ゲームの世界に転生……と思ったらゲームが違う!?~ステータス上限999の世界で俺だけ上限999999~
功刀
第1話:異世界転生
…………
………………?
「……あれ? ここはどこだ?」
起き上がって周囲を見ると、真っ白な光景が続いていた。
まるで白しかない世界に訪れたかのようだ。
「なんでこんな所に居るんだ……?」
頭の中にモヤが掛かったようにぼんやりしている。まるで夢の中にいるかのようだ。
まだ頭がボーっとしてて今の状況が把握できない。
ここは一体……
「ふむ……お主が……
声がした方向を見ると、そこには杖をついた老人が立っていた。
「貴方は一体……?」
「儂は……死後の世界で魂を管理している……管理人の一人じゃ……」
「死後の世界……!?」
……そうだ。思い出した。
俺は買い物をしに出歩いていたんだ。そんでその帰り道のことだ。
解体工事中のマンションの近くを通っていた時、突然変な音が聞こえてきたんだよな。
上から音がしてきたから見上げてみたんだ。そしたら大きな鉄の塊が降ってきたのが見えたんだ。
鉄の塊は俺に目がけて落下していき……
「……あれが原因で死んだのか」
恐らく鉄骨かなんかだと思う。それが俺の真上から降ってきて直撃。そのまま俺は潰れたんだと思う。
まさかあんなあっけなく死ぬとはな……
「思い出したかのう……?」
「ってことは……ここは天国なんですか?」
「……………すまん。もう一度言ってくれんか。耳が遠くてのう……」
「ここは天国ってことでいいんですか?」
「似たようなもんじゃ……」
ということは、この老人は神様ってこと……?
そういやいかにもそれっぽい雰囲気だ。
「それで、俺はどうなるんです?」
「…………?」
この人……いや神様か。大丈夫なんだろうか。
さっきから杖を持った手が少し震えているし、仕草が90歳ぐらいのお爺ちゃんみたいだ。
俺は立ち上がって近づき、大声で叫んだ。
「俺は!! これからどうなるんですか!?」
「あー……はいはい。そのことで儂が来たんじゃ……えーと…………」
神様はいきなり黙りだし、何かを思い出しているような仕草をし始めた。
しばらく待ってみたが、一向に喋り出す気配が無い。
「あの………………どうかしたんですか……?」
「…………そうじゃった。お主はあまりにも不運な最後じゃったからのぅ……。そこでお主の望む世界へ、転生させることにしたんじゃ……」
「転生……!?」
これは異世界転生というやつか。
まさか俺が経験することになるとはな。
「そ、それでどんな世界に行けるんですか?」
「えーと……確か……なんじゃったかな……」
「……へ?」
「すまんのぅ……。できればもっと若い方に担当させたかったんじゃが……他に居なくてのぅ。それで儂が担当することなったんじゃ……」
「は、はぁ……」
よく分からんが、どうやら天国でも人手不足らしいな。
こんなお年寄りも働くことになるなんて、天国でも高齢化が深刻らしいな……
「……そうじゃ。確かお主がやっていた……ゲーム?の世界に転生させることができるんじゃが……どうだ?」
「ほ、本当ですか!?」
俺は割とゲーマーと言えるぐらいにはゲームが好きだ。
日頃からプレイしているゲームの世界に行きたいとは思っていたが、まさかいきなり叶ってしまうのか!?
「い、いいんですか!?」
「死んだ人間にどの世界に行きたいか何度か聞いたんじゃが、ゲームの世界に行きたいと言う人が急増してのぅ。それで似たような人には聞いてみることにしたんじゃ……」
「な、なるほど……」
そりゃそうか。好きなゲームの世界に入りたい願望なんて、誰もが夢見るはずだしな。
ゲーマーなら尚更だろう。
「それでお願いします!」
「うむ。それなら……ええと……こうじゃったかな?」
「うおっ!?」
神様が杖で地面を叩くと、すぐ近くに台座のようなものが出現した。
その台座の上にはモニターのような物があり、そこには様々なゲームタイトルが羅列していた。
どれも俺がプレイしたことのあるタイトルばかりだ。どうやらプレイしたことがあるゲームだけをピックアップされているらしいな。
「そこに表示されている中から選ぶのじゃ……」
なるほど。ここから俺が行きたい世界を選べってわけか。
ここは慎重に選ばないとな。
せっかくの第二の人生なんだ。一番行きたい作品を選びたい。
よーし。どれにしようかな……
…………い、いかん。
鼻がムズムズしてきた……
「へ……へ…………へーーっくしょん!!!!」
いっけね。思いっきりクシャミしてしまった。
そういや最近は花粉症気味だったもんな。死んでも花粉症に悩まされるとはツイてないな……
「ふむ……選んだようじゃな」
「え?」
「ではさっそくその世界に送ることにしよう……」
「ま、待って! まだ選んでないんですけど!?」
「次の人生では幸せに生きられるように祈っておる。さらばじゃ……」
「だからまだ選んでは――」
次の瞬間、突然目の前が真っ暗になった。
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