夜鷹

ゆき

第1話 ひとり

私はずっとひとりだ。


「どこに行ったって上手くいく」

いつだってそう言われてきた。


私は世渡り上手で、誰にだって好かれる。


その人が欲しいと思っている言葉、行動全てが分かってしまう。


だから好かれる。利用されたって必要とされないよりは全然よかった。


16の秋、私は夜の世界に飛び込んだ。


キラキラしていた。みんな輝いて見えて

みんな自由に生きているように見えた。


だけど、現実は違っていた。

金が全てで、自分以外誰も信じていなかった。まるでこの世界に、自分しかいないかのように。


身体を売った。16歳だった。

そうして私の運命は狂い始めた。


酒に溺れ、金と欲にまみれ、あっという間に。夜に染まっていった。


金を落とす奴が正義のこの世界で生きていこうと決めた。


これは、ずっとひとりで生き、

人を信じることを忘れ、金のために体を売り続けた私の物語だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る