【フリー素材プロット】死者アーカイブの技師は、封印の正体を暴く

森山郷

【フリー素材プロット】死者アーカイブの技師は、封印の正体を暴く

―――まえおき―――


※この投稿は「小説本文」ではなく、物語のプロット(骨組み)だけをまとめたものです。

※このプロット・設定・アイデアは、フリー素材としてご自由にお使いください。


商用・非商用どちらでも利用OK


改変・アレンジ・別作品への転用OK


このプロットをベースにして書籍化・有償公開などに発展しても、こちらから一切権利主張しません


クレジット表記(「原案:森山郷」「プロット提供:森山郷」など)は任意です。

付けてもらえたら作者はとても喜びますが、必須ではありません。


※ただし、他社IP(既存ゲーム・漫画・アニメ等)や第三者の権利を侵害しない形でご利用ください。


―――以下プロット―――


タイトル案(変更OK):

死者アーカイブの技師は、封印の正体を暴く

ジャンル:

ダーク寄り異世界ファンタジー × お仕事もの × システムSF風味

想定読者:

20代後半〜30代前半中心(男女どちらも入りやすいトーン)


ざっくり一行コンセプト:


「死者の記憶を保存する巨大システム都市」で、

延命パッチに慣れた保守技師が、―封印の正体と犠牲の世代交代―に向き合う話。


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▼ 主要キャラクター


◆ レオン・ヴァルト(主人公)


役割:

死者アーカイブの保守運用を担う、SRE寄りのインフラ技師。

立場:

師匠アリアの弟子。現アーカイブ局の中堅どころ。

性格:

合理主義でロジカルだが、情に弱く、人を切り捨てる決断が苦手。

欠点:

問題の根本解決よりも、

「とりあえず落ちないパッチ」でやり過ごす”延命パッチ癖”がついている。


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◆ リディア・エルン(ヒロイン)


役割:

死者アーカイブの記録司書。

遺族対応窓口と、死者アーカイブへのインタフェースを担当。

性格:

誠実で聞き上手。人の痛みに引きずられやすいが、最後は生者の側に立とうとする。

過去:

生前の家族よりもアーカイブの中の「死者」に依存し、

生者との関係を壊したことがある。

罪悪感を抱え、告解司祭(=のちの大司祭セラ)に懺悔して救われた。


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◆ アリア・クロイス(レオンの師匠)


役割:

死者アーカイブ中枢の共同設計者の一人。

レオンを技師として育てた師匠ポジション。

状況:

過去の深層ダイブ時の更新事故で死亡(公式には行方不明扱い)。

肉体は戻ったが魂は完全には戻れず、

システムの奥底に“残響ログ”として暗号化されたメッセージを残している。

位置づけ:

「前世代のエンジニア」「止め損ねた世代」の象徴。


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◆ セラ・アルディス(英霊/元・告解司祭上がりの大司祭)


役割:

現在は死者アーカイブ英雄層の楔の一柱となっている英霊。

生前は告解司祭として市民の懺悔を聞き続け、やがて大司祭に推された。

性格:

人を見捨てない、“逃げない大人”。

優しいが、必要な痛みは直視させる。

現在:

英雄層のリングの一角で、破滅核のそばに立ち、

都市じゅうから流れ込む悲しみや憎しみを“ろ過”し続けている。

アリアとの関係:

生前、アリアの相棒(+恋人匂わせ可)。

「技術者と聖職者、二人で禁忌システムを作ってしまった世代」の片割れ。


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◆ ディルク・ハーゲル(アーカイブ局 統括責任者)


役割:

現アーカイブ局のトップ。都市アーカイヴィアの安定運用の責任者。


性格:

現実主義者。必要悪をはっきり肯定するタイプ。

「住民が生きていけるなら、きれい事だけではやっていけない」と考える。


表向きの立ち位置:

レオンたちと対立する現体制の代弁者。

単純な悪役ではなく、「今すぐ止めれば崩壊する」現実を誰よりもよく知っている。


傷(裏設定):

