にルシフェリアを見つめている。


「皆、聞け」


ルシフェリアは高らかに宣言した。


「私は、人間の領主ハルト様に敗北し、服従した」


広間が騒然とした。


「な、なんと……!?」

「ルシフェリア様が……人間に……!?」


指揮官たちは驚愕していた。特に男性指揮官たちは、怒りと絶望の表情を浮かべていた。


「静まれ!」


ルシフェリアの一声で、広間は静かになった。


「これは敗北ではない。新たな出会いだ。ハルト様は、単なる人間ではない。性魔術師(エロマンサー)という、特別な力を持つ方だ」


彼女は俺を指さした。


「そして今、私はハルト様の女として、真の幸福を得た。魔王の娘としての空虚な栄誉よりも、ハルト様に愛されることの方が、はるかに価値がある」


女性指揮官たちの目が輝き始めた。彼女たちはルシフェリアの言葉に、ある共感を覚えているようだった。


「そこで私は提案する。私に忠誠を誓う者たちよ、ハルト様に従え。そして、ハルト様の女となり、真の自由と幸福を得よ」


一瞬の沈黙の後、一人の女戦士が前に出た。黒い鎧をまとった、褐色の肌の女性だ。彼女の頭には小さな角があり、背中には翼の痕跡がある。完全な翼ではなく、退化したようなものだ。


