第6話:組織の壁
警察本部では鬼の出没に伴う警察本部対策会議が行われていた。
金城捜査第一課長
「ここ数日は鬼による被害が拡大している。」
「鬼の目撃情報をネットで拡散されていて、警察の対応も迫られています。」
大和刑事部長
「鬼など昔話の世界。そのような話は相手にせず、熊にでもやられたとしておけば良い。」
広報課長
「しかし、ネットでは鬼が人を襲っていると出回っている。」
「警察は手も足も出せないとの批判や不信が渦巻いています。」
大和刑事部長
「今のところ金品は奪われているが、人命には影響は出ていない。」
金城課長
「一人、鬼を追いかけて亡くなった刑事がいます。」
大和刑事部長
「あれはただの不慮の事故だ。」
「そもそも鬼など追いかけ回さなければ良かっただけのこと。」
「仮にそんな得体の知れないものなら追いついたところでどうしようもならん。」
金城課長
「皆さん静粛に!事態は逼迫している。」
「ネットでは鬼が現れ、事件が起きているのに警察は何をしているのかとの非難の声もある。」
「また、これは連続強盗事件だと騒いでいる連中もいる。」
「もしこれが連続強盗事件なら見逃すことはできない。」
「鬼がいようがいまいが我々の職務は人々の安全を守ることではないのでしょうか。」
須佐本部長
「金城課長の言う通りだ。この状況をみすみす見逃すことはできない。」
金城課長
「確かに、強盗事件の目撃者は皆口々に鬼の仕業だと証言しています。」
「そういえば2年前に鬼の目撃証言をしていた刑事がいました。」
「その時は熊や猪など獣の被害として片付けました。」
「しかし、ここ数日で急に鬼による被害が拡大しています。」
「もはや熊だの猪だのと言って逃れるのにも限界があります。」
須佐本部長
「何か考えがあるのか。」
金城課長
「確証はありませんが、2年前に鬼を目撃したという刑事についてです。」
「彼はすでに刑事を辞めましたが、元第一捜査課で敏腕の刑事でした。」
「彼に話を聞けば何か手がかりとなることがあるかもしれません。」
須佐本部長
「わかった。しかし、鬼の存在を公表して世間が混乱することだけは避けたい。」
「しかしこのままでは面目どころか組織が立ち行かなくなる。」
「その元刑事の話は公にせず事態を収拾するための唯一の糸口になるかもしれない。」
「話を聞こうではないか。頼んだぞ。金城。」
金城課長
「わかりました。彼の居場所は桃ノ木町の山奥にある訓練所だと確認しています。」
「私が直接、接触を試みます。」
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