オールバンク ~異世界で契約の力を得た俺は、世界を変える選択を選ぶ~
@hajimari
第1話『通り魔に刺された俺、異世界で口座を開く』
「ここは......」
真っ暗な中を俺は浮遊している。
「確か、俺は......」
『あなた【赤沢 海斗】《あかざわ かいと》さんですね......』
どこからかともなく声がする。
「誰だ!?」
『申し遅れました。 私【オールバンク】の者です』
「オールバンク...... そんなことよりここはどこだ?」
『覚えてらっしゃらないのですね。 あなたの身に起こったこと、よく思い出してください』
(よく、思いだせって......)
「あっ! 俺はあの時」
「そう、あなたは通り魔に刺されました」
そう俺は高校に行く途中、刃物を持った男に刺された。 ゆっくりと地面が近づき、意識がなくなるのを覚えていた。
「死んだのか......」
『厳密には死ぬ予定です』
「死んでないってことか!」
『このままだと死にますが、それを回避することができます』
「どうやって!?」
『我々はオールバンク、あらゆる世界にあり、そこで貸借、交換、売却を業務としております』
「銀行ってことか」
『ええ、扱うものは肉体から、技能、記憶、命までなんでも扱います』
(なんだそれは...... 怪しいが、死にかけてるのは本当だ。 あの痛みと恐怖は明らかに実感があった)
「生き返るには何か対価が必要ってことか?」
『察しがよろしくて助かります。 命との交換のため、何か対価が必要です』
「そんなものないぞ」
『そういう方のために、ひとつの提案があります。 それは【異世界への転移】です』
「異世界に行けってことか?」
『ええ、かの地から、交換をされる顧客がいまして、そのためにあなたにお話を持ってきた次第です』
「行かないと死ぬ...... それなら行くしかないだろ」
『お話がはやくて助かります。 それでは初回特別サービスとしまして、我々との取引口座をお作りしました』
その時暗闇にブルーライトがつく、それはパソコンのようなウィンドウが現れた。
『こちらから我々との取引が可能となります。 必要なものがあれば、対価にてご提供しますので、お使いください』
「その異世界ってどんなところなんだ」
『これからは、あらゆるものが取引となります。 その端末から取引くださいませ』
そういうと声はかききえた。
「おい!! くそっ! なんだ! うあああああ!!」
周囲が渦を巻くと俺はそこに吸い込まれた。
「ここは......」
そこは森のようだった。
「ここが異世界、確かオールバンクだったな。 本当に異世界に来たのか」
腹をさすると特に傷もない。
「どうやら刺されたことはなくなっているようだ...... あいつオールバンクの端末っていってたな...... うわっ!」
その時、目の前にウインドウのようなものが現れた。
「こうやってよぶのか...... 項目があるな」
そこには交換、購入、借款のほかにも肉体、技能など様々な項目がある。 そこにあった技能から転移の項目をおす。
「あった、現代日本...... 金銭だと、じゅ、10兆!!?」
そうウインドウに文字が現れた。
「無理だろ!! くそっ...... ここで生きていかないといけないのか」
肩を落としたが仕方ないので、取りあえず森からでて歩く。
「あっ! 町だ」
町らしきものを見つけ入る。 そこは洋風の家が立ち並ぶ。 田舎の町のようだった。 ただ人々の言葉はわからない。 看板の文字も見たことはない。
(まずい...... 言葉も文字もわからない。 取りあえず外に出よう)
俺は町から出て再び森へと入った。
「変なやつだと思われたら、中世のようだったし、捕らえられて処刑でもされるんじゃないか。 とにかく言語と文字を得ないと...... オールバンクにあるかな」
オールバンクのウインドウがでる。
「技能か...... なんか戦闘技能もあるな。 魔法!? そんなものもあるのか。 あっ、翻訳がある。 日本円で1000万...... 安いんだろうが、今の俺には無理だな」
その場で寝転がる。 空は青空で木々の緑が揺れている。
「何かでお金を稼がないといけないが、会話もできないんじゃ、詰んでる...... いや、まて、画面には交換、
手持ちにはスマホと財布、3千円ほどあった。
「やってみるか」
交換でスマホをかざしてみる。
「3万円...... まあ型落ちだからな。 借款は十日で一割!? たかっ! どんだけぼるんだ!」
俺はあきらめて寝転んだ。 木の葉が顔に飛んできた。 それを手で払うと木の葉が目の前から消えた。
「ん? どこ行った」
そのとき画面に【所持金】1円の文字がでた。
「......なんだ、まさかあの木の葉1円で売れたってことか? そうか、今の手持ちじゃなくてもいいのか!」
(ここは誰かの所有じゃないはず...... それなら)
俺は立ち上がると、そこら辺石や木の枝、拾ったものを手当たり次第に売り払った。
「売れる! ただ単価が安い...... 1円とか数円だ。 無料で手に入るとはいえ、この安さだと1000万手にいれるのに何年もかかりそうだ。 より単価の高いものを探さないと......」
そのとき、目の前に大きな生物の骨が落ちていた。
「なんだ? 鹿、猪...... 違うな。 頭蓋骨だよな。 でも歯が長い」
その骨をウインドウにかざす。
「えっ? 【ブレイドマウス】、10万!? それにマウス、ネズミ!? こんなでかいのに!」
俺は驚きながらも、10万を手に入れた。
「ヤバそうな生物だけど、高額で売れた。 体を見つければ更に売れそうだ」
俺は周囲を丹念に調べ、複数の骨を見つけた。
「おお! 100万になった!」
ドスン!
「なんだ!? 地震か! なんだあれ!?」
その時、地面が揺れた。 茂みからのぞくと明らかに尋常じゃない大きさの生き物がいた。
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