「ルシフェリア様……そのお方は、本当に私たちを……一人の女として見てくださるのですか?」


その問いに、俺が答えた。


「ああ。俺の目には、魔族も人間も関係ない。ただ美しい女かどうかだ」


女戦士の頬が赤らんだ。


「では……お試しください。私の力が、あなたにふさわしいかどうかを」


彼女は鎧を脱ぎ始めた。他の女性指揮官たちも、次々とそれに続いた。


「待て! そんなことを許すか!」


男性指揮官の一人が叫んだ。しかし、ルシフェリアが一瞥するだけで、彼は黙った。彼女の威光はまだ健在だった。


こうして、駐屯地の女性指揮官たち全員――七人が、俺の前に跪いた。


「では、一人ずつ試させてもらおう」


最初は、先ほど話した女戦士から。彼女の名はミラと言った。魔族の中でも戦士階級の出身で、ルシフェリアの親衛隊長を務めている。


「覚悟はいいか?」


「はい……ですが、私は……経験がありません……」


ミラは恥ずかしそうにうつむいた。魔族の戦士は、戦い以外のことには疎いことが多いらしい。


「ならば、俺が教えてやる」


俺はミラを横たえ、優しく結合した。彼女の内部は、鍛え上げられた戦士らしく、締まりが強かった。しかし、その強さは快感へと変わり、彼女をすぐに喘がせた。


「ああ……! これが……性交……!? 私の……体が……火のようで……!」


ミラは驚きと快楽の表情を浮かべていた。彼女のこれまでの人生は戦い一色だったのだろう。初めての性的快楽に、戸惑いながらも溺れていった。


次は女魔術師のリリス。紫のローブをまとった、知的な顔立ちの女性だ。彼女は魔術の知識は豊富だが、性的な経験は皆無のようだった。


「理論では知っていましたが……実際は……もっと……激しいのですね……」


リリスは眼鏡をかけ直しながら、興奮で震える声で言った。


「魔術師なら、自分の感覚を分析できるか?」


「はい……今、私の子宮が……開こうとしています……魔力が……集中して……」


彼女は魔術師らしく、自分の体の変化を客観的に観察しているようだった。しかし、それでも快感には勝てず、次第に理性を失っていった。


「ああ……! 分析……できません……! ただ……気持ちいい……!」


こうして、七人の魔族の女性たち全員と交わり、彼女たちを俺のものとした。それぞれに個性があり、反応も様々だったが、共通していたのは、皆が深い満足感を得たことだ。


「ハルト様……これが……真の幸せなんですね……」


ミラは涙を流しながら微笑んだ。


「今まで、戦いと命令だけの人生でした。でも、これからは……愛される人生です」


「私もです」


リリスが続けた。


「魔術の研究だけが全てだと思っていました。でも、こんなに温かい感情があるなんて……」


ルシフェリアは誇らしそうに胸を張った。


「見てください、ハルト様。彼女たちも、もうあなたを離れられません」


確かに、七人の女たちの目は、俺への深い忠誠と愛情で満ちていた。


「では、これからはお前たちも俺の女だ。魔王城への道中、共に戦え」


「はいっ!」


女たちは一斉に答えた。


こうして、俺のハーレムはさらに七人増え、総勢十二人となった。妊娠中の者、戦士、魔術師、聖女、魔王の娘――多様な女たちが、俺を中心に一つになった。


魔王城へ向かう道中、ルシフェリアが言った。


「ハルト様、父はきっと、私の行動を知っています。魔王城には、既に迎撃の準備が整っているでしょう」


「兵力は?」


「常駐兵力は三千。それに魔法防壁と、各種トラップ。正面からの攻撃は困難です」


シルヴィアが考え込んだ。


「三千か……こちらは十二人。圧倒的に不利ですね」


「ですが、私たちにはハルト様がいます」


セシリアが優しく微笑んだ。


「ハルト様の力こそが、最大の武器です」


「ああ。ならば、戦わずして勝利する方法を考えよう」


俺はルシフェリアを見た。


「お前の父には、愛妾などはいるか?」


ルシフェリアの表情が曇った。


「います……数人。でも、父は彼女たちを大切にはしていません。ただの権力の象徴として」


「ならば、その愛妾たちから手を付けよう」


その提案に、女たちは驚いた。


「つまり……ハルト様が、魔王の愛妾たちも……?」


リーナが驚いて尋ねた。


「ああ。魔王の女たちを俺のものにすれば、魔王は精神的に追い詰められる。そして、お前たちのように、彼女たちも真の幸福に目覚めるかもしれない」


ルシフェリアは深く頷いた。


「確かに……父の愛妾たちは、みんな不幸そうです。いつも怯えたような表情をしていました」


「では、魔王城に潜入し、まずは愛妾たちを救い出そう。そして、最後に魔王と対峙する」


「ですが、どうやって潜入するのですか? 城の警備は厳重です」


ミラが心配そうに言った。


「それには、リリスが役立つかもしれない」


ルシフェリアが女魔術師を指さした。


「リリスは、空間転移の魔術に長けています。小規模な転移なら可能です」


リリスはうなずいた。


「はい。ただし、正確な座標が必要です。城内の様子を知らないと……」


「それなら、私が案内します」


ルシフェリアが言った。


「城内の構造はよく知っています。愛妾たちの部屋の位置も」


「では、今夜のうちに行動を起こそう」


こうして、魔王城への潜入計画が立てられた。リリスの空間転移で城内に潜入し、まずは魔王の愛妾たちを救出する。そして、精神的に動揺した魔王と対峙する。


夜が更けるのを待ち、一行は魔王城の近くまで移動した。城は山の頂上にそびえ立ち、暗黒の魔力に包まれていた。


「さあ、行くぞ」


リリスが魔術を唱え始めた。紫色の魔法陣が描かれ、その中に俺たち全員が入った。


