第18話 初ダンジョン


 初めての依頼から数日経ち、俺も冒険者として少しだけ慣れてきた。あれから毎日1件以上依頼を受け続けておりいつの間にかDランク冒険者に上がっていた。


 ちなみにステータスもこの通り▽


……………………………………………………………


『ソウジ サナダ』 Lv:6→10  


種族:ヒト族

年齢:17

職業:冒険者 ランクD

称号:女神のうっかりの産物

  ∶霊能力者

  ∶筆使い

加護∶特になし

魔法:なし


HP:3500→5000(+0)

MP∶1010000→1025000(+0)

気力∶2800→3000(+0)

魔力(霊力):16000→18000(+0)

筋力:1650→1800(+0)

耐久:2200→2300(+50)

敏捷:2000→2100(+20)

運 ∶100(+0)

スタミナ∶1300→1350(+0)



技能:固有スキル『書道神級』

        『霊との対話』Lv.8

        『除霊』Lv.8

∶コモンスキル『剣術、槍術、体術等……』Lv.3

         『言語理解』Lv.1


……………………………………………………………


 うんうん、ちゃんと上がってるね!

 さて今日はなんの依頼にしようかな〜


 俺は依頼書ボードを見に行く。


「よ〜また会ったな!」

 あ!ハゲが居た。いや失礼か坊主だな坊主……


「どうもオーバンさん」


「やっと調査が終わったぜ〜」

 どうやら八本角の調査を今までやっていたようだ。

「それでどうでしたか?」

「は〜残念ながら四本角すら見つからなかったわ」

「そうですか………」


 残念そうに肩を落とすオーバンさん。

 冒険者としては貴重な素材をゲットしてお金がザックザクなんてことを狙っていたのだろう。



 そんなオーバンさんがなぜか俺を凝視してアゴに手を当てながら考えるはじめる。


「お前今暇か?」

 なんか嫌な予感がする。

「いえ、忙しいです」


「…………ま〜そう言うな!ちょっと来い」

 またしても首根っこ掴まれ連行される。



……………▽


「またキャンベルさんに叱られますよ!」


「良いんだよ!気にしなくて、それより俺達とダンジョンに潜らないか!」


 な!?なんだって‼

 ダンジョン……冒険者になった以上いつか行きたいと思っていたが、ここのダンジョンは他の町と比べてランクが高く今の俺では入れなかった。


「でも、俺、Dランクですよ」

「問題ね〜よ!俺達と一緒なら入れる」


「う〜ん…………でもどうして俺を?」

「お前強いんだろ!ジャンから聞いたぜ。詳しくは教えてくれなかったが、変わった技を使うらしいな。俺達はAランクパーティーを目指している。今回ダンジョンの10階層に居るボスを倒すことが出来ればランクアップの可能性が高いんだ!協力してくれ」


「………分かりました。今日すぐじゃないんですよね。ちょっと許可貰ってきます」


 それから家に帰りリルにダンジョンに潜ることを説明、許可を得ることが出来た。勝手な行動はダメ!報連相が大事なんだよ。



………………▽


 ダンジョンに行く当日。

 今回はポーション等の回復薬を購入、前回自分の術は、自分に使えないことがわかったので、今回は特に必須である。



「蒼字(そうじ)さんワクワクしますね!」


 え!?………リルが居るの?


「どうしたリル?今日は商売の方は良いのか?」


「はい、今日は気合を入れて素材集めしますよ〜」


 はぁ?どう言うこと。


「オーバンさ〜ん」


「あ?どうした蒼字(そうじ)……お!リルちゃんも来たか、今日からしばらくヨロシクな!」


「はい!オーバンさん宜しくお願いします」


 ???どう言う事〜

 俺は混乱していた。


「どうしたんですか?………な〜んて黙っててすいません。実は前々からオーバンさんにはダンジョンに行く際に誘って頂くようお願いしていまして、今回、蒼字(そうじ)さんが行くって話を聞いたんで、是非ともお願いしたんです」


 話を詳しく聞くとリルの父親ライドンさんはオーバンさんの親友、昔からよく素材集めにも同行したらしい、その時リルも一緒だったこともあり今回はそのつてで話が通ったようだ。


「なんだよ、それなら言ってくれればいいのに〜」

「だって蒼字(そうじ)さん反対しそうでしたし、びっくりさせようかと思いまして、大成功です!!」


 はぁ〜とため息が出たものの元気なリルを見たら、ま〜良いかと思ってしまう。


 今回行くダンジョンには2日ほどかかるとのことで、道中魔物と遭遇するがオーバンさん達があっさりと処理してしまい。俺達がやることがなかった。


「すごいな〜連携が取れている。熟練者って感じだ」

「長くやってるからそれなりにはできますよ」


 隣には魔法使いの女性と軽装で露出度高めの少女がいた。この二人についてはすでに自己紹介済みである。魔法使いの女性はオーバンさんの奥さんのリーザさん、軽装の少女はオーバンさんの娘さんのリッシュさんそしてオーバンさんのパーティーのハゲーズは兄弟や親戚で構成されている。おいおい家族総出かよ!


「それで、お前さっきからぼーっとしてるけど戦闘には参加しないのか?」

 

 リッシュさんは俺が戦闘に参加しないことに不満でもあるのだろうか?


「コラ、リッシュ言い方が悪いわよ!失礼じゃないの」

「でもさ〜イレギュラーを倒した割には弱そうだし、気になって仕方ないんだよ〜」


 よ、弱そう……前もそんなこと言われた気が。

 俺はガックリと肩を落とす。


「リッシュ、蒼字(そうじ)さんは強いよ!言いがかりみたいなこと言っちゃダメだよ〜」


「ちょっ、リル怒んなって、悪かったよ」

 リルに怒られ動揺するリッシュ。


 リッシュはリルより5つ程年上らしいが、リッシュは基本タメ口じゃないと気持ち悪いと遠慮せず言ってこいタイプ、同時に言いたいことはズケズケ言うみたい。


「よ〜し分かった。今度は俺が戦うよ!」

 この一言に納得したリッシュはオーバンさんを説得、次の戦いは俺一人でやることになる。



…………▽

 「う〜んなんでこんな時に限って」


 俺の目の前にはどデカいオーク、多分上位種のハイオークだな。普通に威圧感が半端ない。元の世界だったら速攻で逃げるわ〜。


「お〜いさっきはあ〜あ言ったけど無理はすんなよ。いつでも助けに行くからな〜」

 少し離れた位置からリッシュが声をかける。


「へーい!頑張りまーす」

 俺は手を振りながら歩く。


 ハイオークは俺目掛けて棍棒を振り下ろす。


 …………うん、やっぱり大した事ないな。


 棍棒を素手で止めた。

 レベルが上がったおかげで随分と腕力が上がったみたいだね!


 俺は蹴り飛ばし吹き飛んだところをトドメの一撃。

 ハイオークは消滅した。


「やるじゃん!おまえ、これなら今度こそ10階層のボスを倒せるぜ!よ〜しやってやる」

 

 リッシュにはなんとか認めてもらえたようだ。



 オーバンさん達は以前にもボスに挑んだことがあるのだが、その時はボスの魔物に圧倒され逃げ帰ったそうで悔しい思いをしたらしく。あれからレベルを上げ再挑戦しようとしていた所に丁度良い人材を発見、リッシュを含めオーバンさん達の期待は重い。

 

 取り敢えず!

 期待されてるんで頑張ります \(>o<)ノ

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