チート武器を手に入れた!!
そして翌日。
朝5時、たまたま俺は目を覚ました。
口を開けながら寝てたのか、喉がカラカラだ。
師匠が言っていた『武器の固定概念を覆すもの』とはなんだろうなあ、結構昨日から楽しみにしてたんだよ。
まあ、その夜は三大クランのトップとフレンドになってしまうという大事件(正直あまり実感ない)が起こってしまったんだが……。
「お茶飲んだら始めるか。」
今日はバイトが無い日だから今からでもログインできる。
テーブルに置いてある残った飲みかけのお茶のペットボトルがあったから流し込む。
「さてと、喉も潤ったところでやりますか。」
ゴーグルを取り出し、頭に被る。
<< welcome to unknown world >>
ログインを終えて、いつも通りアバターはトウキョウに飛ばされる。
ウィンドウを開き、トレーニングモードに移動する。
転移が終わるとポツンと一人、師匠ことデウスΩが佇んでいた。
「師匠……?」
『来たか。』
俺の方に近づいて見下ろす。
『約束通り、昨日言っていたものを渡そう……ついてこい。』
「ああ。」
師匠はトレーニング空間の壁に手を当てる。
すると空間中がオレンジ色の脈のような模様に侵食される。
徐々に、まるで生きているようにクネクネ描きながら。
そして手を当てている壁に切れ込みが入り、その先が顕になる。
「なんか隠し扉みたいだな……。」
『普通に渡すよりはワクワクするだろう?』
「……わかってんなあ。」
『来るがいい。』
師匠が先に入る、が───
ゴンッ
金属が当たる音が響く。
『………。』
「………。」
辺りが静まり返る。
少し間を置いて話し出す。
『頭をぶつてしまった……。』
「若干高さ小さかったかあ〜……。」
この半年でちょっとポンコツになったのか……?
なんか可愛くなったな……。
『……気を取り直して入ろう。』
体勢を少し低くしながら師匠が入る。
いつからそんな可愛くなったんだマジで。
「お、おう。」
俺も後に続いて入る。
中はガラスの廊下になっており、青い光が輝いている。
その奥には近未来って感じのゲートがあった。
『奥のゲートにある。』
廊下に無機質な足音が響く。
そしてゲートの前に着く。
『人間の男はこういう類に興が乗るようだな。』
「あ、顔に出てた? そりゃあそうだろ? 男はみんな大好きだよ。」
そんな会話を挟んだ後、ゲートが開く。
部屋にはたった一つ美術館の展示台のようなものが置かれており、その上にポツンと金属製のトランクのようなものが置かれていた。
「トランク……?」
『そうだ、トランクだ。これが武器の固定概念を覆すものだ。』
『名前は
師匠は
『持ってみろ。』
「……ああ。」
近くで見るとどこか威圧感を感じる。
持ってみると、思ったより少し重い。
『持ち手のスイッチを押してみろ。』
言う通りにスイッチを押してみる。
すると機械音を立てながら形が変わっていく。
どんどんと剣へと形を変えていく。
そして完全に剣へと姿を変えた。
青い脈に覆われた見た目だ。
「……マジかよ。」
それしか言えなかった。
想像以上のものを見せられた。
『これは全職業の武器に変形する。もちろん術使いの術も可能だ。』
「なんだよそのチート能力……。」
『それだけではない、相手のスキルをスキャンしてコピーできる。だがコピーには30分程度かかる。』
「結構かかるな。」
『三つ目は限界まで引き出すこと。』
「限界まで引き出す?」
『通常では異なる職業の武器を使うと、パワーやスピードが下がる。だがこれは違う。』
『持っていない時も永続効果でそのままのスペックで戦え、尚且つ能力を限界まで向上させる。』
あ〜……もうなんも言えね〜〜……。
『そして中には回復アイテムが入っている。』
開けてみると、本当に入ってた。
緑色の液体が入ったフラスコや包帯やカプセルがある。
「抜かりないなあ………。」
『その方が好きだろう?』
「まあ好きだけど……こんなチートアイテム貰っていいのか?」
『ああ、なんせお前は私を楽しませた唯一の人間だからな。他の者は心が折れて来なくなるどころか何度も何度も立ち向かう。私はそこに感化された。』
『だから、これは私に選ばれた証として受け取ってくれ。使い方はお前次第だ。』
俺はあの時から師匠に気に入られてたのか。
めちゃくちゃ嬉しいな……たとえゲームのキャラクターでもこんなこと言われたら。
「ああ、ありがとう。ありがたく受け取っとくわ。」
『その方がありがたい……それと、そろそろ冒険に出かけるのはどうだ?』
「あー、確かにそうだな。ずっとここにいたし、流石にちょっと鬱陶しかったか。」
ずーっと半年もここにいたからなあ……。
あれ以来あまりフィールドを歩いたことは無かった。
「まあ気が向いたらまた来るよ。半年間ありがとう。」
『ああ、私こそ感謝する。』
「じゃ、あっちで頑張るわ。なんか師匠いないと寂しいなあ……ま、いつでも会えるか。」
『私はいつでも待っている。』
「ああ、ありがとう。」
『あともう一つ言いたいことがある。』
「ん?」
『私と同じデウスの名前を持つ者を見つけたら注意しろ。』
同じ者………?
