第三章 ④ 皇太子権限(皇居正門 襲撃)
「本当に、
「あくまで
「すみません、儀式とは? 何の儀式ですか?」
疑問が浮かんだレイは、三人の会話に割って入った。
「いま言った儀式というのは、
柔らかい口調で
「
レイは
祐子の講義によれば、我が国は皇族の血を引く能力者を国家的危機の切り札として保有している。彼女が「困る」と言ったのは、ただ能力を持つ子孫が日本中に存在しているだけでは役に立たないという意味だろう。
「そう。私たち御力を持つ者は力の使い方を知る義務があり、また国も御力を利用しようとする以上は能力について
ただし、
「では、その実験で被験者の方が持つ能力が初めて判明するのですか?」
「ええ。強制的に
それがあったからこそ、登録された理子の御力を調べることができたのだ。
しかし、レイはまた引っかかる言葉を見つけた。
「強制的に始動?」
レイの疑問に、今度は助手が答えてくれる。
「能力者と言っても、皇居に入れば皆がみーんな御力をすぐに使えるわけじゃないんですよ。というか、生まれて以来ずっと能力制限領域──つまり皇居の外で育った人間は、ほとんど自分から御力を始動させることができません。なので、一定以上の年齢を
「皇……太子殿下?」
予想外の言葉に
助手は答えず、
おそらく「口を
それに応えるように、祐子が事務的な
「レイさんの疑問への答えは簡単です。皇太子殿下が、他人の御力を強制起動する力を持っているため参加していただいています。具体的には【
「しまった……ッ」
「どうしたのですか、殿下?」
「すぐに
司子が言い終わらないうちに、彼女の不安が現実となったことを無線機が伝えてきた。
『──き! 攻撃、攻撃を受けたッ!!』
偵察に出る際に渡された無線機を
電波状態が良好ではないのか
『ぃゃあぁぁぁぁあぁあぁあッ!!』
『くるなくるなくるなぁぁあ』
『撃てッ撃てぇ!』
『本部、正門を開けるぞ!! 民間人を逃がせ! 開門、開門、がいもぁぁああああああッ!!!』
やがて
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