アーカイブ初期の混乱期に、幼い一人娘を病で失っている。

娘の記憶ログはアーカイブに保存されており、ディルクは管理者権限で

本来の上限を超えた頻度でアクセスし続けている。

過去、負荷削減のため「古い個人ログの削減」が検討された際、

娘の区画も対象に含まれかけた経験がある。

そのときから彼は、


「どんなに歪んでいても、この仕組みを止めるくらいなら延命し続ける」

と振り切れてしまった。


アリアとの関係(裏設定):

アリアと同じく初期設計メンバー寄りの立場で、

彼女の深層ダイブ事故後、暗号ログの存在に最初期から気づいていた一人。

影都市を用いた検証の中で、コア層近くの“アリアの残響”に

ログベースの「問いかけ/応答」を何度か試みている。

彼自身も「いつかは止めるべきだ」と頭では理解していたが、

都市崩壊のリスクと、自分の娘を失う恐怖から、

最後の実行ボタンだけは押せないまま年月を過ごしてきた。


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▼ 世界観・システム要約


◆ 舞台都市:アーカイヴィア


死者の記憶と魂をデジタル/魔術的にアーカイブし、

「死者と共存する暮らし」を実現した都市国家。

市民は、

亡くなった家族の記憶ログを呼び出す

遺言や人生相談を“過去の本人”に問い合わせる

といった形で、死者アーカイブを日常的に利用している。


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◆ 死者アーカイブの三層構造


1. 外郭層(ユーザーインターフェース層)

市民の記憶+魂の断片が、壁のように張り巡らされているレイヤー。

実質的な「UI」であり、同時に外界とコアの―緩衝材/ファイアウォール―。


2. 英雄層(英霊リング)

大司祭セラをはじめ、過去の英雄・殉職者・特級の魂が並ぶリング状の層。

彼らは「楔」として、内側の破滅核を封じるために永劫稼働中。


3. コア層(破滅核)

アーカイブに沈められ続けた人々の悲しみ・憎しみ・虚無が結晶化した―集合意識の塊―。

ネガティブな感情の“ブラックボックス”であり、

形を持たない破滅の意志として眠っている。


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◆ 魂ダイブ装置:接続棺(コネクション・サルコファガス)

アーカイブの―深層にアクセスするための専用装置―。

半ば棺、半ば医療カプセルのような形状。


利用ルール:

外郭層:

通常端末と簡易儀式でアクセス可(市民・日常業務レベル)

英雄層・コア層:

接続棺+術式による―魂ダイブ―が必須(限定許可の深層アクセス)


利用者は接続棺の中に横たわり、

肉体は「港/アンカー」として残り、魂・意識だけがアーカイブ内へダイブする。

外側では、モニタに「リンク安定度」「魂負荷」などが表示され、

付き添いの技師や司書が見守る。


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◆ お仕事ルール(運用規約・簡易版)


1.魂負荷の監視

3期連続で“魂負荷”が規定値を超えた区画は、強制停止・監査対象。


2.中枢層への変更手順

コア/英雄層に関わる変更は、

必ず“影都市(ステージング)”で検証し、接続棺による魂ダイブで確認すること。


3.削除の実態

公式には「ノイズ処理」としてしか記載されないが、

実際は―再起不能な魂の強制終了儀式―であり、

内部でもごく一部しか真相を知らない。


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▼ テーマ

便利さと慰めの代償

…死者に依存する都市が得た安定と、その裏側に積み上がる“終わらない感情”。


前世代の犠牲と、次世代の選択

…アリア&セラという「止め損ねた世代」と、

レオン&リディアという「選び直す世代」の対比。


延命パッチでは救えない問題への決断

…「ここを落としたら都市が死ぬかもしれない」恐怖の中で、

それでも―破壊的な決断を選ぶかどうか―。


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▼ 長編プロット(3幕構成)


