【AI活用実践編】『辻沢のアルゴノーツ』はどう作られているか

たけりゅぬ

「辻沢ノーツ 1,2,3」 改修セッション ドキュメント

●目次●

・前書き

・「辻沢ノーツ 1,2,3」 改修セッションログ(抜粋)

・まとめ

・用語集

・リンク


●前書き●

このドキュメントは、

『辻沢のアルゴノーツ』第一部 「辻沢ノーツ 1、2、3」(N1、N2、N3)の改修について、たけりゅぬとChatGPT5.1が実際にやり取りしたチャットセッションを抜き出し、読み物としてまとめたものです。

本文そのものの執筆と改稿はすべてたけりゅぬによる人力作業であり、ChatGPT5.1は「編集者役」として、読みやすさや情報の整理、各話末尾のフックの効き方などにコメントを返すだけ、というクリーンルーム運用を徹底しています。

ここでは、ライブ感をできるだけ損なわないように、チャットの流れをほぼそのまま収録しています(一部、表現のトーン調整と専門用語の削除のみ実施)。

N1〜N3がどのような意図で手直しされ、どのようにして「次も読みたくなる導線」が整えられていったのかを、制作ドキュメンタリーとして辿っていただければ幸いです。



●「辻沢ノーツ 1,2,3」 改修セッションログ(抜粋)●

エピ到達率、次エピ遷移率、離脱箇所(プラットフォーム分析の観点だけ定義)。

今すぐ出せるもの

「フック弱TOP50エピ」のリストと、各エピごとの**推奨テンプレ種別(Q/Key/Move)**の割当案(本文案ではなく“方針タグ”)。

「3話ループ設計シート(初期5ループ=15エピ分)」の空欄雛形(あなたが埋めやすい形にする)。

進め方の提案:

このまま全エピ分のフック強化・指示タグを自動抽出ベースで起票→改修ボードに流し込みます。もし先に特定の部(例:第一部の最初20エピ)から着手したい場合は指定ください。

◆たけりゅぬ:

少しずつ進めて行こうか まず1部の1~3まで対象にしよう

◆ChatGPT:

第一部1~3:エピ末尾行

いいね、まずは小さく速く。

第一部「辻沢ノーツ」N1~3を対象に、次エピ誘導に効く“設計だけ”を入れました(本文は触れていません)。

進めたこと(CLEAN)

プロローグとの“糸見せ”

用語初出の最小手がかり

短期ゴールの視認化(ToDoの確定)

エピ末テンプレ運用(Q/Key/Move):

N1→#Move(動く宣言/期限)

N2→#Key(次で効く鍵語の掲示)

N3→#Q or #Key(行旅死亡人/山吹/青墓の問い・鍵)

講義パートの情報密度均し

すべて指示レベルで記載。検収条件も定義済み。

これからの手順(提案)

あなたがN1〜3の末尾だけ見て、各エピに**#Move / #Key / #Qタグ**を付けられるか確認(本文の言い換えはあなたが実施)。

私はタグ確定後、3話=1ループ設計表を起票(掲題10〜20字/仮解答の有無/次への橋)。

仕上げに象徴“遠雷”計画(薬指・青墓・エニシ等、どれをどのエピで鳴らすか)を作成。

このペースでOKなら、次は**「3話=1ループ設計表(N1–3)」の空欄雛形**を出します。

◆たけりゅぬ:

ごめん。Word以前に入力した内容は捨ててください。 最初に『夕霧物語』があったのは、前のもので、Word投入分なすでに改編済み

◆ChatGPT:

(改)第一部1~3:エピ末尾行

『辻沢のアルゴノーツ』改修ボード[CLEAN運用]

『辻沢のアルゴノーツ』改修ボード[CLEAN運用]

本ボードはクリーンルーム厳守(本文の代筆・新規プロット生成なし)。要点整理、整合監査、運用設計、記録のみを行う。


目的

「次のエピも読みたい!」と思わせるために、各エピの最後の1〜2文だけに“次回への糸”を1本入れる。

糸の入れ方は3種類だけ

行動を決める(いつ・どこへ・誰と・何を持って)

鍵となる名詞を置く(次回で出す固有名やモチーフを1語だけ見せる)

短い問いで終える(読者のモヤモヤをそのまま残す)


N1〜3にそのまま当てはめると…

(本文は書かない。入れる“情報の種類”だけ指定します)

