俺とイケメンの青春物語
@aruto1202
第1話 憂鬱な学園祭
(世の高校生にとっての一大イベントの学園祭。しかし俺にとっては憂鬱な2週間の始まりだ。クラスに友達と呼べる存在がいない俺には、この期待に胸を膨らますみんなの姿が輝いて見える。)
教室にはざわざわとした声が広がっていた。
「とうとう皆さんが楽しみにしている学園祭の季節です!」
担任の寺本綾子が黒板の前に立ち、声を張る。
「今日から2週間学園祭の準備に入りますが、その役割分担を決めたいと思います。」
(俺には特技も無いしコミュ力も低い。どうせクラス展示は人気ないだろうし、しばらく黙っていよう...。)
ステージ発表や屋台準備、受付からスムーズに決まっていく。
「では次にクラス展示をやってくれる人?」
結城愛翔は目をこすりながら無気力に手をあげた。
「9人か〜、上限は7人だからジャンケンで決めてもらっていい?」
寺本の声に耳を疑い周囲を見渡した。
(おいおい、嘘だろ?めっちゃ人気じゃん...。
けど、落ちるのは2人だけだし、まあ大丈夫だろ...。)
立候補した9人が教室の後ろに集まる。
「じゃんけん、ぽん!」
結城は席に戻り溜息をつく。
(負けた...。)
隣を見ると、同じくじゃんけんに敗れた伊藤雫と目が合い、顔が引きつった。
「では結城君と伊藤さんはステージ照明をお願いね!」
2人は寺本の声に引きつったままの顔で頷く。
(みんなの前に立つわけでもないし、まあいっか。)
「では今日の放課後から、それぞれ分かれて準備をお願いねー!」
放課後
「結城君、よろしくね...。」
伊藤から声を掛けられる。
「うん。よろしくね。」
「俺も照明。」
ふいに聞こえたその声に振りかえると、そこには学年でもトップクラスのイケメンである瀬戸陽向の姿があった。
瀬戸は同じく学年トップクラスのイケメンである長谷川廉・月島朔弥といつも一緒にいる。
その二人はステージ発表をするみたいだが、ダンスが苦手な瀬戸は照明に回ったらしい。
(うわあ、瀬戸君も伊藤さんもほとんど話したこと無いし、こんなイケメンと一緒に2週間過ごすのは気遣うな...。)
「よ、よろしく。結城です。。」
「伊藤雫です。」
「うん、二人とも知ってるよ。同じクラスの人の顔と名前ぐらい覚えてるよ。」
爽やかにそう言う瀬戸の姿に圧倒された。
「ごめんなさい。実は今日塾のバイトがあって帰らないといけないんだ...。」
恐る恐る伊藤が口を開く。
(え、まじ?)
結城はグッと言葉を堪え瀬戸を見る。
「全然いいよ!今日は結城と二人で照明の使い方とか教えてもらってくるから。
バイトがんば!」
(瀬戸君はイケメンで心も広いのか...。
でも...いきなり二人?!気まずすぎるよ...)
そんな結城の心とは裏腹に瀬戸は微笑んでいる。
「ありがとう。ごめんね。」
伊藤が頭を下げ帰っていく。
結城と瀬戸は二人で体育館に向かう。
「結城って、部活やってんの?」
「一応卓球部やってます。」
「へ〜、うまいの?」
「うーん、そんなにだと思います。」
「てかなんで敬語なの?」
瀬戸が笑いながら言う。
「初めて話すし、俺なんかが急にため口使うのはよくないかなって...。」
「なにそれ(笑) クラスメイトじゃん。気にせずいこうよ」
と言われふいに肩を組まれる。
結城は動揺を隠せない。
(え、ええ?人との距離ってこんな一気に詰めるものか??)
戸惑っていると瀬戸が肩を離し立ち止まった
「ん?」
「ごめん、急に馴れ馴れしいなって思った?俺、人との距離の詰め方下手くそなんだよね。よく言われるんだけど、いまいちコツ掴めなくて」
「あ、いやいや!ちょっとびっくりしただけで、全然あの、嫌とかじゃないです」
「そっか。なら良かった。
でも本当に敬語はやめようぜ、二週間ずっとそれは結城も息苦しいだろ。」
(まあ、それはそうだ)
「...わかった。ありがとう気遣ってくれて。」
「おう。」
(勝手に近付きにくい人だと思ってたけど、案外優しくていい人なのかな。
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