第一幕「日常と亀裂」


1.死者と暮らす街の日常

朝のアーカイヴィア。

死者アーカイブ端末で亡き家族と話す市民、

空を流れる記憶の光など、「死者と暮らす街」を数カットで描写。


2.レオンの出勤とお仕事導入

レオンがアーカイブ局に出勤。

内心で「今日も負荷グラフが真っ赤になりませんように」とエンジニア目線のぼやき。

通りすがりに深層用の接続棺の部屋を横目で見るが、あえて目をそらす。


3.リディアの遺族対応と、ほっこり+わずかな違和感

リディア視点で、遺族と死者アーカイブの会話をサポート。

一見ほっこりしたやりとりだが、

「これは本当にこの人のためになっているのかな」と胸の内で一瞬だけ曇る。


4.監視ログに小さな異常(未登録アクセスID)

監視室のレオン視点。

モニタに《未登録アクセスID》の小さな警告がピコっと出る。

ログの署名パターンの一部が、亡き師匠アリアの術式に似ていて、

レオンが「あれ?」と一瞬だけ引っかかる(ここでは深追いしない)。


5.セッション中の「ここから出して」

別の相談で、リディアがいつも通りセッションを開始。

最初は通常どおり会話が進むが、途中でログの“死者”が

「……たすけて」「ここから、出して」

と違和感のある言葉を漏らす。

リディアは慌ててセッションを切断。

「回線が乱れたのかもしれません」と遺族にフォローしつつ、内心はざわつく。


6.ノイズ処理として片づけられる

リディアがレオンに報告し、二人でログを確認。

レオンは先ほどの《未登録アクセスID》と時間が近いことに気づくが、

上からは「ノイズとして処理しておけ」と指示が出る。

チケット上は「一時的ノイズ/再発時再調査」でクローズ。

レオンとリディアだけが、少しだけ後味の悪さを抱える。


7.接続棺と消えない小さな警告

夜、レオンが帰ろうとして、ガラス越しに接続棺の部屋を見る。

誰も使っていないはずなのに、術式ラインが微かに光っている。

監視モニタの片隅では、まだ小さな《未登録アクセスID》が点滅したまま。

レオンの胸騒ぎで第一話(導入相当)が終わる。


8.中枢招集と政治の匂い

ディルクが臨時の調査チームを編成し、レオンを一時招集。

会議室では「都市の安定が最優先」「代替案のない不安煽りは禁止」と釘を刺される。

リディアは、遺族から「最近のアーカイブは何か変だ」と相談を受け始める。


9.師匠の暗号片を発見

影都市(ステージング環境)での検証中、

端末+浅いダイブでログを探っていたレオンが、最深部に埋もれた暗号断片を拾う。

復号すると、ごく一部だけ読める:

「止めろ。止めるなら楔を用意せよ」。


→ 第一転換点

外郭層のさらに裏側に、**隠し回廊(隠しAPI)**が存在することを突き止める。

レオンとリディアは、公式ルートでは辿り着けない真相があると確信し、

深層アクセス用の接続棺を用いた「非公式の魂ダイブ」に踏み切る決意をする。


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第二幕「真相と選択肢」


10.英霊層への通路発見(初めての深層ダイブ)

接続棺の使用許可を、ギリギリの理屈で取得。

レオンが棺に横たわり、肉体を局内に残したまま魂が外郭層へダイブ。

偽ログで作られた壁をすり抜け、さらに深く潜ることで英雄層へ到達。

英雄たちの魂が鎖のように連なるリング状の空間で、

英霊となったセラと初対面。

リディアは同一セッションに付き添う形で同行し、恩師の姿に動揺。

セラは静かに微笑み、「君の懺悔を、今も覚えている」と告げる。


11.三層構造の全貌開示

セラの案内と、アリアの残した設計図ログ(魂の内部視界として見せる)から、

アーカイブの三層構造が明らかになる。

外郭=壁/緩衝材/UI、

英雄層=楔としての永劫労働、

コア=破滅核(集合意識)。

レオンは、自分がその「壁」の開発と延命に加担していた事実に愕然。

ダイブから戻ると、魂負荷の表示が赤く点滅し、深層ダイブの危険性が印象付けられる。


12.大祭障害(都市規模インシデント)