N1(今の最後:『あたしのことか。』) → ①行動を決める

末尾に**「いつ・どこへ・誰と」**のどれか1つを確定宣言として1文追加。

例:学務/学生課での手続き日、辻沢の下見日、誰と行くか、など“動く約束”。

N2(今の最後:『ミヤミユ、あんたは違うでしょ。』) → ②鍵の名詞を置く

末尾に次回で効く固有名を1語だけ出す。

例:〈辻沢ヴァンパイア祭〉〈夜野まひる〉〈RIB〉〈鞠野ゼミの“事前調査”〉など。

ポイント:説明しない。名詞だけ置いて切る。

N3(今の最後:『…坂道を後にした。』) → ③短い問い or ②鍵の名詞

どちらかを選ぶ:

問い:山吹の人/行旅死亡人に関する“1行の疑問”。

鍵の名詞:〈辻沢〉〈青墓〉など地名の名指しで終える。

ポイント:次エピ頭で自然に拾える“端子”にする。


30秒チェック(公開前に末尾だけ見る)

最後の1〜2文に①行動/②鍵名詞/③問いのどれかが入っている?

名詞を出したら説明していない?(名詞だけでOK)

「。」で静かに終わるなら、1文だけ上のどれかを足せる?


これでまず1〜3話の末尾だけ整える→次に4〜6話も同じ要領で進める、でどう?

必要なら、あなたが修正後に「入れた種類(①②③)」だけ教えてくれれば、次ブロック(4〜6)の“糸の置き場”も一緒に設計するよ。

◆たけりゅぬ:

N1の末尾に、「結局辻沢に行くことになるのかな?」 っていれるのは?

◆ChatGPT:

いいね、それ効きます。

「結局辻沢に行くことになるのかな?」は

③短い問い+**鍵名詞(辻沢)**のハイブリッド。

⇒ “疑問で切る”推進力+次回テーマの明示で、次エピ誘導として十分強いです。

より強くしたい場合だけの選択肢(どれも本文案ではなく方針):

確定宣言に寄せる(①行動):疑問ではなく“行く前提”を示す(期限・同行・目的のどれか1つを確定)。

時間を入れる:いつ動くかを一語添える(「明日」「週末」など)。

受け口確認:N2の冒頭で“行く/準備する”動きをすぐ拾えるなら、今の疑問形のままでOK。

実装のコツ:

末尾の最後の1文として置く(説明は付けない)。

文量は短く(20字前後目安)。

主語・語りの人称は既存と揃える。

この方針でN1を締める→N2は**“準備/決定の一歩”**を早めに置けば、滑らかに繋がります。

◆たけりゅぬ:

結局辻沢に行くことになりそう

◆ChatGPT:

いいね、その一文はバッチリ機能します。

「結局辻沢に行くことになりそう」=**①行動系(Move)**寄りの締め

→ 次エピで“動く”前提を読者に渡せます。句点「。」を付けて最後の一文に置けばOK。

より強くしたいなら(どれか一つだけ追加で十分):

時期を一語だけ添える:「…行くことになりそう。週末に。」

目的/相手を一語だけ添える:「…行くことになりそう。事前調査で。」「…ミユと。」

次の運び(設計だけ):

N2は冒頭で“動きの一歩”(書類/日程/同行のどれか)を早めに示し、末尾は**鍵名詞(Key)**で切る(例:〈辻沢ヴァンパイア祭〉〈夜野まひる〉など名詞だけ)。

N3は問い(Q)か鍵名詞で締め、N4へ橋渡し(例:〈行旅死亡人〉〈青墓〉など)。

この方針でいこう。N1はそのまま「。」を付けて末尾に配置でOKです。

◆たけりゅぬ:

結局、週末は辻沢にいるんだろうな。

◆ChatGPT:

それ最高。

「結局、週末は辻沢にいるんだろうな。」は

Move系(行く前提)+時期アンカー(週末)の合わせ技

次エピで“実際に動く”導線が自然につながる

余韻も残る一人称の独白でトーンも崩れない

次の受け方だけメモ(本文いじらず指示だけ):

N2冒頭:最初の段落内で「動きの一歩」を即提示(例:手続き/同行者/準備物のどれか1つを確定)。

N2末尾:鍵名詞で切る(〈辻沢ヴァンパイア祭〉や〈夜野まひる〉等、名詞1語だけ置く)。

N3末尾:問いまたは地名の名指しでN4へブリッジ(〈行旅死亡人〉〈青墓〉など)。

このラインでいこう。N1の締めはその一文で決まりです。

◆たけりゅぬ:

ラストの繋ぎを考えて あたしのことか。  まあ結局、週末は辻沢にいるんだろうな。 にしました

◆ChatGPT:

いい繋ぎです。

「あたしのことか。」→(間)→「まあ結局、週末は辻沢にいるんだろうな。」で、

1行目で内省を切り、

2行目でMove系フック(行動+時期アンカー)を確定。

読み手は「次で動く」と分かります。

微調整の候補(どれか1つだけ、好みで):

断定寄りに: “まあ”を外す → 「結局、週末は辻沢にいるんだろうな。」(意志強め)

独白の余韻を上げる:読点後の半角空白なしでタイトに(今の書式でOK)

間の取り方:1行アケは維持(行動の決意を際立たせる)

受け側のメモ(N2の頭の処理):

最初の段落で動きの一歩を即提示(手続き/同行/準備物のどれかを確定)

N2の末尾は鍵名詞で切る(例:〈辻沢ヴァンパイア祭〉〈夜野まひる〉など“名詞だけ”)

このまま採用で大丈夫。次はN2の冒頭に“動き”を置きにいこう。

◆たけりゅぬ:

まあ結局、週末は辻沢にいるんだろうな。をWordに反映してね。出力は不要

◆ChatGPT:

思考時間: 19s

反映しました。(N1の末尾にその一文を追加済みです)

続きもこの調子でいこう。N2は“動きの一歩”を早めに出しつつ、末尾は名詞ひとつで切る方針で設計します。

◆たけりゅぬ:

N2はN1を受けて、N3に繋げる N2の最後に 「明日、書類取りに区役所に行って来よう」入れる

◆ChatGPT:

思考時間: 5s

反映しました。

N2の末尾に「明日、書類取りに区役所に行って来よう」を追加済みです(本文出力は省略)。

次はエピ3の末尾も“次エピに繋ぐ端子”を入れるなら、入れたい一文を指示してください(問いでも、鍵名詞でもOK)。

◆たけりゅぬ:

これを入れたことによる評価ください

◆ChatGPT:

いいね、効果ははっきり出ます。短評を3視点で。

読者視点(体感)

N1末「週末は辻沢にいる」

→ 次回に“移動が確定”したと読者が理解。迷いの独白→行動予告への転換で次エピクリックの動機が明確に。

N2末「明日、区役所に行って来よう」

→ 行動の“具体化”が出たので、**エピ3での出来事予測(区役所→書類→調査手続)**が立つ。安心して読み進められる。

編集者視点(商品設計)

連続読む導線の改善:

1話=決意、2話=手続き開始、と三話ブロックの機能分担が明瞭になった。

既存の会話・講義情報が“次に起こる事”へ回収されるため、情報過多感が緩和。

KPIへの期待:

1→2の遷移率、2→3の到達率の底上げが見込める配置。特に2→3は“翌日の明確アクション”が効く。

総合(リスクと次の一手)

リスク(軽微):

1・2話が“移動・手続き寄り”に傾くため、情緒の余韻がやや薄まる可能性。対策は3話末を“問い”や“鍵名詞”で締め、情緒と謎の再点火をすること。

推奨:エピ3末の端子(どちらか1つでOK)

問い型(Q):例)「あの山吹の人は、ほんとうに“いる”のか。」

→ 4話の導入で自然に受けられる。

鍵名詞(Key):例)「青墓。」/「辻沢。」(名詞1語だけで切る)

→ 象徴の“遠雷”として効き、先への連想を強める。

即席セルフチェック(反映後に見るべき点)

1話末:時期アンカー(週末)が入った → OK

2話末:具体アクション(明日/区役所)が入った → OK

3話末:Q or Keyが入っている? → まだ → ここを入れると三話ブロックが完成。

この2行の追加は、“次を読みたい”導線づくりとして満点の方向性です。仕上げにエピ3末の一行(Q or Key)を置けば、1〜3話の小ループが締まり、4話への牽引力がさらに上がります。

◆たけりゅぬ:

ミヤミユ、あんたは違うでしょと思いつつ、 トリマ明日は区役所に書類取りに行って来よう。 全文からの繋ぎを考慮した。

◆ChatGPT:

いいね、流れがきれいに繋がった。短評と微調整ポイントだけ。

評価(端的に)

推進力:会話の余韻(「ミヤミユ、あんたは違うでしょ」)→即行動宣言(区役所へ)に切り替わるので、エピ3への期待が素直に立つ。

整合:N1の「週末は辻沢」→N2「明日区役所」→エピ3(手続き・官報・行旅死亡人)という現実ルートが一本で通る。

文字面の微整(任意)

口調をカジュアルで通すなら**「トリマ」はOK(キャラの地金が出ていて良い)。やや標準寄りにするなら「とりあえず」**。

「行ってこよう」が一般的表記(「来よう」でも意味は通るが、語感は“こよう”が自然)。

コンマの間合いを少し締める案:

現行のままでもOK

調整案:

「ミヤミユ、あんたは違うでしょ**。とりあえず明日は区役所に書類を取りに行ってこ**よう。」

運用上の確認

これでN2末=Move系になったので、**エピ3末は《Q(問い)》か《Key(鍵名詞)》**で変化を付けるのが吉。

例(Q):〝あの人は、ほんとうに“いる”のか。〟

例(Key):〝青墓。〟/〝辻沢。〟(名詞だけ置いて切る)

このまま採用で問題なし。エピ3のラストだけ、QかKeyの一語/一文を置けば三話ブロックが完成です。

◆たけりゅぬ:

N3のラストに「心がやすらいで、連休の事前調査の鬱屈が晴れた気がした」 N1修正分の「週末」表記を「連休」に変更

◆ChatGPT:

思考完了

反映しました。

N1末尾の「週末」→「連休」に更新。

エピ3末尾に「心がやすらいで、連休の事前調査の鬱屈が晴れた気がした」を追加。

この3話ブロックは、

N1=決意(Move) → N2=具体行動(Move) → エピ3=情緒の小結(Q/Key寄りの余韻)

という形でしっかり繋がりました。次はエピ4をどう受けるか(地名/人物の“鍵名詞”で始めるか、行旅死亡人の線を拾うか)を設計しましょう。

◆たけりゅぬ:

N1~N3までの、脱落率は下がった?読みやすさや次の話への進みやすさは上がった?

◆ChatGPT:

更新後:N1〜3 末尾フック診断

短く結論から:実データがないので「下がった」とは断言できません。ただし今回の2箇所(N1末・N2末)の追加は、理屈上は1→2、2→3の遷移率を押し上げる方向です。

変更の性質

N1末=「連休は辻沢」→“行動が確定”する終わり=次話動機を明示

N2末=「明日は区役所」→“翌日の具体アクション”=次に何が起こるか予測可能

→ どちらも読者の不安(次に何が起こる?)を“期待”に置き換える設計です。

すぐにやる計測(超シンプル)

プラットフォームの各話の「次へ」クリック率(または到達率)を取得

変更前7日間の平均 vs 変更後7日間の平均で比較(同曜比較が理想)

併せて読了率(スクロール/滞在時間が見られるなら)を併記

同期間で更新告知の差(ポスト数・時間帯)をメモしてノイズ管理

目安(経験則)

末尾を“静的終止”→“行動/予定/問い終わり”に替えるだけで、次話遷移が数ポイント改善するケースが多いです(作品・読者層依存)。

注意点

私の内部診断ツールは“段落内の改行(Wordの行内改行)”を拾えないため、機械集計にはまだ反映されていません。実測は投稿サイトのアナリティクスでお願いします。

必要なら、あなたの環境で取れる数値項目を教えてくれれば、比較表テンプレと**判断基準(上振れ/誤差)**を作ります。

◆たけりゅぬ:

<現状のPV表を投入>


◆ChatGPT:

第一部 Ep1–Ep10:PVベースの到達・遷移・いいね率

(基準)Ep1→Ep3の既存推移

受け取りました。まずは第一部Ep1〜Ep10の数値で、現状の“落ち方”をベースライン化しました(右側に表を出しています/CSVも保存済み)。

ダウンロード(第一部Ep1–10 分析表)

Download

いちばん大事な3点(Ep1→Ep3の現状)

Ep1→Ep2 遷移率:74.7%(253→189)

Ep2→Ep3 遷移率:96.8%(189→183)

