第7話 小説の推敲・構成チェックについて

初枝が個人的に、小説を推敲・構成チェックする際のポイントについて5点まとめてみました。


① 誤字脱字より「表記揺れの統一」を見る


誤字脱字ももちろん直すが、そこまで重くは見ていない。


それより 表記揺れ を重点チェック:


中黒を入れるか入れないか(例:ゲシュペント・ドラゴン / ゲシュペントドラゴン)


カタカナ語の伸ばし棒あり/なし(モキュメンタリ/モキュメンタリー)


「ください/下さい」などの ひらがな・漢字の統一


作品ごとに「どう書くか」をメモしておき、最終段階でそれに合わせて一括修正する。


② 名前・キャラ設定の整合性チェック


執筆中に「やっぱりこの名前・キャラ性は変えたい」となることがある。


例:お嬢様口調 → 他キャラと被るのでボーイッシュ寄りに変更、など。


その結果、


最初と最後で名前が違う


口調・性格が途中から変わっている

という事故が起こりがち。


最後に通読して、


名前が全編で一貫しているか


キャラの口調・雰囲気が「最終的に決めたイメージ」と合っているか

をチェックして直す。


③ 伏線のバランスと整合性を調整する


初枝的には「世界観に謎を持たせる書き方」が好き → 伏線多めになりがち。


通読時に見るポイント:


出しすぎ問題


気になる情報を序盤から出しすぎて、しかも短編・10万字程度では回収されない

→ 読者にとって邪魔なので、表現をぼかす/削る。


仕込み忘れ問題


終盤で重要な事実が出てくるのに、序盤〜中盤にそれを匂わせる描写がない

→ セリフや地の文で、前半にさりげなく追加。


薄すぎて伏線になってない問題


抽象的すぎて「情報として存在しない」のと同じ状態

→ 少し具体性を上げて、ちゃんと伏線として機能するように書き足す。


整合性のチェック


序盤の描写と終盤の真相が論理的に噛み合っているかを確認。


④ 文章の「読みやすさ調整」はやりすぎない


やること:


誰がしゃべっているか分かりにくい会話に「誰々は〜と言った」を足す。


あまりにも意味が取りづらい箇所は、説明を一文だけ足す/言い回しを少し整理。


ただし、


「ちょっと引っかかるけど読める」レベルのフレーズまで全部丸く直してしまうと、

初稿の勢い・ライブ感・個性が失われる という懸念がある。


そのため、


致命的に分かりづらいところだけ直す


「初稿のテンションで選んだ言葉」をなるべく残す

という方針で、直しすぎないことを意識している。


⑤ ページ全体の「文字の圧」をチェックする


最後はWordなどに流し込み、ページの見た目 をざっと眺める。


チェックするのは:


文字がびっしり詰まりすぎていないか


説明文ばかりで、会話・行間が少なすぎないか


自分の作風(エンタメ寄り・キャラの掛け合い多め)と、

「びっしり文字の壁」は相性が悪いと感じているため、


改行を増やす


冗長な説明を削る

などして、「引き算の美学」で軽くする。


ざっくりまとめると、

①表記統一 ②名前&キャラ整合 ③伏線バランス ④文章を直しすぎない ⑤ページの見た目

この5点を意識して、最後の読み返し・構成チェックをしている、という整理になります。




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