#25

今回短めです、すみません


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「なあアイザ。俺達から少し話があるんだ」


 その次の日、俺はみんなにこう言った。


「アイザに俺達の……いやリンの話をしよう。なんで俺達がアイザを仲間にしたのかを、なんで俺達がここまで仲間を大切にしたいのかを伝えるにはリンの話をするべきだと思うんだ」

「僕もリクに賛成だね。リーダーとして仲間を大切に思う気持ちはずっとあるけどリンの事がなければここまで強い気持ちを抱くことはなかったはずだよ。みんなだってそうだろ?」

 シュンの言葉にみんなは強く頷いた。


 俺達がここまで仲間を大切にしているのはリンの事があったから、それを再確認できた瞬間だった。


「急に何かしら? 遂に私を追い出す準備ができたの?」

「なんでそうなるんだ」

 俺は小さくため息をついた。

「だって私は無愛想で、性格が悪くて、パーティメンバーと仲良くする気はないし、私と関わった人はみんな不幸になるの。誰だってそんな人と一緒にいたくないでしょ!」


 俺はため息をもう一度つく。

 なんだこのめんどくさいけど、可愛い少女。


 アイザは泣いていた。

 自分で自分の事を酷評して、泣いているだなんて息苦しいだろ。


「あのなあ、もう一回言うけど俺達のパーティは全員がアイザを仲間だと思っているんだ。仲間と一緒にいたくないやつなんてこの世にはいない。もしいたとしたらそいつは仲間を仲間だと思っていないクズだ」

「私は信じないわ。だって私は私がパーティにいたら一緒にいたくないもん!」


 アイザの根底にあるのはそれか。

 自分は不幸を呼ぶから親しい人を作らないために自分の嫌いな自分を演じる。

 きっと彼女はそんな自分が嫌いなんだと思う。

 だからそうやって自己肯定感が下がっていくんだ。


「まずは俺達の話を聞いてほしいんだ。俺達がなんでそこまで仲間を大切に思っているのか、大事な話だ」


 そう前置きして俺はパーティ結成からリンが死んで、そしてアイザがパーティに加わるまでの話をゆっくりと語った。

 アイザは途中で少し涙を見せていた。

 やっぱり彼女はとても優しい人なんだろう。


「そう、あなた達の考えの根底にあるものは分かったわ。私も仲間を全員失った、その気持ちは痛いほど分かるわ。仲間は大切。ええ、そうよね」

「分かってくれたのなら、俺達も仲間だと認めてくれないか?」

「それは……ごめんなさいやっぱり無理よ。私は疫病神だから」


 それからアイザは少しだけ変わった。

 今までは全く関わる気の無さそうな感じだったアイザが自分から俺達にアドバイスをくれたりするようになった。


「ハヤト、戦士ならもっと前に出て。それだとシュンが危ない」

「マユは魔術陣を見る時間が長すぎる。練習では見ないで描けるくらい徹底的にやったでしょ? 実践でも同じ調子よ」

「リクは少し頑張りすぎ、それだと体力消費のバランスが崩れてる」


 アイザは俺達よりも先輩の冒険者なので、どのアドバイスもとても参考になるものだった。

 この変化にシュンもにっこりと喜んでいた。

 やっとアイザが仲間らしくなったと。


「ハヤトは防具をしっかりと揃えた方がよさそうね」

「アイザ。俺達は戦士用の重装備を買えるほど余裕がないんだ」

「そうね。そう言えばあなた達は底辺パーティだったかしら」

「何々、俺達の悪口か?」

「いや、底辺の駆け出しパーティの割には実力が高いから勘違いしてだけよ」


 褒められたのか……?

 まあいい、取り敢えずこんな調子でアイザは少しずつ変わったんだ。

 それは俺達にとって本当にいい変化だった。

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