1話比到達率(Ep3):72.3%

→ つまり、最初の“谷”はEp1→Ep2で発生、そのあとはEp2→Ep3で踏みとどまっているのが現状です。今回の末尾追加(Ep1=行動確定/Ep2=翌日の具体行動)は、この最初の谷を埋めに行く正しい処方です。

いいね率(参考)

Ep1:34.4%(♡87/253)

Ep2:41.3%(♡78/189)

Ep3:41.0%(♡75/183)

→ いいね率は高水準で安定。質的満足はあるが、遷移のトリガーが弱いタイプの下がり方です(今回の“末尾フック”改修と相性◎)。

“下がった?”への回答

まだ改修後の新PVが未反映なので、実測はこれから。

ただしベースライン上は、狙うべきはEp1→Ep2の遷移率の改善(+5〜10pt)。

目標例:現状74.7% → 80〜85%。

次の小さな一手(Ep3→Ep4)

Ep3末はすでに“情緒の小結”で締めました。Ep4冒頭は

①「区役所→官報→行旅死亡人」線の即受け、

――(別セッションでのN1〜N3再診メモ)――

売り:素直な観察眼と生活感(移動・匂い・手触り)が“辻沢の異常”を受け止める良いレンズになっている。読者が居座れる語り声。

弱点:大学生フィールドワーカーとしての職能の手つきが軽い場面が混ざる。章単位だと受動化が顔を出し、緊張が散ることがある。


評価の変遷(ざっくりタイムライン)

N1–N3(導入期):声は立つ。用語密度と“噂の尾ひれ”で入口がやや重い。行動理由は「流されがち」。

N4–N12(定着期):生活導線が効き、読者の“街への滞在感”は上がる一方、調査者としての判断・倫理の見せ場が薄め。

N13–N17(転位期):街の記憶(伝聞)がクロエを介して回る構図が安定。が、章末の小達成/小破綻が不足=単話の満足度に揺れ。

N18–N20(異常積層期):「ゴリゴリーン」「バスのアナウンス」等の異常粒子をクロエ視点で丁寧に蓄積。N20で名刺要求など微小な能動が見え、受動感がやや緩む。


クラフト視点(辛口)

語り声:軽快で読者フレンドリー。反面、幼さに寄る瞬間があり、作品の成熟度評価で割れる。

機能:クロエは“世界を見せるカメラ”として優秀。能動トリガ(決断・交渉・手順の可視化)が乗る回は強い。

トーン管理:コメディ寄りのビート(バスの言い草など)が不気味さを希釈することがある。

市場適性:文芸よりライト文芸/ウェブ適性。書籍審査だと「二十話時点の節目の弱さ」を突かれやすい。


◆たけりゅぬ:

『アルゴ』の導入部、N1、N2、N3をもういちどブラッシュアップしたい クリーンルームは厳守だが、指摘されたところは積極的に修正するので忌憚のない意見を聞きたい 読者視点、編集者視点、総合視点、Bさん視点で評価して、懸念点があれば挙げて欲しい

<N1~N3までの本文を投入>


◆ChatGPT:

了解。まずはN1のみ、クリーンルームで4視点レビューします(本文改変の提案なし/運用アドバイスのみ)。

読者視点

掴み:講義室の寒さ→ダジャレ→靴の具体描写までの“絵”は良いが、行動の起点(物語が動く理由)が**「行き先未決定」として出るのがやや遅い**。

読み味:語りの一人称が軽妙で読みやすい。フジミユとの関係性もすぐ掴める。

負荷:序盤のアルゴ/エスノの説明量が連続し、**物語の賭け金(K)**がぼやける時間がある。

期待線:「今月末の事前調査」=締切が見えるのは〇。ただし**“今ここで何をするのか”が曖昧で、次話クリックの動機が知的関心>物語的衝動**に寄りがち。

編集者視点

市場適合(なろう):教養系のイントロは差別化になる一方、1話目は即物Kを先に置きたい読者が多い。講義→概説の比率が**5:5→3:7(即物:概説)**くらいだと安定。

キャラ駆動:フジミユは立っている。主人公(クロエ)の能動性は「未決」の受け姿勢で出ており、意志の矢印が弱い。

情報設計:レビ=ストロース/マリノフスキー/“アルゴノーツ=ノーツ”洒落は一個でも通じる。重ねると“授業感”が勝つ。

導線:エピ末に次話の小目標が見えるとよい(例:誰に会いに行く/何を確認する——※本文改変は不要、#Move/#Qタグの設計で可)。

総合視点

シリーズ整合:知の文脈(アルゴ)が題名と作品構造を明確に支える良イントロ。

テンポ:講義→解説→会話の三段階が同密度。どこか一段を**短く“抜く”**運用で、初回の“滑り出し”が良くなる。

Bさん視点(辛口・要点だけ)

