第2話 現代日本でダンジョンが存在するのはもはやテンプレ
「ここに来るのもなんだかんだで久しぶりだな」
そんなわけで当然の如く話はいきなり飛ぶが、俺は今ダンジョン内にいる。
え、なんでダンジョン? お前異世界転移し損ねたじゃねーの、と思うかもしれないが驚くことなかれ。
この現実世界にはなんかのバグかは知らないが本当にダンジョンが存在するのだ。ダンジョンがある上に異世界転移とかもう滅茶苦茶だよ。
とはいえせっかく異世界特典を貰えたのだ。陰キャとはいえ健全な男の子なので試してみたくなるってもんだよね。
「ステータスオープン」
職業:勇者の模倣品【変更不可】
Lv.1
HP 100
MP 25
筋力 10
耐久 10
魔力 10
俊敏 10
運 -999
ステータスポイント 0
スキル
『鷹ノ目』
うーんまさにゲームって感じ★
目の前には俺のステータスについて記載されたウインドウがポップアップしている。ちなみにウインドウっていうのはアレねアレ。PCで何らかの通知が来た時にポップアップする四角状のヤツ。
ステータスについてはゲームで見慣れたものなので今更驚くこともないし、内容についてもレベル1だしそんなもんだよねって感じだ。
勇者の模造品という単語が気になるが一先ず置いておく。あ、でもやっぱり一言だけ言わせてくれ。普通に勇者じゃ駄目なんだろうか。いやまぁ勇者なんて柄じゃないから別に良いんだけどさ。
そしてこのスキルはなんだろうか。
そう疑問に浮かべたところで、目の前にウインドウがポップアップした。そこに記載された内容はこうだ。
『鷹の目』
相手の強さが分かる。
下位:白
同等:橙
上位:赤
いいなこれ。
この説明通りであれば中々に有用なスキルだ。鵜吞みにするわけではないが、敵の強さが一目で分かるのであればダンジョンにおいてこれほど心強いものはない。ダンジョンでの死因の大半は己が力の過信なわけだし。
「ん?」
そうこうしているうちにいつの間にか敵が現れた。
『Gyagyayaya!!』
ダンジョンに入り最初に遭遇したのは安心安定のゴブリンさんだ。
こいつらは通常であれば複数体で行動しているのが基本のはずだが、彼は一匹だ。随分と不用心な個体らしい。いきなり運がいいな。
スキル:鷹の目
さっそくスキルを使ってみるか、というか既に頭に―
確か橙色は同等を意味する表示だったっけか。
ダンジョンにおいて最弱と呼ばれるゴブリンと同等とは泣けてくるが、それは俺一人でもどうにか出来るという意味でもある。
今のところこのスキルの能力に間違いはない。鵜呑みは禁物だが、一先ず信頼して良さそうだ。
向こうは此方を舐めているのか警戒しているのかまだ動かない。行けるか? よし行こう。
「そぉいっ」
『Gya!?!?』
俺は一目散に駆け出し、その首に短剣で一突き。深々と刺さった。更に短剣をグルリ捻じ込むように半回転させる。その結果、ゴブリンは思いのほかあっけなく絶命した。
ピロリン♪
「お、この通知音。もしかして、いやもしかしなくてもレベルアップしたか?」
軽快な通知音と共にまたウインドウが目の前にポップアップした。内容は予想した通りレベルアップについてだった。
異世界特典によりステータスを取得してから予想はしていたが、やはり的中した。
どうやら俺は古今東西様々な例に漏れず、魔物を倒せば倒すほどレベルアップして強くなるようになったらしい。
―――
※補足:主人公現在ステータス
職業:勇者の模倣品【変更不可】
Lv.2
HP 120
MP 30
筋力 11
耐久 11
魔力 11
俊敏 11
運 -999
ステータスポイント 3
スキル
『鷹ノ目』
―――
【作者からのお願い】
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