Blue Murderer~青の傭兵~

なぎゃなぎ

1話~心無き殺人鬼~

キャラクター名鑑

クレイ・レノン


赤竜により滅ぼされた"最北の国"ノースフェルンの生き残り。

青竜の亜人だが、人間の血の方が多い。

ノースフェルンが滅ぼされたのは幼少の時でそれ以来ずっと戦場で生きてきた生粋の傭兵。

竜の力を酷使し、無敵の強さを誇る。


―――――――


ガチャ


クレイはアルマロイド国の片田舎にある村――ヴェドの村にある冒険酒場の扉を開けた。


店内はタバコとアルコールの匂いが充満しており、不快にさせる。

クレイは酒を始めとする嗜好品に興味がない。


物心が付いた時からひたすら戦場で人を殺す事ばかりを考えきた彼に取って、"生きる"以外の物事は全て小事であり、どうでも良い事なのだ。


店に入るクレイに気付いた1人の冒険者が下品な笑いを浮かべた。


「お? 最強の傭兵クレイ様じゃねぇか!」


クレイは男を無視して、カウンターに腰かけた。

どの戦場でも、どんな依頼でも全てほぼ完ぺきにこなしていて、世界的にも有名になっている。


傭兵界隈で有名になると扱いは特別になる。

格段に美味い仕事や… 命惜しさに名前だけで勝負がついてしまう事もある。


その僻みのせいか、こういう輩にはもう慣れを通り越して辟易していた。



「マスター… 何か仕事は無いか?」


「あ… ああ、ある事はあるが、簡単なのが良いか?」


この酒場のマスターも自分が甘い汁をすすっていると思っているのだろう。


クレイは深くため息を付く。

「気にしないで良い。」


「おいおい… 流石は最強の傭兵様は偉そうだな、クレイさんよぉ?」

先ほど無視した冒険者が剣を抜いてクレイに近づいてくる。


「剣を抜くと言うと事は殺される覚悟はしているんだろうな?」

クレイは振り向かずに答える。


「はぁ、傭兵様なんかに殺されねぇよ!」

言うと、冒険者がクレイに襲い掛かる!


ズバァ!


――が、次の瞬間、首と胴が分かれていたのは冒険者の方だった。


クレイは振り向きざまに背中に背負っていたグレードソードを抜き、そのまま冒険者を切り捨てた。


手際の良さに店内は騒然とする――


パチン


クレイはグレートソードを背中の鞘に納めると、肉片となった冒険者を漁り、金を取り上げる。

そのまま何事も無かったかのようにカウンターの椅子に座った。


ゴトッ


「店を汚した。 この金で掃除をしてくれ。」


冒険者の財布ごとマスターに渡すとクレイは依頼の話を続けた――

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