妖精「触らぬ魔王に祟りなしってね」

 魔王との決闘に敗れたエルフの戦士が城の門前で見せ物にされていた、足の先から徐々に体全体がアイスクリームとなってしまう呪いをかけられて、戦士は必死に助けを求めながら前へ進むのに、降り注ぐ陽光によって溶け始めたせいで少しずつ身長が削られていく、変化は残酷なほど緩慢で、それゆえ彼はまだ助かる可能性を諦められず、やがて膝から崩れ落ち、かつて自分の体だったバニラ味の甘い水たまりを作りながら這って進むその後ろにはどこから集まってきたのか、黒い蟻が甘い葬列を作っていた。

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