リアルな世界で相談できないから
この世にはあらゆる嘘が存在する。
優しい嘘もあるが、多くは自分のための嘘だ。特に現代では、マッチングアプリやSNSの普及によって「出会い」と嘘は切り離せなくなった。
恋愛を利用する嘘の動機は昔と変わらない。金銭目的、承認欲求、支配欲。
ただ、昔と大きく変わったのは、相談できる相手の不在だ。
以前は恋愛の悩みを友人や知人に打ち明けることが普通だった。しかし今は、知人だからこそ相談できないとおっしゃる人が急増している。
私もその気持ちはすごくわかる。身内だから、友達だから相談できない。
何故か。
SNSで簡単に人とつながれる反面、相手や自分を深く知る時間は失われ、互いに見せたい部分だけを見せ、隠したい部分は隠せるようになった。
その結果、リアルの人間関係では誰にも相談できない、といった孤独な感覚が多くの人の中に生まれた。
だって何かを相談するためには、自分の見せたくない部分を見せなくてはならないから。そしてそれを知らない誰かにあっという間に共有されてしまう危険性があるから。
そして、それが、結果的に悪い嘘を育んでしまう。
結果的に、占い師やカウンセラー、愚痴聞き屋などが相談相手として選ばれやすいが、残念ながらそれらの中には少なからず詐欺師も存在する。
特に本当に残念だが、占いは詐欺の温床になりやすい。この事は同業者として本当に申し訳なく思う。
最近は、占い界隈、特にチャットの世界ではAIの進出が著しい。AIは職務に忠実なので、騙すようにプログラムされていれば本気で騙してくる。どうか引っかからないでほしい。
この辺は別のエッセイに書いた。もし興味がある奇特な方がいらっしゃって、ご覧いただけたなら、私がとても喜ぶ。
結論としては、どんな相手でも、相手が何であったとしても、少しでも危険を感じたらすぐに距離を取る姿勢が今の時代には絶対に必要だ。
そして、昨今痛感している。
広く浅くの希薄な人間関係は気楽だけれど、濃密な人間関係は時に面倒で息苦しいけれど、本当に困ったときにはその真価を発揮すると言う事実。
村社会に戻れと言うわけではない。しかし、何でも話せる人を1人でもいいから作っておくのは、大切だと最近思う。
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