第21話 PVの伸ばし方について

Web小説のPVは「裏技」で伸びない。伸びるのは“山場の設計”ができている作品だけ


Web小説のPVを伸ばす話になると、どうしても「裏技」や「小手先の施策」が注目されがちです。

けれど現場で起きていることを冷静に見ると、PVの伸び方には明確な構造があり、再現性は「技」より「設計」に宿ります。


Web小説のPVは、アルゴリズムを攻略した人が勝つのではなく、読者が“そこを見たい”と思う山場を設計できた作品が勝つ。


1. PVが“後半で跳ねる”のは異常ではない。ジャンル特性で説明できる


一般に、連載作品は「1話が最大PVで、以降は逓減する」傾向があると言われます。

しかし、これが当てはまらないジャンルがあります。


典型が、復讐・ざまぁ・破滅(カタルシス)系です。


このタイプは、PVがきれいに減っていくのではなく、途中回だけ異様にPVが盛り上がることがあります。理由は単純で、


読者の“見たいシーン”が明確


「破滅回」「ざまぁ回」など、目的の回にアクセスする動機が強い


その回が反復視聴されやすい(読み返し・共有・まとめ読み)


つまり「後半のPVが高い」「特定回だけPVが突出」は、むしろジャンルが正常に機能しているサインです。


2. ただし“誰でも起きる現象”ではない。山場が読者の期待値に届いた証拠


重要なのは、同じ復讐・ざまぁ系でも全員が後半で跳ねるわけではないことです。


山場を用意しても、読者の期待するカタルシスに届かなければ、PVは盛り返さずに減っていきます。

逆に、山場の満足度が高い作品は、後半でPVが伸びたり、PVの逓減が止まったりする。


ここで言えるのは、


「PVが後半で強い」=“設計した山場が刺さっている”可能性が高い


ということです。

つまり裏技ではなく、作品の構造が勝っている。


3. “釣りタイトルで新規を逃してる”という不安は、たいてい逆


よくある悩みがこれです。


「目立つエピソードタイトルでPVが取れているが、そこで満足してブラウザバックされ、フォローに繋がっていないのでは?」


この不安は理解できます。ただ、判断は感覚ではなく 指標で行うべきです。


たとえば、

1話PVに対するフォロー率が高い状態であれば、読者の熱量は高い可能性が高い。

PVが偏っているのも、その“熱い層”が山場へ集まっているだけ、という説明が成立します。


むしろ危険なのは、ここで「不安だから」とタイトルや導線をいじり、

動いている仕組みを止めてしまうことです。


成果が出ている間は、いじらない。

これは作品運用でも事業運用でも同じです。


4. PVブーストの正体は「入口設計 × 満足度 × ファン化」


結局、PVが伸びる流れはこの3つに整理できます。


入口設計:読者が「この回は見たい」と思う入口(タイトル・見出し・回の位置づけ)


満足度:山場で期待値を超える(“見たいものを見せる”)


ファン化:フォロー率で回収する(次回も追う理由を作る)


ここに小手先はありません。

あるのは「読者がどこで気持ちよくなるか」を言語化し、山場を商品として設計する力です。


結論:PVを伸ばしたいなら「裏技」よりも“山場の設計”を磨くべき


PVは、見せ方で多少は動きます。

でも大きく動くのは、読者がその回を求める必然があるときだけです。


復讐・ざまぁ系でPVが後半に偏っているなら、それは失敗ではなく、

読者の欲望と作品構造が噛み合った結果の可能性が高い。


だからやるべきは「釣りを疑って修正」ではなく、


山場の品質を維持し


連載を続け


フォロー率を落とさず


完走(最低でも規定文字数)まで運ぶ


この運用が、次の伸びを作ります。


PVを増やすコツは、バズらせることではない。読者の“見たい回”を設計して、そこで満足させ、ファンに変えることが重要だと思います。




📢さて、そんな私ですがただいまカクヨムコン11にホラージャンルで参加中です。

📢毎日19:07に更新🎵

📢ぜひ読んで下さいね😊


タイトル:骸欠血損する食品群に関する一連の報告書

キャッチコピー: 関係者はメニュー表にない料理を絶対に出さないでください

ジャンル:ホラー(モキュメンタリー)

リンク:https://kakuyomu.jp/works/822139836343947661

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る