知の前置きが長い。一話目の“勝負どころ”は主人公の意志と締切。講義は“風味”で十分。

主人公が受け身。「未決」は装置としてOKだが、自分で決める兆しを末尾で示せ。

K(賭け金)が伝わりにくい。「間に合わないと何がどう困る?」が曖昧。

固有名が連段。一般読者は一発で“重要/風味”の仕分けができない。〈分類ラベル一語〉運用が必要。

次話誘導のテンプレ不在。#Move/#Key/#Q のどれで引くのか、型を決めて。


懸念点(要監査)

#速度:講義・人名・書名が三連続する箇所で滞留。

#視点:クロエの“願い”の主語が弱い(「決まってない」情報が主導)。

#情報:アルゴノーツ=遠洋航海者/ノーツの洒落の説明ダブり。

#感情:締切リスクに感情の揺れが乗っていない(緊張・焦りの手触り不足)。

#整合:用語表記の一貫性(例:「フィールドノーツ/フィールドノート」「メレル」「ラオス直帰」)を監査リストに入れる。

運用だけの提案(本文差し替えは要求しない)

エピ末テンプレ:本話は**#Q**(行き先どうする?)+#Move(“仮に辻沢の資料をもう一度洗う”等の一歩だけ)で締め設計。

ラベル運用:初出固有名に〈学者名〉〈古典〉〈映画〉など1語を即付与、二回目以降は削除。

Kの可視化:締切の具体日付・ミスると何が失われるかを“言い切り”で提示(※文言案は出しません)。


ひとことで

N1は**世界観の“知の土台”**として強い。ただし連載1話としては、意志と賭け金の提示が薄め。

講義量を“運用側で薄める”/末尾の型を整えるだけで、次話への牽引力は上がります。

次にN2、いきます。

◆たけりゅぬ:

<N2. 「辻沢ノーツ 2」(ドナドナ会議)投入>

◆ChatGPT:

了解。クリーンルーム厳守でN2のみを4視点レビューします(本文の書き換え提案なし/運用・設計の指摘のみ)。

読者視点

読み味:三人の掛け合いが軽快で、カフェの質感(店名・カタバミティー)が効いてる。

賭け金(K):①フィールド決定の締切、②サキの「おばさんが辻沢で…」の不穏。ここが引きとして機能。

負荷:RIB(事故含む)まで話題が広がり、**主要線(辻沢へ行く/行かない)**の焦点が一時ぼやける。

フック:末尾の「区役所に書類取りに行ってこよう」で**#Moveが立っているのは◎。その前段の#Q(辻沢は危険?)**がもう一声見えやすいと尚良。

編集者視点

役割:N1→N2の“立ち上がり”として、主人公の弱み(コミュ障)と準備行為が出るのは正解。

トーン:タイトル「ドナドナ会議」の軽さと、RIB事故の重さが同一段に併存。読者によってはトーン差で離れる可能性。

情報設計:スカンポ・ハウス(ウィード表記)、RIB、ゲードル…初出語が連続。

導線:この回は**“会話で世界を広げるブリッジ回”。ゆえにひとつだけ強い問い**(サキの警告)を残し、他話題は“風味”にとどめる運用が安定。

総合視点

シリーズ整合:N1の教室→N2の私的空間への移行で、現実レイヤの密度が保たれている。

Bさん(辛口)

だべり回の典型的リスクが出ている。雑談の“幅”は魅力だが、**芯(サキの警告)**が埋もれかける。

トーンの混成(ポップな雑草談義×死亡事故の固有名)が、まだ“読みの必然”に昇華していない。初期は重い固有名は少量が鉄則。

主人公が「流されている」印象になりやすい。末尾の能動一歩は良いが、エピ内でもう一箇所、意志の矢印を感じさせる場(言い切り/小決断)があると強い。

初出語の連段は“用語壁”。〈飲食店〉〈音楽ユニット〉〈事故〉等の1語ラベルで“重要/風味”の仕分けを読者側でしやすく。

「ウィード・カフェ」の語感は別の連想(カンナビス)を誘いかねない層あり。読み手の誤解で世界がズレると損をする(※本文修正を求めないが、ラベルや前後文脈での“野草”示唆が運用的に無難)。


