第6話 『スペシャルメニュー 金貨1枚』
今日は疲れたな……
お金があるって本当に良い。
食堂で食欲を満たし雑貨屋で必要な物を買った、俺は近くの宿屋、イージス亭に来た。
また、頭の中で、ガチャン……ジーコジーコジーコ
懐かしいフロッピーディスクの起動音が鳴った。
やはり、此処も『ディスカバリーミント社』のゲーム仕様になっていた。
「イージス亭にようこそ!」
ロングの青髪のワンレングス。
そして、何故か異世界の筈なのにボディコン風の服。
それなのに顔は童顔。
年齢、19~22才位の女子大生みたいな感じのお姉さんだ。
16ビット時代の典型的なお姉さんヒロインに見える。
「部屋は空いていますか?」
「勿論、空いてますよ! お風呂がついた部屋が銀貨1枚。無い部屋が銅貨7枚になります」
暫くお風呂に入ってないからお風呂つきがありがたい。
「それじゃ、お風呂付でお願い致します」
「それじゃ銀貨1枚になります」
「はい、それじゃこれで……」
俺が銀貨1枚渡すとお姉さんがカギを差し出してきた。
「はい、これがカギになります」
「ありがとう」
お姉さんが80年代のエロゲー風なだけで何もイベントが起きないのか……残念だな
。
「それでね、実はこの宿なんだけど3日分纏めて宿代を払うと良い事があるの!」
多分、これがイベントだ。
「へぇ~どんな良い事があるんですか?」
「お姉さんとミニゲームが出来るのよ! どう? 3日分纏めて払わない?」
どうせ、暫く滞在するんだから良いか?
「それじゃ、3日分先払いします」
「うわぁ、ありがとう! それじゃ今日のゲームは五目並べよ! 三回勝負で2回勝った方が勝ち!もし、お姉さんに勝てたら……そうね、今日は背中を流してあげるわ」
スレンダーだけど、凄くスタイルが良いし、少し大人な感じが良い。
「本当ですか?」
「本当よっ! それじゃ銀貨2枚追加でお願いね!」
「はい、これで良いですか?」
俺は追加で銀貨2枚渡した。
「はい、確かに……それじゃ、早速やりましょう!」
横には小さなテーブルと椅子が二つあり、碁盤と碁石の様な物が置いてりお姉さんはそこに座った。
俺もその正面に座る。
1回目……お姉さんの勝ち。
「うふっ、お姉さん五目並べ強いのよ」
そう言って足を組み替えるお姉さんのスカートの奥にストッキング越しに赤い下着がチラリと見え、それがなかなかセクシーだ。
2回目……俺の勝ち。
「あ~あっ、負けちゃったわね。うふっ、次が本当の勝負ね」
3回目……俺の勝ち。
「あ~あっ、お姉さん負けちゃったわ! それじゃ約束だから背中流してあげるわね……それじゃ行きましょう」
お姉さんに背中を押されて部屋へ向かった。
◆◆◆
部屋はワンルームに近い配置だ。
まぁ、異世界だから所々違うけど、お風呂もあってなかなか良い。
それより、宿屋の部屋にお姉さんと二人きりなのが興奮する。
「それじゃ、服脱いでね」
俺が服を脱いでそのまま風呂場に行くと……お姉さんは服を着たままついてきた。
「ええと、お姉さん服は?」
「うふふっ、まだ勝ったのは一回目じゃない? 今日は服を着たままよ! 私の服を脱がしたかったら、次も頑張ってね……」
ああっ、そうだった。
あの頃のゲームって服を脱がすのが凄く大変だったんだよな。
1回勝った位じゃこんな物か。
多分、次でストッキング、その次で上半身、そしてようやく下着姿。
そしてブラ、最後のパンティ。
恐らく裸で背中を流して貰えるようになるには、あと最低5回は勝たないといけない。
「そうだね、頑張るよ!」
「それじゃ、洗ってあげるね」
お姉さんはシャボンを泡立てるとお湯を使い背中を流し始めた。
お姉さんの顔が近くにあるのが何となく興奮した。
「はい、終わったわ……うふふふっ次も頑張ってね」
笑顔でお姉さんは部屋から去って行った。
◆◆◆
久しぶりに清潔になった俺はベッドに横たわっていた。
ふと雑貨屋で貰ってきた『なにかの残骸』を見た。
どう見ても美少女アンドロイドの頭部にしか見えない。
この異世界にこんな科学的な物があるなんて……流石1980年代のゲーム世界カオスだ。
この後、色々なパーツが手に入るのだろうか?
流石に分からないな。
◆◆◆
「それじゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
朝になり、宿屋のお姉さんに見送られて宿を一旦後にする。
そして、昨日の食堂オクトパス亭に向かった。
あの『スペシャルメニュー 金貨1枚』が気になった。
昨日は疲れていたし、お腹が空いていたから、思わずスルーしてしまったけど、この世界じゃ絶対にアダルトな奴だよな。
店に入ると……
「いらっしゃいませ! お好きな席に座って下さい!」
相変わらず凄く可愛らしい。
ピンクの髪をツインテールにしていて黄色いリボン。
そして、ロリータフェイスで身長こそ低いが胸が凄く大きい。
こういうロリキャラのゲームばかり多かったから、FM-777を『ロリパソ』なんて呼ぶ人が居たんだよな。
メニューを再び見ると…….
ラーメン 小銅貨7枚
チャーシュー麺 銅貨1枚
チャーハン 小銅貨7枚
カレーライス 小銅貨7枚
カツカレー 銅貨1枚
ビフテキ 銅貨3枚
朝も同じメニューなんだな。
これもやはりゲームの仕様か。
そして一番下には『スペシャルメニュー 金貨1枚』があった。
よし、今日こそはこれを頼もう。
今迄のイベントと違い金額が高い。
この金額ならきっと凄いイベントなのかも知れない。
「すみません、このスペシャルメニュー下さい!」
「はい、スペシャルメニューですね! えっ! 本当にこれを頼むんですか?」
「はい、お願いします」
女の子は顔を耳まで真っ赤にしている。
「それじゃ……30分経ったら、そちらの部屋に来てください」
そう言うと奥に引っ込んでいった。
◆◆◆
俺は30分待ってから部屋に行くとそこで待っていたのは、なんと女体盛りだった。
さっきの可愛らしい女の子が裸になって横たわり体には沢山の料理が盛りつけられている。
「ううっ、凄く恥ずかしいですぅ~ ですが、どうぞお召し上がりください」
恥ずかしがる彼女を見ながら食事を進めると食べる度に大切な物が見えてくる。
「ハァハァ、凄く恥ずかしい~」
顏だけじゃなく肌もほんのりと赤くなっている。
全部食べ終わると両胸に絆創膏が貼ってあった。
「これは一体……」
「うん……ハァハァこれ、賭けになっているの……この絆創膏の一つが当たり。もし当たりを引いたらね……はぁはぁミオも食べられるの……さぁ、どちらか引いて……」
これは凄い。
1/2の確率でこの可愛い女の子ミオちゃんが食べられるのか。
道理で高額な筈だ。
「さぁ、早く剥がして……」
それじゃ勝負だ!
「よし、右だ!」
俺は右の絆創膏を剥がした……
「嘘……×」
「お兄さん、外れちゃったね残念! また今度チャレンジしてね」
そう言うとミオちゃんは立ち上がり奥の扉を開けて消えていった。
1/2の確率で負けるなんて、俺はなんてついてないんだ。
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