第5話 「お湯を注いで3分で」

タイトルからわかるでしょう。

カップラーメンについて今回は話したい。


これをグルメと言うかは甚だ疑問だと自覚はしている。


私の世代からすれば「革命食」かな。


だってお湯を注いで3分で、そこそこ美味しいラーメンが出来るわけですよ。

子供達でも、ラーメンが作れる時代が、来てました。


カップヌードルが世に出たのは、昭和46年(1971年)

私が3歳の時か、物心ついた時には普通に手に入りましたね。


ここからはプロジェクトXの受け売りになるが

カップヌードル、開発したのはいいけれど、当初

「全く売れなかった」そうだ。

当時の家庭では料理は手間をかけて作るもので

「お湯だけで、3分待つだけで、食べ物が出来る」

これが不気味だったらしい。


初めて購入してくれたのは「消防署」

彼らは24時間待機し、食事も短時間で済ませる場合が多い。

なので、消防士のスタイルにカップヌードルは合っていた。


警察官もまた、似たような立場だ。


カップヌードルが世に知れわたった転機は「あさま山荘事件」

手短に言うと、テロリストが真冬の山荘に人質をとって立てこもった。


攻防は連日続き、国民はテレビの報道に釘付けになった。

あさま山荘事件の視聴率は、90%台というから驚異の数字だ。


連日待機する警察官と機動隊、当たり前だが彼らも空腹になる。

季節は真冬、しかも長野の山の中

弁当を持って行っても冷めきってしまうというか凍ってしまう。


「暖かいものが食べたい」と願った者たちに支給されたのが

カップヌードルである。


雪の中立ったまま機動隊がカップヌードルを食べる映像は

テレビを通して、多くの家庭に届けられた。


「彼らは、何を食べているのか?」

「厳冬の中で、湯気が立っている食べ物?」


あと、他人が食べているものって、美味しそうに見えますよね。


その翌年、カップヌードルの売上は60倍に伸びたそうです。


私の家庭も例に漏れず、カップラーメン・インスタントラーメンは

子供が気楽に作って間食に食べるものでした。


メインの食事にはなりませんでした、それやったら父が激怒する。


そんなインスタント食品に囲まれ始めた


昭和50年(1975年)


常識を覆すインスタント食品が、発売された。


「ペヤングソースやきそば」


CMを見た私たち兄弟3人は、パニックになった。


兄と姉が「嘘だぁ!!」と叫ぶ。


「お湯だけで『炒めた』味と食感が出せる訳が無いだろう!!」


それが、兄と姉の叫びで、みそっかすの私もうんうん頷いた。


間もなくスーパーに出回った「ペヤングソースやきそば」


兄は当時中学、姉は小6だったか。私は小1だ。

兄と姉が、なけなしの小遣いで「ペヤングソースやきそば」

を一個買って来た。


『お湯だけで、焼きそばは完成するのか?』


その立証のために、三人の子供は立ち上がった。


もう食事っていうよりは「実験」でしたね。


まず湯を沸かす、説明通りにかやくを入れて、湯を注ぐ。

3分経過、湯切りしてソース混ぜて上に振りかけて

いざ、実食


一つのカップ焼きそばに、三膳の箸が伸びた。


まずは一口


そして感嘆の声が上がった。


「本当だ、本当に炒めた香ばしさがある!!」


しかも、美味しい。

自分たちの知っている焼きそばの味とは違う、新しい風味だが

なんかクセになる。


小中学生が一個のカップ焼きそばに群がってるって

端から見ると、奇妙で侘しい光景かなと思いますが


それはさておき、それなりに美味いカップ焼きそば。

売り上げは伸びて、他社メーカーも追随して、商品の種類は広がりました。


今でも「ペヤングソースやきそば」は常備してます。


ただ、今の私の食べ方はちょっと捻っていて、以下の手順です。


1.肉野菜をフライパンで炒めて、醤油とソースで下味をつけておく。

2.お湯で戻した「ペヤングソースやきそば」を、ザルで湯切りします。

3.炒めた肉と野菜は、皿に退避させておきます。

4.プライパンは洗わずに、そこに湯切りした焼きそばを入れて

  ソースを入れて、さっと炒めます。

5.退避していた肉野菜を、フライパンに入れて麵と混ぜ、軽く炒めます

6.上にふりかけかけて、完成。


ちょっと面倒ですが、野菜も摂りたいし、この食べ方が一番好き。


食べるたびに、あの頃

子供三人で初めて「ペヤングソースやきそば」を食べて

盛り上がった時間を、思い出してしまいます。


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