クリスマス
「藤乃さーん、子どもたち寝たよ」
俺、須藤藤乃が家で明日の仕事を確認していたら、妻の花音ちゃんが寝室から降りてきた。
「じゃあプレゼント出してこようか」
立ち上がって、リビングでケーキを食べている親父と母親に声をかけた。
二人はニコニコしながら、寝室からプレゼントを出してきた。
「いくつになっても、楽しいのよね」
「なー。昔は藤乃一人分だったけど、今は五人分用意するから楽しいなあ」
「五人分?」
テンション高めにプレゼントを出してくる両親に聞き返した。子どもは長男の藤也と、双子の桔花と蓮乃の三人だけだ。
でも母親が見覚えのない紙袋を二つ出してきた。
「藤乃と花音ちゃんにも用意しました!!」
親父がそれぞれ俺と花音ちゃんに差し出す。
「わ、すみません、私にまで……ありがとうございます」
「マジか。ありがと」
俺の分は仕事用の新しい道具差しとハサミの手入れ道具、花音ちゃんには俺とお揃いのウィンドウシェルと手袋だ。
「ありがと、嬉しい」
「藤乃の剪定用のハサミ、この間刃こぼれさせちまったからさ」
「それは反省してくれよ」
「これで俺のハサミも研いでくれ」
「図々しい……」
「ちなみにお年玉もあるよ!」
「す、すみません、何から何まで」
「いいのよ」
慌てる花音ちゃんに母親がおっとりと微笑んだ。
「クリスマスのケーキも、お節料理も花音ちゃんと藤乃で用意してくれたじゃない。それに親っていうのはいくつになっても子どもにしてあげたいものなの。その手袋は由紀さんたちからだから」
「そうだったんですね。……ありがとうございます」
花音ちゃんはわずかに涙ぐんで、プレゼントを抱きしめた。
その後、子どもたちへのプレゼントをリビングのクリスマスツリーの下に置いておいた。
藤也は子供向けの植物図鑑とポケ○ン図鑑、桔花と蓮乃はディズ○ープリンセスの衣装セットだ。従姉妹の花菜ちゃんと三人でプリンセスごっこをするらしい。
それぞれの祖父母からの贈り物も一緒に並べておいた。
親におやすみを言って、俺と花音ちゃんは二階の寝室へ向かった。
「藤乃さん、これを」
「ありがとう。俺も、花音ちゃんに」
花音ちゃんがくれたのは庭園や花壇の写真集だった。俺が昔から集めていたものだ。
俺が贈ったのはヘアゴムと口紅で、花音ちゃんに似合いそうな明るい色を選んだ。
「似合う?」
大きい花のついたヘアゴムを花音ちゃんが髪に当てた。
そんなの、答えは決まっている。
「もちろん。すごく似合うし、世界で一番かわいい」
「……ありがとうございます」
自分で聞いておいて照れる花音ちゃんを抱き寄せた。
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