う〜ん………
「あ〜……とりあえず気をつけるわ。」
全っ然意味わからんけど!!!
雰囲気壊したくないからあんまり詮索せんとこ!!
俺はトレーニングモードから出て、またトウキョウに戻る。
さてと、チート武器も貰ったことだし何しましょうかね。
というかすることなんて何一つわからん!!
……とりあえずブラつくか!!
そうした次の瞬間、轟音が響く。
ドォォォォォォンッッッ!!!
「なんだ!?」
音の方向を向くと、なんとビルが傾いていた。
そして次第に倒れていく。
「やっべえええええ!!!???」
さらに途中で空中に浮かぶ二人の人影が見えた。
「今度こそ決着じゃ
「お元気な子供やねえ。ぶぶ漬けでもいかがどす?」
どこか聞き覚えのある声のチャイナ服を着たロリアバターとはんなり言葉の肩の部分がはだけた着物の女性アバターが空中でドンパチやり合ってる。
風圧、威力、オーラがヒシヒシと伝わってくる。
ロリアバターは棍、着物のアバターは術を使っている。
周りのプレイヤー達が避難する。
「『皇龍会』と『天照』のトップ二人が戦ってるぞ!! 巻き込まれる!!」
プレイヤー達が離れていく。
多分皇龍会の方
「やっべえ……!!」
この事態を止めるにはどうしたらいい……?
(考えろ……!! プレイヤー巻き込んでんだぞ!? 避難するべきか!? いや、あの感じどっちかが死ぬまで終わらない……!! どうするどうする!?)
その時、師匠の言葉を思い出した。
『だから、これは私に選ばれた証として受け取ってくれ。そして使い方はお前次第だ。』
師匠から貰ったトランク、
(………俺がやるしかないか。)
決めた、俺は二人を止める。
半年間師匠と特訓してきた成果を発揮する時だ。
(そうと決まれば……やるしかねえ!!!)
確か全職業の武器に変形できるんだったよな?
遠距離で攻撃できるものといったら銃だ。
「銃になれ。」
すると機械音を発し、拳銃へと形を変えた。
こちらも剣とほぼ同じ模様だ。
そして照準を合わせる。
(よく見て狙え、こっちの存在には気づいてない。)
自分に言い聞かせながら狙う。
だがさすが三大クランのトップ、動きが速い。
だが、こんなの師匠に比べたら亀と同じだ。
(当たれ!!)
銃を二発撃ち込む。
銃弾は一発ずつ二人の方へ向かっていく。
((銃声!?))
だがスレスレのところで二人が反応し回避する。
「なんじゃ!?」
「!?」
二人はそのまま地面へ着地した。
「誰じゃ……戦いの邪魔をしたのは!!!」
「決着つけれる思ったのに、何事なん?」
この二人はどんだけすごいのか知らないが、俺は堂々と名乗りあげる。
「撃ったのは俺だ。」
「ほう、名も知らぬおと……て、カイラではないか!?」
「知り合いなん? あ、うちは『
「急な自己紹介どうも。」
「それで? 知り合いなん?」
「まあ、フレンドじゃな……。」
「へー、あんたに友達なんておったんやねえ。」
「学校にもゲームにもちゃんとおるわ!!」
「友達おるのその喋り方がおもろいからちゃう?」
「やかましいわ!! ちゃんと仲良くしとるわ!!」
あー、なんか喧嘩始まったよ……。
「とりあえずここで争うの辞めてくれないか? プレイヤーとか色々巻き込んでるんだぞ?」
「それは無理じゃ、今すぐ決着つけたいからのう。『アヴァロン』の方は基本争いごとは興味はないからいいとして、三大クラン最強をとっとと決めたいわい。」
「うちも同意見。」
「それにな、吾輩はこう見えて戦闘が大好きでのう。純粋に楽しみたいってのもあるんじゃ。」
「だからのう」
「たとえフレンドであっても、それを邪魔されるのはどうも
「へえ……こんなにも考えが合うんやねえ……。」
おいおい……やっぱそうなるか……?
「そう言えばカイラよ、近頃お主と戦ってみたくてウズウズしてたんじゃ……。」
「おいおい、龍主様凶暴だな……。」
「その感じ結構気に入っとるみたいやねえ。うちも気になってきたわ……♡」
ホントこの二人イカれてんなあ……でも、止めるには武力行使しかない。
「ああ、そうかい。そんなに気になるなら見せてやるよ。最近トレーニングばっかやっててな、丁度実戦やってみたかったところだよ。」
「ならばその実力、見せてもらおうかのう……。」
「でもカイラはん、二対一になるけど大丈夫なん?」
「ああ、
「うーん、ほなええか。」
「では始めようかのう。」
「戦闘をのう───!!!!」
直後、三大クラントップの二人との火蓋が切られた。
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