第2話
今は春だ。ついに小学生1年生になった。
ようやくチームに入れる年齢になりサッカーが
本格的に始められるようになる。
三歳の時に買ってもらったボールは、今でも宝物だ。毎日蹴り続けたせいで今ではボールがボロボロだけど、大切なので部屋に飾ってある。
そして今日、俺は近所のクラブチームの体験練習に来ていた。
グラウンドに着くと、ユニフォーム姿の先輩達が走りまわりボールを蹴る姿が目に飛び込んできてその光景に胸がドキドキする。
やっと…やっとサッカーできるんだ。
「こんにちはー!体験に来た1年生の子かな?」
コーチらしき男性が声をかけてきた。
「はい!おれ、朝倉陽斗って言います!」
ちょっと緊張しながら、大きな声で返事をする。
「元気だな。じゃあまずは一緒にボール蹴ってみようか」
そう言ってコーチがボールをパスしてくる。
俺は小さな足でそれを受け、蹴り返した。
コーチが「おっ、うまいじゃあないか」と褒めてくれる。多分お世辞だろうが素直に嬉しくなる。
「陽斗くん、入団希望でいい?」
「はい!」
そこからの体験は想像以上に本格的だった。
準備運動、ドリブル練習、パス練習。
全部が楽しくて仕方ない。
こういうのを俺はずっとやりたかったんだ。
練習しているとコーチが横から声をかけてくる。
「陽斗くん、本当に一年生? ボールの扱い慣れてるね」
「小さい頃から、幼馴染と蹴ってました!」
「そうか、それでか!」
3歳の時に買ってもらったボールを、毎日蹴り続けてきた成果だ。
練習の終わりが近づいた頃、コーチが声を張った。
「じゃあ最後に、一、二年生でミニゲームをやってみようか!」
どうやらミニゲームをするらしい。
やっと試合ができるということで俺は、少し緊張してしまう。
「陽斗は…FWやってみるか?」
「は、はい!やります!」
緊張と興奮が入り混じり、思わず背筋が伸びた。
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ミニゲームの前に、とりあえず今のステータスを確認する。
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基礎能力
スピード: G (4)
スタミナ: G (3)
テクニック: G (4)
キック力: G (3)
判断力: G (3)
メンタル:G (6)
ポイント:5
スキル: [ボール愛Lv1] [怪我しにくさ〇]
[回復Lv△]
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試合などしていないからかステータスがそこまで伸びていない。
俺の予想だと、試合とかしたら伸びるんじゃないかなと思っている。
「1年と2年を2人ずつで、別れて4対4でやるぞー」
陽斗は、自分のポジションにつく。
そしてキックオフの笛が鳴り、試合が始まった。
相手が攻めてくる。
それを味方の二年生が相手の横パスを読み、スッと足を伸ばしてボールをカットする。
(すごっ!カットした!)
お兄さんがカットしたボールがちょうど俺がいる位置にコロコロと転がってくる。
「一年生!前っ!」
声と同時に、ボールが足元にきた。
(きた!)
右足でトラップしようとしたら、視界の端から相手が猛スピードで迫ってくるのがみえる。
「うおっ!?」
相手のディフェンスのが全力で突っ込んでくる。
本能的に足の外側でボールを左に軽く弾くと、
相手の足が俺の横をスカッと空振りした。
よし、よけた!
そのまま前へドリブルし、ゴールの目の前まで走る。
「いけー!はるとー!!」
体験に着いてきていた陽菜の声が聞こえてきた。
(よし、右だ!)
右足を引いて、狙いを絞り足を踏み込み、地面を蹴り出すように足を振りぬいた。
威力はないが狙ったところに真っ直ぐ飛んでいく。
キーパーがそれに反応して横へ飛ぶ。
ボールは、指先をかすめたが、白いゴールラインを超えネットに吸い込まれそのまま揺らした。
「ゴォォーール!」
コーチの声がグラウンドに響いた。
「やったぁぁ!はるとーーー!」
陽菜が飛び跳ねながら喜んでくれている。
入った……。
初めてのシュートが、初めてのゴールとなった。
目が熱くなって、涙が出そうになる。
今俺は、サッカーしてるんだな…
コーチが笑顔で頭をわしゃわしゃ撫でてきた。
「すごいぞ陽斗!一年であれはなかなかできないぞ!」
「は、はい!」
初めての試合で初めて得点した。
試合が終わった後、コートの隅に座る。
そしてステータスをみた。
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スピード: G (3) → (4)
スタミナ: G (3) → (4)
テクニック: G (2) → (3)
キック力: G (2) → (3)
判断力: G (3) → (4)
ポイント:+5
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やっぱり、試合するとめっちゃ伸びてる。
ステータスがあると成長を実感出来るとやる気がさらに出る。
「陽斗ー!」
コーチがこちらに駆け寄ってきた。
「初試合で初ゴールは凄いぞ。動きもよかったぞ」
「ありがとうございます」
「もしよかったら、本格的にうちのチームでやってみないか?」
「もちろんやります!」
迷わず即答で答えた。
すると、コーチは笑って胸のポーチから書類を出した
「じゃあ来週から正式入団だ。チームのみんなも楽しみにしてるぞ!」
その言葉を聞くだけで、胸の奥がじんわり熱くなる。
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夕方5時
帰り道で、陽菜が興奮しながら俺の腕を引っ張りながら歩いていた。
「はると、今日本当に凄かったよ!なんか、走ってる時きらきらしてた!」
「そ、そんな大袈裟だって」
「大袈裟じゃあないよ!私、声枯れるくらい応援したもん」
確かにちょっと声かすれてる気がする。
「ねぇ、はると。いつか大会とか出るの?」
「出たいよ。もっともっと上手くなってね!」
俺の言葉に陽菜は嬉しそうに笑う。
「じゃあさ、その時は絶対応援いくから!だって私は、はるとの一番のファンだもん」
一番のファンか…その言葉が嬉しくてもっと練習して試合に出られるように上手くならないとと思わされた。
「じゃあ、頑張らないとな」
「うん!」
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