ポンジスキーム(童話)

ウィングマン佐々木

うそつき魔女と村人

むかしむかし、この世界にある村がありました。


その村は決して豊かではありませんでしたが、村人みんながいっしょうけんめい働いて暮らしていました。


ある日、この村にそれはそれは悪い魔女が来ました。

魔女は村人たちにこう言いました。


『お前たち、お金に困っているなら私にお金を預けなさい、1ヶ月後にそのお金を倍にして返してやるぞ。』


村人たちは目を丸めました。


『ほんとうか?』村人たちは疑いました

『そんなうまい話があるわけないだろ、このうそつき。だいたいどうやってお金を歩増やすんだ。』


すると魔女はこう答えました。


『わたしの魔法で増やしてやるよ。』


村人たちはまた目を丸めました。

魔法と言われてしまえば、村人たちはほんとうかどうか判断がつきません。


みんなが迷っていると、村で一番貧乏な男が自分のお金を全部魔女に預けました。


『どうせこれぽっちの金だ、なくなっても困らん。』


魔女は嬉しそうにお金を受け取りました。


『心配するな、お前のお金をしっかり増やしてやる。』


1ヶ月後、貧しい男の手には袋一杯になったお金がありました。


村人たちは大騒ぎです。

『俺も預けさせてくれ!』

『私のもお願い!』

『わしのお金もじゃ!』


みんなが魔女の元へ押し寄せました。


『そんなにあせるな、ちゃんとみんなのお金をあいつのように増やしてやるから。』

魔女は前よりたくさんのお金を集め帰っていきました。


その夜、魔女は集めたお金を袋に入れて笑っていました。

『バカだねぇあいつらは、魔法なんてありゃしないのに。ただ新しくもらった金を前のやつに返してるだけじゃ、ひっひっひ!』


魔女は儲けたお金でぜいたく三昧。

ごちそうを食べ、宝石を買い、昼まで寝ては笑って暮らしていました。


しかし、そんな日も長くは続きません。

魔女にお金を預ける人が少なくなってきたのです。

返すお金がなくなって困った魔女はこんな事言い出しました。


『みんな、最近わたしの魔法が弱くなってきてお金を1ヶ月で倍に増やせなくなったんじゃ...』


村人たちは怒りだしました。


『話と違うじゃないか!』

『この嘘つき!』


しかし魔女はこう言い出しました。


『だが、ここでみんながお金を出してくれた魔法が戻るかもしれん。今ここで預けてら次は3倍にして返す!』


村人たちは流石に怪しみました。


『おい、3倍にしてくれるってよ...』

『だけど本当にしてくれるのかなぁ...』

『みんな、魔女さんを信じよう、だって今までちゃんと返してくれたし。』


結局みんなは魔女を信じてしまい、たくさんのお金を預けてしまいました。


そして1ヶ月後、魔女はこの村に来ませんでした。


そこで初めて、村人たちは騙されていたと気づいたのです。


『俺のお金がぁ...』

『私のも...』

『孫のためのお金が...』


みんなが悲しんでいると、村長さんがこう言いました。

『みんな、もう一度畑を耕そう、そうすればいつかお金は帰ってくる。』


村人たちはハッとしました。


『そうだな、もう一度畑を耕そう。』


村人たちは、再び前へと進むのでした。

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