CHAINー世界を紡ぐモノガタリー

ユキムラリン

第1話ーアクムー

この世界は人間、精霊、悪魔、の3種族とさまざまな動物が存在している。

多くの生物は皆、魔力というものを持っており、その魔力を使い魔法を出すことができる。

大きく分けて6つの属性がある。


火 水 風 雷 土 闇


その6つの魔力と全ての生物を治めることが

できる力こそ【CHAIN】であり勇者の証。



ーーーそんな世界でのモノガタリーーー


[ドッドガアアアン]

[バキバキバキイイイイ]

[ドオオオオン]



『きゃあああ』

『にげろぉーー!!!』


『ミンナタベテイイィィ??』

『ほどほどにしろよ、【魔女様】の為にもな。』


『やめろ。。』


『イタダギイィマァス』


『やめろぉぉぉぉー!!』


『レンおにいちゃ、、』






「うあああああ!!!」

「はあ。はあ。チッ、またあの夢か、、」

何度この悪夢が目覚まし代わりになったのかわからない。

俺が覚えているのはこの悪夢の中の記憶と

自分の名前が【レン】であるということ、歳は今15歳であるということそれくらいだ。

聞く話によると、俺が5歳の時に悪魔達が俺の村に襲いかかってきてほぼ壊滅状態となったらしい。

この事件以前の記憶は思い出そうとしても今もまだ思い出せない。


そしてそこから10年が経ち、今は隣街の〔グレイディア〕というなかなか綺麗で賑わっている都市で生活をしている。

この街にある 悪魔対策防衛基地 というところが俺の身元を引き受けてくれたらしい。

その件はすごくありがたいのだが、毎日、訓練、訓練の日々を過ごしているので俺からしたらここの奴らも悪魔だ。


〔バチン!!〕

「レン!また浮かない顔してるわね!!」


「いってーな!」

人のことを見るや否や叩いてきたこの暴力女はこの基地の偉い人の娘の 火野ひのカヤ 同い年だそうだが態度がでかい。


〔バチン!!!〕

「なんかわからないけど腹がたった」

「で、なに?また例の夢?ほんと好きねぇ」


「好きでみてるんじゃねえよ」

「あ、おい!どこ行くんだよ、まだ午後の訓練があるだろ!」


「私はいいの!」


「ちょっとできるからってサボりやがって」

親父が基地のボスって言うだけあって、魔力や戦闘経験に関しては同世代の中では確かにできる方だ。

しかも、ここの兄と姉がトップ1、トップ2とまさに選ばれし者って感じがする。

兄の 火野エンヤ は18歳と言う若さでこの基地の隊長を任されている。

最初は親父のコネだのなんだの言われていたがそれを全て実力で黙らせたらしい。

火野家は代々、火属性魔法の使い手でありエンヤはその中でもトップだ。

姉の 火野シズカ はカヤの1個上の姉であり、エンヤが攻撃力トップならシズカは防御力トップだ。

戦いにおいては防御専門の為あまり目立たないが相当な実力者だ。

この2人に比べると魔力などは劣るがカヤはバランスタイプといった感じだ。


「おい、こんなところで何をしている」


「あ、教官」


「今から基礎の練習をするぞ!ついてこい!」

「いいかレン、お前はまだ自分の魔力の性質、力量を理解できていない」

「多くの人は火、水、風、雷、土の5属性のどれかを扱える」

「それは生活している間に急に扱えたり、生まれつき扱えたりと様々だ」

「1回扱えるようになるとそこからコツを掴み普段使いできるようになる」


「5属性なんですか?6属性じゃなく?」


「もう1つの闇属性に関しては人間で扱えるものは聞いたことがない、悪魔が扱う基本属性だそうだ」

「話を戻すが、自分がどの属性の魔力を扱えるかを理解するのが大切でそこが解わかればイメージし、魔力を流すことによって自然と魔法を出すことができる」

「火属性なら火を、水属性なら水を、」


「あ、じゃあ俺は水属性かもしれない!」


「ほう、水か!なぜそう思うんだ?」


「最近寝て、起きるとベッドが濡れてるんだ。。」


「お前いい歳しておねしょか?そんなもの汗か小便だろ。」

「いいかそれでだな、風属性なら風を、雷属性なら雷を、」


「あ、じゃあやっぱ雷属性だ!」


「おい、お前まさかドアノブに触れるとバチってくるとか言い出さなさいだろうな?」


「。。。」


「真面目に聞け!」

「あとは土属性なら土を出せるようになる」

「まずは理解すること、そしてイメージして出せるようになることだ!いいな?」


と言われたもののどれだけ頑張っても魔法が出せている感覚がない、実は俺の身体に魔力自体が無いのかと思い調べてもらったが魔力自体はあるらしく属性が全くさっぱりわからないという状況だ。

だから身体能力の訓練は順調だが、この基礎の練習でずっと躓いている。


〔ビービービービー!!!〕


「な、なんだ!?」

けたたましく鳴り響くサイレンの音を聞き大慌てで外に出る。

そして目の前に広がっていた光景は、あの悪夢と似た光景だった。

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