男女比1対10の貞操概念崩壊世界に転移した俺は捕まりたくないので天真爛漫なシスターと猫になった女神様と共に、欲望まみれの女の娘達から逃げ回る
冰藍雷夏『旧名は雷電』
第1話 女神との邂逅
白い扉があった。
突然、現れた扉だ。
不自然に思えたが持ち前の好奇心には勝てず。
扉のドアノブに手を置いてゆっくりとドアノブを回した。
しかし、それがいけなかった。アンタッチャブルだったのだ。
その扉の向こうは俺が住んでいる地球とは似て非なる世界。
貞操概念崩壊世界だったのだから。
◇
《白い場所》
「こんにちは~! 素敵な方」
金髪のエッチな服を着た美女が俺に優しく手を振っていた。
最近のアニメや漫画にある転生や転移ものの物語に出てくる様なシチュエーションにそっくりだ。嫌いじゃない。むしろそういう話は好んで読む
「ここは……俺は死んだのでしょうか? 女神様」
「いいえ、生きてるわよ……女神様……言いびきね。貴方、良い人なのね」
なぜか褒められた。
「なる程、生きてはいるんですか」
「あら? あまりこの状況に驚いていないんですね。ビックリしました!」
「ええ、見馴れてますから」
漫画やアニメだけどな。
「そうなんですね~! それなら、話が早く済みそうで良かったです。ズバリ貴方には世界を救ってほしいんです……て、言いたいんですけど。本来召還される筈の勇者様と間違えて、貞操概念崩壊世界に召還されちゃったみたいですね」
……転移ものによくあるパターンか。なら、これは元の世界には帰れない展開だよな。いや、それよりも貞操概念崩壊世界って何だ?
「あ、あの! 女神様。女神様が先程、
「……私とのやり取りが終わったら強制的にあっちの世界。貴方は男女比1対10の『エクスタシア』に向かう事になるなるでしょう」
おい。この女神、俺の質問を完全スルーしたな。それに今度は男女比1対10とか言う単語が出てきたぞ。
「あの……女神様。貞操概念崩壊したうえ男女比1対10の世界に俺を送り込むって事ですか? 張り倒して訴えるぞ。アホ女神」
「キャン! 乱暴な言葉は美少年には似合いませんよ」
何がキャン!だ。このやろう~! この女神。絶対に駄目な方の女神だろう。 俺が見たアニメ、このスパーリング世界に柔道を!に出てくる様な駄目な女神だ。
いや、その前に、なんでこの人俺の事を美少年なんて言ったんだ?
「は? 美少年……なに言ってんだ? 俺は婚期を逃した30代後半中年男だぞ」
「いえ……貴方は祝福の扉を
なんか。目にハートを作って、ハァハァ言いながら
「……いや、そんな若返ったとか良いんだわ。俺の人生設計狂うだろうが。俺はそこそこの資産はあるんだ。だから残りの人生は節約しながら趣味の小説でも書いてのんびりとだな」
「ハァハァ……なんだか。私、貴方の事を凄く気に入ってしまったので、他の女神ちゃん達には内緒で転移特典でモリモリにしておきますね。スキルは『絶頂』とか『マッサージ』入れておきます……なんだか面倒くさいので、全部入れておきますね。内緒ですよ」
女神様の顔が赤い。まるで酔っ払っている様に赤いな……そして、何か液晶パネルの様なものを連続でポチポチ押している。
転移特典とか言っていたが。俺が行かされる
「ポチポチポチポチと……いっぱい転移特典付けちゃいましたね。まあ、バレないですよね……多分」
「お、おい。女神様、あんたにはまだまだ聞きたい話があるんだが……」
「はい! 旅立ちの準備もできましたよ。これで貴方も異世界への旅へと
「なら、アンタも付いてこい。俺をその『エクスタシア』とか言う意味の分からん世界に向かわせる罰としてな」
「へぁ?! な、何をするんですか? なんで私の頭を鷲掴みして……きゃああ!」
俺は自身の右腕で女神様の身体を拘束した。
そして、床から魔法陣の用なものが現れ。その魔法陣から白い扉が現れた。
そう。最初に俺が自身の好奇心に負け、ドアノブを回して入ってしまった白い扉が。
「さぁ、一緒に大冒険に出発しようか。女神様」
「へ? 嫌ですよ。私はあんな貞操概念崩壊したうえ男女比1対10の世界になんて行きたくありません。あんな女性が支配する世界は行きたくないんで……」
女神様が泣き叫んでいたが無視をした。
どうせ女神様ないつでも、この不思議な場所に帰って来れるだろうしな。
「……10代の頃に若返ったとか意味が分からんが。とりあえず行って地球へと帰る手段を探すか。女神様も居てくれるしなんとでもなるしな」
「いえ。待って下さい。私はここから出たら天上の力はつかえ……」
「あぁ、行こう。女神様、一緒に白い扉を潜って転移した世界に!」
「いえ! ですから私の話を最後まで聞いて下さい~!」
そうして俺は女神様を強引に引き連れて。白い扉を潜り貞操概念崩壊世界『エクスタシア』へと転移した。
◇
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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