死因:AT免許の男、天使と悪魔を連れて異世界転生
@jackbot
第1話 死因:AT免許の男
「はぁ…なんで俺は迷子になってるんだ…?」
山科海斗(やましなかいと)は道に迷っていた。
――何故か、お年寄りでも安全なハイキングコースで。
それも30分でまわれるところを3時間も――
『ガッ、ガッ…!!』
何か音が聞こえる…つまり、人がいる!!
――た、助かった!!
俺は音に向かって走り出す。
木と木の隙間を抜けて視界が開けた。
そこには2人の男の背中が見える。
「す、すみません!!あの、道に迷っちゃって!!」
俺は後ろを向いてる男達に声をかける。
「…あ?」
男がこっちを振り返った。
顔に傷、スーツを腕まくりし刺青が見え、手にはスコップ。
そして…男達の足元には大きな麻袋から血だらけの手がこんにちはしている。
「…良い…天気ですね」
俺を空を見上げた。
「…曇天だぞ」
「あはは…が、ガーデニングにはいい天気ですもんね…」
「…ガーデニングに見えるか?」
男のうち1人は煙草を取り出し火をつける。
「おい、坊主——最期に言い残したことはあるか…?」
その一言を言い終える前に俺は走って逃げだす。
「お、おい!!待て、絶対逃がすな!!」
男達も追いかけてくる。
「だ、誰にも言いませんから!?約束しますから!?」
「そんな約束誰が信じれるか!!待て!!!」
道にもなっていない木々をかき分けての追いかけっこ。
しばらくすると道に出る。
そこには黒塗りの高級車が。
「あ、兄貴!?車に鍵を差しっぱなしですぜ!?」
「はぁ!?馬鹿野郎!!」
あの男達の車らしい。
しかも鍵が差さっている…だと!!
俺は車に飛び込み扉を施錠する。
そして、エンジンをかけ…あれ…?
「これ、MT車じゃねーーーーーか!!!!!!!!!」
AT免許の俺はMTの実技を一回もやったことはない…。
――つまり…エンジンのかけ方がわからない…
「——おい、まさかお前、免許持ってないのに車に飛び込んだのか…?」
男達は追いついて車が中から施錠されてることを確認しながらガラス越しに話かける。
「いやー…AT限定でして…。あのー、エンジンのかけ方教えていただけます?」
「…あの世で誰かに教えてもらえ――じゃあな」
男は懐から拳銃を取り出し俺に向け…
『バンッ』
引き金を引いた。
――山科海斗、享年19歳——
――死因:AT免許だった為——
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