第10話
断章1 二〇六〇年七月
第三回・国際ニュージェネレーション情報生命科学学会
場所・東京都
基調講演・
五鬼城祈理(以下“五”と表記)――皆様、お初にお目にかかります。本日はこのような場にお招きいただき、大変光栄に思います。
さて、時間もありませんし早速本題に入りましょう。本日は、今年一月にインフォ・デジタル・ネイチャー誌に掲載された論文「アセンブリ・コード理論とその実戦について」についてお話したいと思います。
論文の発表以降、世界各地の科学者をはじめとした有識者の皆様から、多くのご質問・ご意見を頂戴いたしました。この反響の大きさには、私自身にもいささかびっくりしております。というのも、私が長年取り組んできたきたこの研究は、多くの同業者から冷遇されてきたからです。
まず私は、生物と無生物\有機物と無機物の境界線を引き直し、その根本的な定義を変更しました。その詳細に関しましてははお手元の資料を拝見していただくとして、簡単に申し上げますと、生命というものを情報の集積とその積分値として定義しなおします。
こうして情報≈生命の図式がなりたつことになります。さて、この定義を前提として私はある発想にいたりました。つまり生命の定義をある情報の集積と考えると、その情報を上手くコントロールすることによって、より多様性に富んだ生命を生み出すことができるのではないか。いえ、これは生命にとどまりません。チャートやアラレ石のような生物由来の鉱物、あるいは石油などのエネルギー資源も元を辿れば古生物です。つまりこのコードを上手く使えば、生き物だけではなく鉱物などの特性すらも私たちはこれまで以上に柔軟にコントロールできるのではないか、というわけなのです。
もちろん、この理論はまだ机上のものにすぎません。今後の様々な発展の可能性を秘めているものです。ですが、いずれ近い将来に必ずや、皆さんのお役に立ち、大いなる文明の発展、人類史の視点から見た巨大な課題を解決する突破口となることを堅くしんじています――以下略――
――それでは、質疑応答に入りたいと思います。ご質問のある方は、挙手をお願いします。
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