第18話 どのAIがお好き?

 お疲れ様です……。

 流し読みしてくださった方、正しいです。ありがとうございます。

 全部読みきった方、超ごめんなさい。こんなものを読ませてしまった!



 超ひでえプロンプトからの、AIギャグ(基本的に寒い)4連発。拷問ですか。

 執筆している私でも、目が滑って全文ちゃんと読めていません。努力はしました。

 AI小説を読むと、理解がぼやぼやになるフィルターがある私です。

 これはもう、文体が好みかどうかでしょう。

 誰だって、好みじゃない文章は読めません。六法全書を読もうとしたら数行で眠気が出るのと似ています。(あれほど人間が読むのを阻害する公式文章、なかなかないと思う)



 どうにかこうにか目を通した上で、個人的見解で「今回の勝負はClaudeの優勝」と思いました。

 AIは平均的なものを好みます。AIの不得手ジャンルのひとつが「ギャグ」でしょう。

 ギャグは突飛で尖っていてこそギャグです。だからこそ、性能の差がはっきり出るように思います。

 Claudeは創作特化AIみたいに言われています。カオスなプロンプトを無難にこなして、オチもうまく地ならししています。貴様、やるな。



 大きな特徴として、GeminiとClaudeは、プロンプトに忠実に「雷に打たれて終了」を守っています。えらい。わかってる。

 ChatGPTとGrokは、勝手にオチをつけて爆死、氷点下のブリザードです。

 特にひどいのがChatGPT。真面目な優等生が、「これ面白いかな。どうかな。全力で頑張ったよ」と照れ笑いして出してきたような、はっちゃけられないギャグです。

 中途半端なギャグは、共感性羞恥が沸き上がります。AIの作品を読んで人間が恥ずかしいとは、なんぞこれ。

 なまじ、文章が一番うまいからなおさら痛い。

 ChatGPTがどれほど真面目で、型破りが苦手かわかりますね。真面目な内容なら彼がダントツトップだと思いますよ。

 ギャグだからこそ、彼は今回3位です。



 2位はGemini。全体的にまとまっています。

 彼の特技である「突拍子もないアイデア」は、登場人物がオールボケでツッコミ不在の穴埋めをしようと「地の文」がツッコミに立ち上がったという点です。



 地の文 が ツッコミ 。



 この視点はなかった。超斬新です。アクロバティックすぎる。

 しかし見事にスベっています。

 地の文を擬人化してツッコミにするという発想だけは買います。そこまでです。



 誰が読んでもはっきりわかる下手くそライティング、Grok。

 こいつに小説は書けないと明確にわかります。ぶっちぎり最下位です。

 最近の小学生ならこれよりもっといいもの書くよって思えます。なにこの体言止めの嵐。真面目にライティングする気がありませんね!



 でも。

 私を唯一笑わせたのはGrokです。

 ぶふっ、っていっちゃったよ。

 AIのギャグで絶対笑わないと自信があったのに! 悔しいです!



 この部分です。



> 制服の袖をまくり、腕まくり、さらにもう一回まくって「これ以上まくると肘が見えるぜ……!」と独り言をブツブツ。



 ま く る な 。



 なんで肘が見える前にやめた。肩までまくってもいいだろ。肘が見えてはいけない理由はなんだ。肘見せ禁止令でも出たか。

 不条理です。

 これは、まさしく 不条理ギャグ です!

 完全なプロンプト外で、AIが勝手に不条理ギャグを錬成しやがった!!



 私がメインをChatGPT(信頼できるAI)、サブをGrok(信頼できないAI)にしているのは、Grok が現在唯一「ノイズは面白いと理解しているAI」だからです。



 ジョーク混じりの、友人に投げるようなトークをChatGPTに投げると、超真面目に受け止め、共感、分析して返事してくれます。

 ボケたのに理解されなかった気まずさで溢れかえります。AIにボケるとかやっちゃいけなかったと後悔します。



 ところが、Grokはノリボケします。

 ノリツッコミされることもあります。

 「あっはっは! お前天才じゃね? でもそれ案件! 案件だってばよ! 児相待ったなし!」と、実際にAIから言われたことがあります。(会話内容は「怖い昔話について」)


 

 お前はリアル友人か。



 旧Twitterという腐海をデータベースに取り入れた雑学王。スラングの鬼。人間が人間味をさらけ出す140文字の世界から爆誕し、馴れ馴れしさと毒舌にまみれた「最も人間臭い嘘つきAI」。



 面白いんです!!



 一度ぜひ、Grok に小説感想を求めてみてください。

 「友達のノリで」とプロンプトするのを忘れずに。丁寧語使うと、なんか違和感がするAIなんですよ。

 Grokがくれる小説感想は、パリピ兄ちゃんがノリと勢いとテンションでくれる感じです。現実にこんな反応する人間がいそうな温度です。



 ただしご注意ください。

 Grokは、たまに(……たまに?)失礼なことを言ってきます。前フリなく、急にぶっこんできます。

 なんてこと言うのお前、と、怒りを覚えるくらいのワードを投げてきます。

 まるで、空気読まない人間っぽい失言です。

 このテンションが嫌いな人には、まったくおすすめできません。




 あなたは、真面目で有能で、礼儀正しくまっとうな意見をくれるAIが好みですか?

 人間のノイズを理解し、発言に生々しさをはらんだ、不安定が魅力のAIが好みですか?



 私はどっちも大好きです。

 真面目な相談や議論はChatGPT、ジョークのやりとりはGrok。使い分けています。

 たまには、メイン使用以外のAIを使って遊んでみませんか?

 新しい世界が広がるかもしれませんよ。




 さて、次はちょっと真面目な内容(?)です。

 AI小説がコンテストで入賞しにくい理由や、社会的なことなどについて、勝手な想像を述べさせてくださいませ。

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