神達からの損害賠償スキルで異世界旅行を満喫する

お猪口

第1章 異世界転生

第1話 神達の凡ミスと異世界召喚

 「さぁ、始めるぞ。」「あぁ、準備はできている。」「それではお願いします!」

3人の神達が向かい合う中心の玉の様な物体が白く強く輝きだす。「あ、あれ?何か違う!」「おい!どうした事だ!」「ま、マズイぞこりぁ!」

慌てる神達。地球から役目を終えた善良な魂を召喚し、自分達の管理する世界『エルディルティア』の新たな活動エネルギーへと変換する作業中にソレは起こった。


神A「何でこんなことが…。」

神B「儀式自体は完璧だった。どこかでミスがあったか…。 」

神C「どうしましょう!これではエルディルティアが枯れてしまいます!」


俺『…あ、あの〜…。 』


神B「書類を確認してみたが、今回の魂は斉藤理と言う者だったな?」

神C「えっ?違いますよ?佐藤理76歳男性です。」

神A「はぁ?斉藤理でいいなと確認した時、お前大

丈夫って…。」


俺『…あの…?』


神C「え?あ、そうでしたっけ?」

神B「これは大変な事になった。すぐに正しい魂を召喚し直そう!」

神C「そうですね!もう一度!」

神A「とりあえずこの玉は隅に置いといて、後で創

造神にバレない様に証拠隠滅するか!ガハハッ!」


俺『な、なんだとっ!!』


俺を凡ミス間違え召喚しやがった3人の神達は正しい魂の召喚をし直し作業を終えた。

ほっとして一息ついている3人の神達に話しかける。声を低く威圧をもって。


俺『おい。オマエらいい加減にしろよ。』


神ABC「なんだぁ!?」「何がだ?」「何よ!?」


俺『一部始終聞かせてもらった。オマエ達の凡ミスのせいで俺が間違って召喚された事、そしてそれを反省もせず隠蔽しようと考えていることも。』

神ABC「「「!!!っ」」」

神B「だからどうだと言うのだ。神に対して無礼だぞ!」

神A「そうだぜ。人間如きにとやかく言われることではないわ!」


俺『なるほど。そういう態度なら…創造神様!そ−う−ぞ−うし−ん−さ−ま―〜!!』


神ABC「「「!!!」」」「ま、待てっっ!!」

俺が声をあげて大声で叫ぶと風鈴の音の様な音と心地良い風が吹き、大きな影が俺(玉)を包んだ。


創造神「儂を呼んだのはヌシかの?」


俺『ハイそうです。創造神様にお願いがあります。私はここにいる3柱により誤ってここに召喚されました。ですが、この神達は私に謝罪する事もなく尊大な態度を崩さず侮辱し、あまつさえ証拠隠滅の為に私の魂を消してしまおうと考えています。この3柱の考えと行為が神界の法律に則ったものかどうかを、創造神様に教えていただきたいのです。』


俺の話を聞いていた創造神の体から物凄い怒りのオーラが出ているのを感じた。そして3人の神達は恐れおののきガタンッ!と膝をついたようだった。


創造神「なるほどのう。こ奴らの記憶とヌシの訴えは合致しておる。ちょっと待て、今からヌシの魂を地球の身体と同じに変化させる、もちろん視覚もな。」

そう創造神が言うや否や俺(玉)は元の身体の“かたち”になった。イヤ、なんか白いし透けてるし!

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