年に一度の大祭で、全市民が一斉に死者アーカイブへアクセス。

負荷が限界を超え、街に死者の幻影が溢れ、一部物理干渉が発生する。

レオンは端末から応急パッチを投入し、障害を抑え込むが、

それは外郭層の魂をさらに圧縮し、苦痛を増やす方法だった。

リディアに「それは本当に救いと言えるのか」と責められ、レオンは自責に沈む。

障害収束後、レオンはログの海の中で、

管理者権限による不自然な個人区画への過剰アクセスを見つける。

IDはマスクされているが、「同じ区画への夜毎のアクセス」というパターンだけが残っている。

ディルクに問いただすが、「そこには触れるな。個人の事情だ」とだけ返される。

(この段階では、“娘の区画”とは明言しない)


13.師匠アリアの真意(暗号の完全解読)

再度、接続棺を用いた浅めのダイブと影都市側の解析で暗号ログを解読。

「止めろ。止めるなら楔を用意せよ」の全文が判明。

アリアは、アーカイブを一度 ”終了処理(解放)” し、

新しい仕組みに作り直すべきだと理解していた。

しかし、深層ダイブでコアに近づきすぎた更新中に事故が起き、

魂が完全には戻れず、“残響ログ”としてシステム内に囚われてしまった。

暗号ログの中には、ディルクのIDから送信された問い合わせと、

それに対するアリアの断片的な応答も残っていることが判明。

レオンはそこで初めて、

「ディルクもまた、この封印をどうにかしようとしていた」事実を知る。

やり取りは、「安全な停止手順を探ろうとした試行」と「ためらい」の記録で終わっており、

最後まで実行には至っていない。

英雄層のセラは「私たちはまだここに残るが、外側の魂は解放してやれ」と静かに告げる。


14.対立の激化:運用継続か、解放か

ディルクは「魂の解放は都市機能の崩壊だ」として強く反対。

レオンに「延命パッチと段階的スケーリングでこのまま持たせろ」と迫る。

レオンが「あなたは何もしてこなかった」と詰め寄ると、

ディルクは初めて、自分が接続棺と影都市を使い、

アリアの残響と何度もやりとりしていたこと、

そして“止めるべきだと分かっていながら、娘を手放せずボタンを押せなかった”

自分の弱さを吐き出す。

「私は押せなかった。だからこそ、お前が押すというなら、

責任を取る覚悟があるかだけは見極めさせてもらう」とレオンに迫る。

レオンは初めて延命パッチを拒否し、

―段階的解放+再設計(リファクタ)案―を起案。

リディアは、生者と死者の両方の声を知る立場として、レオンの側に立つ。


→ 第二転換点

レオンは、危険を承知で ”解放プロセスの実行” を決意。

セラは「外郭が外れれば、本当のものが目を覚ます」と警告。

コア層への最深度ダイブの準備が始まる。


---


第三幕「解放と覚醒」


15.死者解放の開始

儀式と術式、そしてシステム的なフラグ操作を併用し、

外郭層から限界に達した魂を優先的に解放していく。

レオンは端末室で接続棺のリンク管理とスクリプト実行に追われる。

市民には大きな混乱が走り、

「もう一度会えると思っていた人と、二度と会えない」と知る遺族が嘆き悲しむ。

リディアは最前線で、

“死者との疑似再会”から“本当の別れ”への橋渡し役として寄り添い続ける。


16.破滅核の覚醒

外郭層の緩衝が剥がれ、破滅核が都市全域に干渉を開始。

記憶の混線・価値観の反転・時間軸の歪みなど、

「世界リセット願望」のような症状が広がる。

深層からのバックラッシュで、接続棺周辺の魂負荷警告が真っ赤に点滅。

ディルクは「だから警告した」と封鎖命令を出し、

アーカイブの外周を物理的に遮断しようとする。


17.核心突入:コア域での対決(最深度ダイブ)

レオン・リディア・セラは、接続棺を通じた”最深度魂ダイブ”でコア域に侵入。

そこは、無数の声と断片記憶が渦を巻く“内的仮想領域”。

破滅核は【世界リセット願望】の声として語りかける:

「お前も、やり直したいのだろう?」

レオンは、延命パッチで本質から目を逸らし続けてきた自分と向き合わされる。

リディアは、過去に自分が「死者を優先して生者との関係を壊した記憶」を突きつけられ、

それでも今は「生きている人の側に立つ」と選び直す。


18.決断:新しい“楔”の設計

レオンは「ただ壊す/ただ続ける」のどちらでもない第三の道を提示する。


フェアな新仕様の提案:

「記憶のみ保存」「呼び出し回数/期間の上限」「利用者・被記録者双方の同意の厳格化」など、

便利さより“終われること”を優先した設計。

楔の交代:

英雄層の英霊たちの永劫労働を終わらせ、

代わりに”都市の仕組みそのものを分散的な楔”にする。

破滅核の「分割・減圧」:

破滅核を完全消去せず、都市全域に微細な“グラウンド”を敷いて負の感情を常時流し続ける。


19.クライマックス:送別と再起動

セラは最後の楔としてコア域内で時間を稼ぎ、

レオンが最深度から脱出し、再設計プロセスを完了させるまで破滅核を押さえ込む。

英雄層の英霊たちが、一人また一人と霧へ還り、

「ありがとう」「やっと終われる」と穏やかな言葉を残して消えていく。

現実側では、接続棺から戻ったレオンが、新仕様に従い、

自身の娘のログにも「解放フラグ」を立てざるを得ないディルクの横顔を見る。

誰もいない深夜の管制室で、ディルクは一人きりで娘の区画を開き、最後のアクセスを行う。

画面越しの娘は、かつてと同じ笑顔で「おかえり」とだけ言う。

それが本当にログの再生なのか、解放前の一瞬の奇跡なのかは分からない。

ディルクは娘の姿から目を離さないまま、小さく「ただいま」と答え、解放ボタンに指をかける。

その手はしばらく震えるが、やがて押し込まれ、区画は静かに消える。

同じ頃、コア層近くでは、アリアの残響もまた再設計プロセスに巻き込まれ、徐々に薄れていく。

ログの最終行にだけ、新しく一行が追加される:

「アリア:まだ終わっていない」

それは、“封印の仕事が終わっていない”という意味ではなく、

「これでようやく、ここからはあなたたちの時代として続いていく」

という、次世代へのバトンのようなメッセージとして残る。

レオンが最終的な再起動処理を実行し、

―新仕様のアーカイブ―が立ち上がる。


20.エピローグ:脆いけれど、誠実な世界へ


都市は以前よりもシステム面では脆くなり、

死者に簡単に頼ることはできなくなる。

しかし、

死者との対話は限られた回数・条件でのみ許され

生者同士の関係の方が重く扱われる

誠実な運用へと移行する。

破滅核は弱体化し、“季節ごとに訪れる感情嵐”のような自然現象として世界に残る。

レオンは「破壊した技師」として賛否両論の評価を浴びるが、

自分の選択からはもう逃げない。

ディルクは、「破壊に加担した官僚」として一部から激しく糾弾される一方で、

「自分の娘を解放した父親」として、レオンには別の顔を見せるようになる。

統括の座を後進に譲り、「記録と運用の責任の境界」を定める委員会の片隅で静かに働き始める。

レオンはモニタのログ一覧の片隅に残った

「アリア:まだ終わっていない」の一行を見つめ、

それを“未完フラグ”ではなく、

「この世界の物語は、ここで終わりではない」という合図として受け取る。

リディアは”生者の側に立つ司書”として、

新しいアーカイブの利用ルールと向き合いながら歩き出す。


---


▼ 章立て案


1.死者と暮らす街(日常/導入/小さな異常)

2.未登録アクセス(異常ログと師匠署名)

3.ノイズか、悲鳴か(小規模インシデント)

4.中枢への召喚(政治と現場の温度差)

5.隠し回廊(深層アクセスの必要性)

6.大司祭セラ(初の深層ダイブ/再会)

7.三層の真実(外郭=壁/緩衝材/UI)

8.大祭障害(都市規模崩れと応急パッチの罪)

