美少女だらけの異世界で、チートな性魔術師(エロマンサー)に転職したら、全ヒロインを孕ませることになりました

ラズベリーパイ大好きおじさん

過労死から目覚めたら、俺は美少女を孕ませるチートな存在になっていた件

「藤宮……今日中の資料、間に合うか、な?」


背後から突き刺さるような、それでいて粘っこくまとわりつくような上司の声に、俺、藤宮ハルトはびくりと肩を震わせた。カチャカチャとキーボードを叩く指先は、もはや自分の意思とは関係なく震えている。いや、指だけでなく、全身が小刻みに震えていた。時計の針は深夜3時を指している。とっくに「今日」を通り越して「昨日」になっていることは、このブラック企業の誰もが知っている暗黙の了解だった。


この数週間、ろくに睡眠も取れていない。飯は胃に流し込むだけの作業。まともな食事など、いつ食べたか思い出せない。意識が薄れるたびに、キーボードに頭を打ちつけそうになる。目の奥は常にジンジンと痛み、視界の端には意味のない光の粒子が飛び交っていた。 ああ、俺の人生、このまま何のために生きているのかも分からず、ただ会社の奴隷として朽ち果てていくのか。こんなゴミみたいな人生に、一体どんな意味があるというのか。 せめて、せめてもう一度、人間の尊厳を取り戻し、温かい布団で眠り、そして――あわよくば、俺の妄想の中でいつも微笑んでくれていた美少女たちに囲まれて、「ハルト様ったら、もう、だめぇ」なんて甘い声で囁かれるような、そんな夢を見ながら死にたかった。


そんな不純な願いが、俺の意識が完全に途切れる寸前の、最後の走馬灯だった。 体が、ふわ、と浮いたような感覚。 「あ、これ、死んだな」 妙に冷静な思考が、脳裏をよぎった。


次に目覚めたとき、俺は目の前の光景に息を飲んだ。 目覚めた、という表現が正しいのかも分からない。まるで深く甘い夢から覚めたかのような、それでいて全身が満たされたような、不思議な感覚だった。 天井は、見たこともないほど豪華絢爛なフレスコ画で彩られている。中央には巨大なシャンデリアが輝き、周囲は絹のような光沢を放つカーテンで覆われている。ベッドはふかふかで、まるで雲の上にいるような心地よさ。 俺の部屋は、畳が剥がれかけた築50年のアパートの一室、六畳一間だ。こんな宮殿のような場所なわけがない。


恐る恐る体を起こす。軋む音一つなく、滑らかに起き上がれる。 「あれ……?」 首を回す。肩が凝り固まったような痛みもない。腰をひねってみる。ギックリ腰寸前だったあの痛みが、どこにもない。むしろ、全身に漲る力が、以前の俺とは比べ物にならないほどだ。まるでアスリートのような、淀みない感覚。 鏡がないか、と視線を巡らせると、部屋の隅に姿見を見つけた。 慌てて駆け寄ると、そこに映っていたのは……確かに俺だ。だが、以前の俺とは全く違う。 目の下のクマは消え失せ、顔色も青白いどころか、健康的な血色が差している。そして何よりも、全体的に精悍になり、以前よりも自信に満ちた顔つきになっている気がする。 まるで、死ぬ前に願った「人間としての尊厳」を取り戻したかのような、そんな変わり様だった。


だが、驚きはそれで終わらない。 鏡に映る俺の背後、突如として半透明の光の板が現れたのだ。


【ようこそ、異世界『エリュシオン』へ!】


【貴方は前の世界での生涯を終え、この世界に転生しました。】


【新たな人生を歩む貴方に、特別なジョブとスキルを授けます。】


「う、うおおおっ!」 俺は思わず、その場にへたり込んだ。 こ、これは……まさか!? テンプレでよくある、異世界転生ってやつか!? あの、ブラック企業での過酷な日々は、この瞬間のための前振りだったのか!? 俺の心は、歓喜で爆発寸前だった。神様、仏様、ありがとう! 俺の過労死は無駄じゃなかった!


