陽と月-HitoTsuki-
賢軌 絆菜
第壱部紫蘭-BLETILLA-篇
OPENING
平和というものは、案外脆く壊れやすい。
陽と月-HitoTsuki-Malonus・Libertad・Didvyris〜優しき自由な勇者の横行〜.START
◇
明日はどうやったら来るのだろうか?
零時を越えたら。いや、どこか違う気がする。
しかしそれは現実的な明日にはなる。
昨日って何故やって来ないのだろうか?
過去には何故戻れない?
未来には行けるのに。
やれなかった後悔、やった事を取り消したいという後悔。
全てを無かったことにして未来に進みたいなんて、誰しもが思う事だろう。
だから、あれを無かった事にしたかった。そんな事を思ってしまった。
世界というものは非常にセコく不条理で残酷なものである。
それはこの世に生きている何人かの人が思っている事だろう。
ゲームの様に上手く行かないのだ。
何故人は生きて、何故人は死ぬのか。
そこに答えは無い。
誰にも答えは分からないのだ。
しかし、それぞれが胸に秘めているはずだ。
生きたいから生きて。死にたいから死ぬ。それが一つの真理なのではないだろうか?
ただ、この世の誰にも誰かを殺していい権利なんて持ち合わせていない事は確かである。
死後の世界について考えた事があった。
昔の人は、あの世という世界がを思考し、そこには天国や地獄という場所を想定し、極楽浄土があるという考えを持っていたらしい。
何故生きているだけでも苦しくてしんどいというのに、その先があると考えるのだろうか。
人間もロボットと同じなんだ。
人間も動かなくなるだけなんだ。
魂という名の燃料が切れて、今まで当たり前に動いて話していた事が、嘘だったかの様に死ぬのである。
この約80億人程の人口を誇るこの世界。
そこに何も知らない、誰も知らない、この世界と人類の運命を背負って立つ一人の少年がいた。
少年の名は、ラウル・ラルロルグ。
彼は、物心がついた頃から、師匠と山に籠り、毎日修行の日々を送る、一風変わった子供だ。
そしてただひたすらに強さを求める、ただの世間知らずな男の子でもある。
そして、この世界の誰も知らない事がひとつ。
この世界は、ひとつではない。
世界は複数とある。そして全ての世界に共通している認識がひとつ。
世界の救世主は、陽と月の勇者である……という事。
これはそんな強さを求める少年、そして勇者が巡る物語である……。
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