9.師匠の遺言(暗号解読/アリアとディルクの交信)

10.妨害(ディルクとの決裂/実行決意)

11.解放と覚醒(外郭解放→破滅核顕現→最深度ダイブ準備)

12.再設計(コア対決/送別/再起動/余韻)


---


▼ サブストーリー案(本編補完用)


S1:起動の日(アリア視点)

接続棺を用いた初の深層ダイブと禁忌の初期実装。

「いつか自分たちの手で止める」と誓ったのに、

止められないまま事故で魂の一部がシステムに囚われてしまった罪。


S2:告解室の光(セラ視点)

民衆の懺悔を抱え続け、

「誰も見捨てない」選択の末に大司祭に推された日。

死者アーカイブ構想に賛成してしまった後悔もほのめかす。


S3:記憶依存(リディア過去)

生者より死者を選んでしまった過去の失敗と、

セラからの救いの言葉。


S4:現場のSRE(新人技師視点)

レオンが投入した応急パッチの副作用で、

現場の端末や区画がどう歪んだかを描く現場目線エピソード。


S5:終了後の家族

アーカイブ停止により「もう二度と会えない」と知った遺族が、

そこからどうやって“生者だけの生活”を始めるか。


S6:父親としての夜(ディルク視点)

アーカイブ初期〜中盤のある夜。

ディルクが、誰もいない管制室で接続棺を使い、娘のログにアクセスし続けていた頃の話。

初期削減案で娘の区画が削除対象になりかけた経緯や、

そのとき彼が「止める危険より、延命の歪みを選んだ」心情が描かれる。


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▼ 伏線&回収(チェックリスト)


未登録アクセスID=アリア署名

「削除=ノイズ処理」の嘘と、強制終了儀式の実態

セラとアリアの因縁(相棒/恋人匂わせ → 送別の台詞)

影都市+接続棺(アリア事故/ディルク過去ダイブ)

レオンの延命パッチ癖 → 破壊的決断への反転

ディルクの夜毎アクセス → 娘ログ → 解放

アリアとディルクの交信ログ → 「まだ終わっていない」の意味


---


▼ トーン・演出ガイド


性的描写は抑えめ。

―喪失・贖罪・選択―といった感情の重さで読ませる路線。

グロは直接描かず、

「灯りが消えた工房」「笑い声の消えた広場」など、

結果と人々の反応で圧を出す。

魂ダイブ演出は、

体は接続棺の中に静かに眠り、

内部では光の配線だらけの都市や、英霊の鎖、渦巻く記憶の海など、

“内的異世界”としてビジュアル遊び用の舞台に。


---


▼ 利用ルール(改めて)


※この投稿は「小説本文」ではなく、物語のプロット(骨組み)だけをまとめたものです。

※このプロット・設定・アイデアは、フリー素材としてご自由にお使いください。


商用・非商用どちらでも利用OK


改変・アレンジ・別作品への転用OK

 現在執筆している作品に組み込みたい。プロットの一部だけ使いたい OK

 新章に入ったけど、今までのキャラでこのプロット案をそのまま組みたい OK


このプロットを使いたいけど、他の人が作ったことがバレたくないから投稿削除して NG

↑今回はご縁がなかったということで、他へどうぞ。


このプロットをベースにして書籍化・有償公開などに発展しても、こちらから一切権利主張しません。


クレジット表記(「原案:森山郷」「プロット提供:森山郷」など)は任意です。

付けてもらえたら作者はとても喜びますが、必須ではありません。

使用する際の連絡も不要です。

連絡をくれた場合、読みにいくかもしれません。

しかし、私はまとめ読み派なので、すぐには読まない可能性大です。

また、指摘コメントなどつけるつもりはないのでご安心ください。



※ただし、他社IP(既存ゲーム・漫画・アニメ等)や第三者の権利を侵害しない形でご利用ください。

こちらでは一切の責任を負いません。


森山は自分で書かないの?

 書くかもしれませんが、書かないかもしれません。とだけ言っておきます。

 やっぱ書くからみんな削除してください。みたいなことには決してならないのでご安心ください。



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