興奮冷めやらぬまま、光の板に表示される次なるメッセージを凝視する。


【ジョブ:性魔術師(エロマンサー)】


【固有スキル:『魅了の抱擁』『孕ませの福音』】


「…………は?」


俺は自分の目を疑った。いや、間違いなくそう書かれている。 性、魔術師……エロマンサー? 頭の中で、その響きがエコーのように何度も繰り返される。


『魅了の抱擁』:対象の異性を抗いがたいほどに惹きつけ、本能を刺激する。理性を麻痺させ、自身の快楽に溺れさせ、絶対的な服従と愛情を植え付ける。 『孕ませの福音』:魅了された異性との子作りの際、生殖機能を飛躍的に活性化させ、懐妊率を限りなく100%に近づける。さらに、生まれる子には自身の強力な血統が色濃く受け継がれる。


そのスキル説明を読み終えた瞬間、俺の全身を電流が駆け巡った。 ……チートだ。これは、とんでもない、いや、規格外のチートスキルじゃないか!? 「孕ませの福音」って、つまり、俺が美少女とエッチしたら、ほぼ確実に子供ができるってことだろ!?しかも、魅了スキル付きで!?


「ふ、ふはははは……っ!」


乾いた笑いが、やがて腹の底から湧き上がるような、興奮に満ちた哄笑へと変わっていく。 ブラック企業で死んだ俺に、神様(らしき存在)は、とんでもなく、いや、狂おしいほど甘美な置き土産をくれたらしい。 しかも、頭の片隅には、この世界の常識や言語がスラスラと流れ込んできている。まるで長年住んでいたかのように、この世界の地理、文化、歴史、魔法の基礎知識までが、瞬時に理解できた。神様、あんたは最高の、そして最低の、いや、最高すぎる変態だぜ!


俺はステータスウィンドウを閉じ、改めて自分の全身を見下ろす。 以前の貧弱な体は、しなやかな筋肉を纏った、魅力的な男の肉体へと変貌していた。見た目も、顔つきも、全てが洗練されている。 ああ、もう過労で苦しむ必要もない。 美少女に囲まれて、毎日美味しいものを食べて、楽しく暮らす……。 あの死ぬ間際に願った妄想が、今、目の前で現実になろうとしている。 いや、このチートスキルがあれば、必ず、否応なしに現実になるだろう!


俺はニヤリと、誰にも見せられないような下卑た笑みを浮かべた。 窓から差し込む朝日に目を細める。外には、広大な青い空と、遠くに見える壮麗な城壁が広がっていた。 ここが、俺の第二の人生が始まる場所、異世界『エリュシオン』。


俺はベッドから立ち上がり、部屋に用意されていたらしい、上質な麻と革で作られたシンプルな服装に着替える。腰には細身のナイフが差し込まれていたが、まあ、性魔術師の俺には飾りみたいなもんだろう。 とりあえず、この部屋に居ても何も始まらない。街に出てみよう。 この異世界がどんな場所なのか、この目と体、そしてこの滾る欲望で、確かめるんだ。 そして、このチートな性魔術師(エロマンサー)としての力を、存分に……存分に、味わい尽くしてやる!


俺は部屋を出て、長い廊下を歩き、城のような建物の外へ踏み出した。 眩い陽光と、活気に満ちた人々の声。そして……。


「え……?」


俺は思わず足を止めた。 街には、確かに様々な種族の人間がいた。しかし、その多くが、とんでもない美少女なのだ。 銀色の髪を風になびかせ、すらりとした耳を揺らすエルフの女性。 しっぽをフリフリさせながら、純粋な瞳でこちらを見上げる獣人の娘。 そして、この世界でも最も多いだろう、人間族の可憐な少女たち。 皆、俺が前の世界で見ていたグラビアアイドルや女優たちよりも、はるかに、はるかに魅力的だ。 肌は滑らかで、瞳は大きく輝き、その肢体は瑞々しい。 そして、誰も彼もが、どこか無防備で、抗いがたい魅力を放っている。


俺の胸が、激しく高鳴る。いや、高鳴るどころじゃない。 下半身が、ドクドクと熱を持ち始めている。 性魔術師(エロマンサー)としての本能が、今、覚醒しようとしている。 目の前に広がるのは、俺にとって最高の、究極の楽園だ。


「はぁ……はぁ……」


乾いた喉が、熱を帯びる。 これは、まさに神様からのご褒美。 この美少女たちを、俺の魅了の抱擁で蕩かせ、孕ませの福音で俺の子を宿させる……。 そんな未来が、確かな現実として、俺の目の前に広がっている。 ああ、俺のチンコが、じゃなかった、俺の新たな人生が、今、最高の形で始まる!

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