ログインと職業選びの極意(?)

ゲーム屋から家のドアの前に着いた。

ちなみに俺の家は5階建ての団地だが、そんなに綺麗じゃない。


「未知の世界、か……。」


VRゴーグルとゲームソフトが入ったビニール袋を見る。

俺は流行りに進んで飛び込むタイプではない。

正直VRなんて全くやったことはないし、操作も難しそうだ。


けど、何か変われるような気がした、子供の頃に憧れた存在に。


「……とりあえず風呂入るか。」


鍵を取り出し、扉を開ける。


「ただいま〜……いや一人暮らしだから誰もいないか。」


そう呟きながら扉を閉め、鍵をかけた。



とりあえずサッと風呂上がり、ストックしていたカップラーメンを啜りながらテレビを見る。

これがバイト後の楽しみだ。

部屋にはバラエティ番組の音が響く。


いつもと変わらない毎日……なのに俺が横に置いたビニール袋が気になってしまう。


テレビを消し、残りの少ない麺とスープを掻き込む。

ビニール袋からVRゴーグルの箱と『unknown world』のパッケージを取り出し、テーブルに並べる。


「ハサミ、ハサミ……」


立ち上がって台所の引き出しを漁る。

輪ゴム、割り箸、フォーク、よくわからない工具などを掻き分け、その中にハサミを取り出す。

テーブルの方に戻り、箱をハサミで開けていく。


発泡スチロールに収納されたゴーグルを取り出す。

持ってみると少し重量感がある。

ゲームソフトのパッケージも開けてみると、3〜4cmくらいの四角形の形状のデバイスがあった。


「こうやって差し込めばいいのか?」


それをゴーグル本体のスロットへと差し込んだ。

光ることもなく、変化はない。


「付けてみるか。」


とりあえず付けてみることにした。

ベルトを頭に合うサイズに締める。


すると、目の前の視界が白に染まっていく。



<< welcome to unknown world >>



目の前に文字が表示された。

VRってすげーなあ、まるで本当に目の前にあるみたいだ。


【プレイヤー名を設定してください】


プレイヤー名か……ケイとかKはなんかダサいし、何か捻りたい。

少し時間が置き、ようやくプレイヤー名が決まった。



『カイラ』



カイラに決まった。

名前がそのままじゃダサいし、少し『ラ』を付け足してかっこよくしてみた。

そして再び文字が表示された。



【職業を選択してください】



職業の名前は下に表示されていた。

剣使い、ナイフ使い、槍使い、格闘家、銃使い、術使いetc……が表示される。


少なくとも二十種類はある。

ありすぎて俺にはさっぱりわからないから、直感で選ぶことにした。


「銃はFPSやったことないし……、格闘家は遠距離できないしな〜……。」


もういいや、どうせ考えてもキリがない。

その一覧の中で一つの職業が目に入った。


【ナイフ使い】


よし、ナイフ使いにしよう。

俺はカッコ良さそうという理由で選んだ。


「……これでいこう」


次は見た目か。

まずは性別は男、髪色は黒、髪型はショートヘア。

身長は180cmくらいでいいか


「これで決まりだ。」



そう決めた瞬間、視界が光に包まれた。



「うわっ! 眩しい……って、え?」



思わず目を細める。


気がつけばそこには見上げるほど高いビル群、空中を移動する空飛ぶ車。


ビル達が放つ無数のネオン、頭上を飛び交うホログラムが広がっていた。



【エリア:トウキョウ】



そう表示された。


「トウキョウ……?」


これはただの背景じゃない。



まるで世界の一部のように繊細でリアルだった。

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