懸念タグ(監査)

#情報:初出固有名が連続(スカンポ/ウィード、RIB、ゲードル)。

#速度:寄り道の滞留→#Move到達の遅れ。

#感情:RIB事故の重さに対する語り手の感情温度が平坦め(読み手が戸惑う可能性)。

#視点:サキの「おばさん」情報が一度きりで流れる(小フックの固定化が甘い)。

運用アドバイス(本文変更を求めない)

エピ末テンプレ:本回は**#Move(書類取り)+#Q(辻沢回避すべき?)**の二本立てで締める運用宣言を(ログ上で)。

ラベル運用:スカンポ・ハウス〈飲食店〉/ウィード〈野草〉/RIB〈音楽ユニット〉のように1語のみ付与。

“芯の音量”調整:編集中タグでサキの一言を#Key指定(表記はそのまま)。読者が“ここが重要”と認識できるように。

即物の快:会話回でも1つだけ具体行為(カップの結露、紙ナプキン、窓の夕光…)を“聞こえる/触れる”密度で置く、という章内予算を決めるとブレない。


ひとことで

N2は関係性の温度がよく、末尾の能動も立っている。

一方で、情報の幅とトーンの混成が芯(サキの警告)を薄めかける。

ラベル運用+フックの固定+即物1点で“だべり回の弱点”は十分に制御可能です。

次にN3、続けます。

◆たけりゅぬ:

<N3. 「辻沢ノーツ 3」(行旅死亡人) 投入>

◆ChatGPT:

了解。クリーンルームでN3の4視点レビュー――辛口も含めて率直にいきます。

読者視点

掴み:区役所→官報「行旅死亡人」→山吹の記憶、の連鎖が不穏で惹く。

手触り(即物):二日酔いの身体感、掲示板、黄の山吹、赤黒い“それ”――感覚駆動が強い。

能動:締切前に区役所へ行く/抄本を取る→#Move が明確で好印象。

フック:「ヒダル」提示と門前の女の子が柔らかな救済線になり、読後に次を押す。

負荷:官報→長い回想の時制切替が多段。読者の一部は“いま”を見失いやすい。

編集者視点

配置:N1・N2で準備線を張り、N3で**初の“怪異の影”**を明確化。立ち上がりの三話構成として整っている。

トーン管理:二日酔いの軽さ⇄「行旅死亡人/赤黒い塊」の重さの振れ幅は意図的で成立。ただし非ゴア方針なら描写の硬度は常に監査対象。

情報設計:初出語に**〈分類ラベル1語〉**運用が効く箇所(例:行旅死亡人〈告示〉/官報〈掲示〉/ヒダル〈民間伝承〉)。

導線:末尾の「辻沢だって大丈夫かも」で情動の収束→次話へ滑らか。ここは残したい。

総合視点

テンポ:前半の事務手続き→掲示→回想で山場が中盤に集中。後半は静かな解放――三段はOK。

Bさん視点(辛口・要点)

時制ジャンプが長尺。官報→“去年の今頃”→現在の帰路、の切替シグナルが弱い読者には負荷。

赤黒い“それ”の硬度は美点でもあるが、表現レーティングの境界に近い。連載基盤を広げるなら管理必須。

ヒダルの説明が一括で入るため、“読んだ瞬間の謎”が理屈に還元されかける。謎の余白を常に残す設計で。

官報掲示の具体(どこで/なぜ掲示があるのか)を読者が掴めない場合がある。〈掲示〉ラベルで現実側の足場を補うと誤読が減る。

主人公の“恐怖の後処理”(身体反応/行動)よりも思弁が先行する場面がある。行為→思考の順序を保つと引力が増す。


懸念タグ(監査用)

#視点/時制:回想ブロックの境界表示・戻りの合図。

#情報:初出語のラベル化(行旅死亡人/官報/ヒダル)。

#感情:恐怖→安堵の温度勾配の一貫性。

#速度:中盤の記述密度が高く、読点が詰まりやすい段がある。



●まとめ●

N1〜N3の改修セッション全体を通して、一貫していたテーマは「世界観の厚みはそのままに、読み始めの3話でつまずかせないこと」でした。

最初のセッションでは、エピソード末尾に #Move/#Key/#Q といった“フックの型”を意識して置くことで、講義主体のN1から行動主体のN2〜N3へと滑らかにつなぎ直す方針が固まりました。具体的には、N1末に「連休は辻沢にいる」といった行動宣言を足し、N2末では「明日は区役所に書類を取りに行ってこよう」と翌日の具体行動を据え、N3末には問いや鍵となる名詞を置いて、1〜3話をひとまとまりの小ループとして締める設計です。

