第8話 ばれちゃった。

8 ばれちゃった。


たくさんの収穫した野菜をもって家に帰るとお母さんがいました。


お母さんは、僕が持ってきた沢山の野菜をみて「どうしたの?この沢山の野菜は。」と聞かれたので僕は、自分で作ったと言いました。


僕は、お母さんにこれまでの流れを話しました。


米不足になり、家にお米がなくなりそうだったので、お米屋さんにお米を自分のおこずかいで買いに行こうとしたこと。


お米屋のお姉さんに農協まで連れて行ってもらい、農協のおじさんから種もみをもらったことを伝えました。


その帰り道に狐のコンちゃんを拾って帰ろうとするとコンちゃんからダンジョンのマスターになってほしいと頼まれたのでマスターになったこと。


ダンジョンは生まれたばかりの状態でとても弱っていて誰かがダンジョンマスターにならないとコンちゃんを含めダンジョンが消滅してしまうことを伝えました。


お母さんは、僕の目を見て真剣に僕の話すことを聞いていました。


僕は、小さいダンジョンで農協で貰った種もみを使ってバケツ田んぼをしていたことを言いました。


ダンジョンの中では、成長が早くすぐに収穫できるみたいなので、バケツ田んぼで作ったお米をもとにダンジョンを耕して作った田んぼに植えたことを伝えました。


最初に採れたお米は、家で食べる以外にお米屋のお姉さんと農協のおじさんに見せに行ってほめてくれたことが嬉しかったと言いました。


最近では、ダンジョンで野菜を作ってみたいと思い学校の図書館で調べものをしているときに先生が声をかけてくれてプランターや野菜の種などをくれたことを話しました。


お母さんは、最近会った先生とのやり取りがそこに繋がっているのかと納得した様子でした。


お母さんは、「頂いたプランターなどは、ダンジョンにあるの?」と聞かれたので、僕は「貰ったプランターは家にあるよ、家でも頂いたミニトマトの苗を植えたり、きゅうりの種などを撒いたプランターがベランダに置いて毎日水やりをしているよ。


種のいくつかはダンジョンにもっていって撒いたんだ。」と僕はいいました。


お母さんは、「今からダンジョンに行けるの?」と、聞いてきたので僕は「今日はコンちゃんも疲れて寝ているだろうから、明日じゃダメかなぁ。


明日もダンジョンに行くからお母さんも一緒に行く?」と言いうとお母さんは、「わかった、明日一緒に行きましょ。


但し、小太郎と愛子をおばあちゃんのところに連れて行ってからね。」と言いました。


次の日、小太郎と愛子をおばあちゃんの家に預けてから僕は、お母さんと一緒にダンジョンへ行きました。


ダンジョンでは、コンちゃんが僕を待っていました。僕はコンちゃんに「おはよう、コンちゃん。お母さんにばれちゃった。」と言うと


コンちゃんは、お母さんの方を向いて「初めまして、ゆうちゃんのお母さん。僕は狐のコンちゃんです。一応このダンジョンの管理とダンジョンマスターであるゆうちゃんの補佐をしています。狭いダンジョンですが危険はありませんので安心してください。」とペコッとお辞儀をしました。


お母さんは、「どうも丁寧にありがとうございます。ゆうちゃんの母親です。」と挨拶をかわしていました。


お母さんは、「ここは、どうゆうところ何でしょう?ダンジョンとは何ですか?危険はないんですか?なぜ、ゆうちゃんだったんですか?」とコンちゃんに疑問をぶつけていました。


コンちゃんは、「ここは、皆さんがすんでいる世界とは別の空間にある異世界です。異世界と言っても行って帰って来れなくなるような場所ではなく、普通に出入りができる洞窟や建造物のようなものだと思ってください。ダンジョンとは、その洞窟や建造物における種別で外の皆さんにおける役所や病院、ゆうちゃんの学校などを建物の役割を表したものになります。ちなみに、皆さんが想像するダンジョンと一緒でモンスターなども出てきます。」


とコンちゃんが言うと僕は、「だけどいつもコンちゃんと一緒にいるけどモンスターってのは見たこともないよ。」と僕は言いました。


コンちゃんは、「それはこのダンジョン事態ができたばかりの新米ダンジョンだからだよ。」と言って「ゆうちゃんじゃなければいけなかったのは、ゆうちゃんしか僕の声が届かなかったからなんだ。ゆうちゃんに届く1年前から呼びかけていたけど誰も答えてくれる人がいなかったんだ。ゆうちゃんに出会わなければ僕は、そのうちにダンジョンと一緒に消滅していたかもしれないね。ありがとう!ゆうちゃん♪」と僕に飛びついてお礼を言ってきました。


僕は、コンちゃんを抱きしめながら「僕のほうこそありがとう!コンちゃんがいなければ僕の家では食べるものがなくて困るところだったから本当にダンジョンマスターになってコンちゃんとお友達になれてよかったよ。」と僕もコンちゃんにお礼をいいました。


コンちゃんは、お母さんの方を向いて「もし、ゆうちゃんがダンジョンマスターにならずに僕がダンジョンとともに消滅するとその余波でこの世界がめちゃくちゃになるところでした。簡単に言うと世界滅亡です。日本だけではなく、世界各国の国々がほぼ跡形もなく消えてなくなるところでした。いわばゆうちゃんは、世界の救世主なのです。」と言って僕の顔をみました。


続けて「これからの世界は、少しづつダンジョンが増えていきます。そして異能をもつ人たちが増えてくるでしょう。このダンジョンは、これらの先駆けで原書のダンジョンなのです。ゆうちゃんは、ダンジョンを農場のように活用していますが、これから先ダンジョンが成長を続けるとモンスターも設置できるようになりますが、これらすべてのモンスターは、ダンジョンマスターであるゆうちゃんを攻撃することはありません。もちろん僕もですが。あと通常は一般の人は入ってくることも認識することもありません。今回は特別にゆうちゃんが一緒に連れてきたので入れましたが、ほかの人はゆうちゃんと僕の許可がなければ自由に出入りできない仕組みになっています。」


コンちゃんの話を聞いたお母さんは、思っていたスケールの大きさ内容にただ頷くのがやっとでした。


家の帰り道にお母さんは、「ゆうちゃんが一人で頑張っているのはすごいと思うけど、無理をしないでいつでも相談してね。」と僕に話しかけてきました、僕は、「わかった!」と言ってお母さんの手を握って一緒に家に帰りました。


追伸:稲刈りは、お母さんと一緒にしました。お母さんはとっても上手で僕に鎌の使い方のコツを教えてくれました。


時間も遅くなったので、コンちゃんが残った作業をしておいてくれるそうです。


「ありがとう!コンちゃん。」


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