第18話:師弟の再会

三人はプロメテウスの基地の入口の前に立っていた。


入口には見るからに重そうな金属製の扉が立ちはだかっていた。


犬飼が扉のノブに手をかけるとドアにはロックがかけられていた。


「チッ、一丁前にも鍵なんかかけやがって。」


「簡易な電子錠でしょう。僕からしたらこんなのは簡単に開けられます。」


猿渡はそういうと小型の機器を取り出し、キーパッドの接続部に接続し、『ピッ』という電子音と共にロックが解除された。


「さすがだな。」


犬飼はそう言いながら、再び扉のノブに手をかけて扉を引いた。


ずっしりと重たい金属製の扉が開くと三人は慎重に建物の中へと入っていった。


建物の中にはプロメテウスらしき人物や護衛の鬼の姿は見当たらなかった。


建物の中は思っていたよりも殺風景だった。


床も頑丈な石で造られており、ほとんど物は何も置かれていなかった。


そして右奥には扉が見えてそこにはもう一つ部屋がありそうだった。


そして何より三人の目を引いたものは、何もない部屋の中で唯一中央にある石造りの部屋に不似合いなモニターやコンピューターなどが立ち並んでいる鬼システムだった。


三人は周囲を警戒しながら、鬼システムの方へと足を運んだ。


目の前には熱を帯びたサーバーが稼働し続けている。


電源は入っているようだがモニターには何も映し出されていない。


「このシステムはいったい…」


猿渡が鬼システムに触れようとしたまさにその時、奥にあった部屋の扉がガチャッと開く音が聞こえた。


「私の大事なシステムに勝手に触れないでもらえるかな?」


三人が扉の方を振り向くと一人の男と一頭の強靭な鬼が姿を現した。


「お前がプロメテウスか!」


犬飼が声を荒らげて叫んだ。


「よく私のこの島での名前をご存知で。誰に聞いたのかな。」


「この島に裏切り者でもいるのかな。なぁ、剛羅。」


男は護衛の鬼にそう言うと表情をこわばらせている猿渡の方に目をやった。


「何もそんなに怯えることはないじゃないか…。猿渡くん、いや登。」


プロメテウスの言葉に桃谷と犬飼は猿渡の方を振り返る。


「お前こそどうして猿渡の名前を知ってやがる。」


犬飼は再びプロメテウスに目を向けた。


するとプロメテウスは不気味な笑みを浮かべながら猿渡を見た。


「そりゃあ、知っているさ。」


「君たちの横にいる登は私の弟子なのだから。」


桃谷と犬飼は驚きのあまり再び猿渡の方を振り返った。

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