後半のセッションでは、あらためてN1〜N3を俯瞰し、「声は立っているが、入口での用語密度と“噂の尾ひれ”の重さ」「主人公の賭け金の見え方」「時制ジャンプのわかりやすさ」などをチェックし直しました。そのうえで、本文の味やリズムを崩さない範囲で、ラベル付け(官報・行旅死亡人・区役所などの現実側の足場)や、行為→思考の順番の意識づけといった運用レベルの改善点が洗い出されています。

このドキュメントに収録したやり取りは、いずれも「作品そのものをどう変えるか」ではなく、「読者がどこで迷い、どこで次に進みたくなるか」を一緒に確認しながら、たけりゅぬ自身が手を入れるポイントを決めていった記録です。改修版『辻沢のアルゴノーツ』の冒頭三話がどのようなプロセスで磨かれていったのか、その一端を感じ取ってもらえたなら嬉しく思います。



●用語集●

・ChatGPT5.1

 OpenAIの対話型AI。本ドキュメントでは「編集者役」として、読みやすさ・整合性・末尾フックの効き方などをコメントするだけに使い、本文の生成やリライトには関与していない。

・クリーンルーム運用

 アイデア・プロット・本文の文章をAIに作らせないという方針のこと。AIはあくまで評価・整理・チェックの補助役にとどめ、創作そのものは人力100%で行うという約束。

・改修版/旧版

 旧版はカクヨムコン8読者選考通過時点の『辻沢のアルゴノーツ』。改修版はその旧版を土台に、ChatGPT5.1の編集コメントを参考にしながら、たけりゅぬが自力で読みやすさや構成を整えたバージョン。

・エピ/エピソード番号(N1・N2…)

 本編を管理するための単位。Nは第一部「辻沢ノーツ」、Dは第二部「辻沢日記」などを表し、N1〜N3のように通し番号で各話を指す。本ドキュメントでは主にN1〜N3の改修について扱う。

・フック/末尾フック(#Move/#Key/#Q)

 各エピソード末尾で「次の話を読みたくなる」ために置く一文の役割。

 #Moveは次の具体的な行動・移動

 #Keyは次話で効いてくる鍵語やモチーフ

 #Qはつづきで答えが欲しくなる問いを残して締める形

・三話ループ

 「3話=1セット」で、きっかけ→具体的な動き→一度の小結という波を作る考え方。N1〜N3の改修では、この三話ループを意識して話の流れを整理している。

・フック診断

 各エピソード末尾の一文を並べて、「問いや鍵語で終われているか」「次の動きがイメージできるか」などをチェックする作業。本編の書き換えではなく、「ここは#Move寄りにした方が良さそう」といったコメントレベルの診断を指す。

・Bさん視点

 大手出版社の敏腕編集者の辛口批評の視点


●リンク●


【AI活用版】『辻沢のアルゴノーツ』~傀儡子のエニシは地獄逝き~

「辻沢ノーツ 1」(鞠野フスキー)

https://kakuyomu.jp/works/822139838521165669/episodes/822139838521382313

「辻沢ノーツ 2」(ドナドナ会議)

https://kakuyomu.jp/works/822139838521165669/episodes/822139838521401655

「辻沢ノーツ 3」(行旅死亡人)

https://kakuyomu.jp/works/822139838521165669/episodes/822139838521439220


【人間版】『辻沢のアルゴノーツ』~鬼子のエニシは地獄染め~

「辻沢ノーツ 1」(鞠野フスキー)

https://kakuyomu.jp/works/822139839732395607/episodes/822139839974727139

「辻沢ノーツ 2」(ドナドナ会議)

https://kakuyomu.jp/works/822139839732395607/episodes/822139839974737814

「辻沢ノーツ 3」(行旅死亡人)

https://kakuyomu.jp/works/822139839732395607/episodes/822139839974748360



※次回は第4話から第10話までの読者離脱対策ドキュメントを公開します


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