「転移開始!」


一瞬、視界が歪み、次に気づいた時には、城の中にいた。豪華な絨毯と、黒い大理石の壁。確かに城内だ。


「ここは……西の塔だ。愛妾たちの部屋は、この上の階にある」


ルシフェリアが小声で言った。


「では、行こう」


俺たちは静かに階段を上った。警備の兵士たちは、幸いなことに少なかった。ルシフェリアの存在が、警戒を緩めさせているのかもしれない。


最上階の部屋の前で、ルシフェリアが立ち止まった。


「ここです。三人の愛妾が、別々の部屋に住んでいます」


「では、一人ずつ回ろう」


最初の部屋に入ると、そこには金髪のエルフの女性がいた。彼女は鎖でベッドに繋がれ、無表情で窓の外を見つめていた。


「エルフ? 魔王の愛妾に、なぜエルフが?」


シルヴィアが驚いた。


「父は、敵対種族の女性を収集する趣味があります。戦利品として」


ルシフェリアの説明に、シルヴィアの表情が険しくなった。


「なんて……ひどい……」


エルフの女性は、俺たちが入ってきてもほとんど反応しなかった。目は虚ろで、魂が抜けているようだった。


「彼女は……もう長い間、ここに閉じ込められています。心が壊れているかもしれません」


ルシフェリアが悲しそうに言った。


「ならば、癒してやろう」


俺はエルフの女性に近づき、その鎖を外した。彼女はぼんやりと俺を見つめた。


「新しい……主人……?」


その声はかすれ、力がなかった。


「俺はお前の主人ではない。お前を自由にする者だ」


「自由……? もう……自由なんて……」


彼女の目に涙が浮かんだ。


「信じられない……何度もだまされたから……」


「今回は違う。俺の力を感じろ」


俺は『魅了の抱擁』の力を、優しく彼女に注いだ。暗黒の魔力に蝕まれた彼女の心を、温かい力で包み込むように。


エルフの女性の目に、微かな光が戻った。


「この感じは……優しい……温かい……」


「お前の名は?」


「セレナ……と言います……」


「では、セレナ。俺について来るか? 本当の自由と、愛をやろう」


セレナの目から大粒の涙が零れた。


「愛……? 私に……そんなものが……?」


「ああ。俺がお前を愛する。そして、お前も俺を愛するようになる」


俺はセレナの唇に軽くキスをした。彼女の体が微かに震え、そして次第に熱を帯びていった。


「この感じ……忘れていた……生きているという感じ……」


セレナは泣きながら微笑んだ。


次に訪れた部屋には、獣人族の女性がいた。猫族のようで、耳と尾を持っていた。彼女もまた鎖に繋がれており、しかしエルフのセレナとは違い、怒りに満ちた目をしていた。


「また新しい客か? さっさと用事を済ませて帰れ」


彼女は鋭い目つきで俺を見た。


「お前は?」


「私はキリカ。獣人族猫族の戦士だ。魔王に捕まり、ここに閉じ込められている」


彼女の声には、諦めよりも怒りが感じられた。


「戦士なら、戦って自由を勝ち取ろうと思わないのか?」


「もちろん思う! でも、この鎖には魔法がかけられている。外せない」


「ならば、俺が外してやろう」


俺は鎖に手を触れ、『魅了の抱擁』の力を流し込んだ。魔法の鎖は、俺の力の前には無力だった。魔力が浄化され、鎖は簡単に外れた。


「なっ……!? どうやって……!」


キリカは驚いた様子だった。


「これが俺の力だ。では、約束しよう。俺について来れば、真の自由と、強さをやる」


「強さ……?」


「ああ。俺の子を宿せ。その子は、お前よりも強くなるだろう」


キリカの目が輝いた。


「強い子……? それは……魅力的だ……」


彼女は一瞬考え、そしてうなずいた。


「わかった。だが、一つ条件だ。私を愛するなら、私の強さも認めろ」


「もちろんだ。強い女ほど、魅力的だ」


キリカは満足そうに笑った。


三人目の部屋には、人間の女性がいた。年齢は三十代前半だろうか。彼女は他の二人とは違い、鎖には繋がれていなかったが、部屋から出る気配はなかった。


「また新しい方ですか? 私はアイシャと言います」


彼女は礼儀正しく、しかしどこか虚ろな笑みを浮かべていた。


「なぜ逃げない?」


「逃げても意味がありません。魔王の力は強大です。どこへ逃げても、見つけ出されます」


アイシャの声には、深い諦めがあった。


「ならば、魔王を倒せばいい」


俺の言葉に、アイシャは驚いたように目を見開いた。


「魔王を……倒す? そんなこと、できるはずが……」


「できる。そして、お前もその力になれ」


俺はアイシャに近づき、その肩に手を置いた。


「俺の女となり、俺の力の一部となれ。そして、魔王を倒すのを手伝え」


アイシャの目に、長らく忘れていた希望の光が灯った。


「私に……そんな力が……?」


「ある。お前の中に眠っている力を、俺が目覚めさせる」


アイシャは深く息を吸い込み、そしてゆっくりとうなずいた。


「わかりました。あなたを信じます」


こうして、魔王の三人の愛妾を救い出した。彼女たちはそれぞれに傷を負っていたが、俺の力で癒され、新たな希望を見出した。


「では、最後に魔王との対峙だ」


ルシフェリアが言った。彼女の表情は複雑だった。父との対決を前に、まだ迷いがあるようだ。


「大丈夫か?」


「はい……もう迷いはありません。父のやり方は間違っています。ハルト様こそが、正しい道を歩んでいます」


ルシフェリアは確信に満ちた声で言った。


魔王の間へと向かう。広い玉座の間には、一人の巨大な魔族が座っていた。背丈は三メートルはあるだろう。漆黒の鎧をまとったその姿は、まさに魔王と呼ぶにふさわしかった。


「ルシフェリア……よくも戻ってきたな」


魔王の声は、地響きのように広間に響いた。


「父上……」


「そして、人間どもを連れて。我が愛妾まで奪いやがって」


魔王の目が、俺に注がれた。


「お前が、我が娘を堕とした張本人か」


「堕としたのではない。彼女は自らの意志で俺に従った」


「ふん、たわごとを!」


魔王は立ち上がった。その威圧感は、これまでのどんな敵よりも大きかった。


「我が娘を返せ。そして、我が愛妾たちもだ。さもなければ、ここでお前たちを粉砕する」


「戦いを挑むのか?」


「当然だ! 我は魔王だ! 力こそが全て!」


魔王は巨大な剣を抜き放った。


「では、力で決着をつけよう」


俺はそう言い、『魅了の抱擁』の力を最大限に解放した。しかし、魔王は男性だ。通常なら効果は薄い。


だが――。


魔王の背後にいた、数人の女性侍従たちの反応が変わった。彼女たちの目が潤み、頬が赤らんだ。


「な、なんだ……この感じは……?」

「魔王様……? でも……この男性が……」


侍従たちは混乱していた。魔王への忠誠と、俺への本能的な引きつけの間で揺れている。


「どうした!? お前たちまで……!」


魔王は部下たちの変化に気づき、怒りを露わにした。


「お前の力は……女性専用か!? 卑怯な!」


「戦いに卑も正もない。勝つことが全てだ」


俺はさらに力を込める。魔王の周りの女性たちは、次々と俺の方へと歩み出た。


「待て! お前たち、我に背くのか!?」

「ごめんなさい……魔王様……でも……この方のことが……気になって……」


一人の侍従が俺の前に跪いた。


「お願いします……私を……あなたのものにしてください……」


「よかろう」


俺はその侍従と結合した。玉座の間で、魔王の眼前で。


「なっ……!? この……卑劣な……!」


魔王は激怒したが、動けない。周りの女性たちが、彼を包囲している。


「魔王よ、見ろ。お前の力では、女の心さえ掴めない。だが、俺は掴む」


俺は次々と侍従たちと交わった。それぞれが俺のものとなり、魔王への忠誠を捨てた。


「くっ……! 我が千年の支配が……たかが人間ごときに……!」


魔王は歯ぎしりをした。


「支配ではない。愛だ。女たちは、力で従うのではない。愛で従うのだ」


「たわごとを! 力こそがすべてだ! 愛など、弱さの証に過ぎない!」


「ならば、その弱さの証で、お前を倒してみせよう」


俺は最後の侍従と交わり終えると、魔王に向き直った。


「もう誰もお前を守らない。お前の力は、空虚なものだ」


魔王は剣を振り上げようとしたが、その時、ルシフェリアが前に出た。


「父上……もうやめてください」


「ルシフェリア……! お前まで……!」


「父上は間違っています。力だけで支配しても、誰も幸せになりません。私も、母も、みんな不幸でした」


ルシフェリアの目に涙が浮かんだ。


「でも、ハルト様は違います。ハルト様は、私たちを愛してくれます。一人の女として」


「ばかを……! 愛など……!」


「愛があるからこそ、私たちは強くなれます! ハルト様を守るためなら、どんな敵にも立ち向かえます!」


ルシフェリアの叫びが、広間に響き渡った。


魔王はしばらく沈黙し、そして深くため息をついた。


「……我が娘が、そこまで言うか」


彼は剣を床に置いた。


「敗北を認める。我は……お前に負けた」


魔王は俺を見つめた。


「ただし、一つだけ聞きたい。お前は、我が娘を本当に愛しているのか?」


「ああ。彼女だけでなく、全ての女たちを愛している」


「……ふん、大言壮語だ。だが、その目は嘘をついていない」


魔王はゆっくりと玉座に戻り、座った。


「では、約束せよ。我が娘を、そして他の女たちを、幸せにせよ」


「約束する」


「よかろう。ならば、我は城を明け渡す。もう魔王としての務めは終わった」


魔王はそう言うと、目を閉じた。彼の体が徐々に光の粒子となって消えていった。


「父上……!?」


ルシフェリアが叫んだ。


「心配するな。我は消えるのではない。ただ、長い眠りにつくだけだ」


魔王の声は次第に遠のいていった。


「千年の支配に疲れた。そろそろ休もう……」


完全に光が消えた時、玉座には何も残っていなかった。魔王は消滅したのだ。


「父上……」


ルシフェリアは涙を流しながら、玉座に向かって一礼した。


「ありがとうございます……最後に……私の幸せを認めてくれて……」


俺はルシフェリアの肩に手を置いた。


「これで、全てが終わった」


「いいえ、ハルト様。これからが始まりです」


ルシフェリアは涙を拭い、微笑んだ。


「魔王城は、もうあなたのものです。そして、魔族の領土も」


「では、ここを新たな拠点としよう」


俺は女たちを見渡した。


「ここから、真の世界征服が始まる。力による征服ではなく、愛による征服が」


女たちの目が一斉に輝いた。


「はいっ!」


その声は、新たな時代の始まりを告げる宣言のように響き渡った。


こうして、魔王城は俺のものとなった。魔族の領土も、俺の支配下に入った。次なる目標は、女神召喚の完成だ。


魔王城の地下には、古代の図書館があった。そこには、女神召喚に関する貴重な記録が眠っているかもしれない。


美少女だらけの異世界で、チートな性魔術師となった俺は、ついに魔族をも従え、女神をも手に入れんとする。


全ての女を孕ませ、この世界を愛で満たす――その夢は、着実に現実に近づいていた。


次の目的地は、古代図書館。そして、女神との出会いへ。


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