異文化理解したいのに、なぜか全員が多様性の地雷を踏み抜き、私の胃だけが死んでいく件
めるのすけ
第一章:食文化という多様性(ほのぼの編)
第1話:イタリアン1
私:
えー「多様性の実験場」として立ち上げることになった当部署ですが、今日から第一陣のメンバーが着任します。国際部門からの紹介でーーイタリア出身の方と、中東出身の方ですね。
男性社員:
お、海外勢ですか。楽しみっすね。
女性社員:
イタリア!料理とかすごく美味しい国ですよね、私好きです!
イタリア:
Ciao!皆さんこんにちは。そして美しいレディ、僕たちの料理を愛してくれてありがとう。
ムスリム:
アッサラーム・アライクム。今日から、どうぞ宜しくお願いしマス。
女性社員:
やだ、国際的!あの、私"ナポリタン"が大好きでーー
イタリア:
……は?
男性社員:
(小声)それ日本オリジナルの洋食だから…
女性社員:
え、そうなの?"ナポリ"ってイタリアの地名だよね…?
イタリア:
うん、ナポリはイタリアの都市だ。だが、"ナポリタン"は僕らの料理じゃないんだ。イタリアを愛してくれるのは嬉しいけど…その誤解だけは訂正させてくれ。
女性社員:
え、知らなかった……
イタリア:
僕らにとって、料理は"文化そのもの"だからね。知らないうちに別物で上書きされてしまうのは…レディが相手でも、ちょっとだけ胸が痛むよ…
女性社員:
ご、ごめんなさい!?そんなに繊細な話題だったなんて。
ムスリム:
ジャパニーズの料理アレンジ…とても自由デスネ?
私:
あ、あああ……初日から文化摩擦…どうしろと(´・ω・)
・ナポリタン
ナポリタンとは日本発祥の洋食であり、ナポリの地名を冠しているにも関わらず、イタリアとは何の関係も無い。類似の名を持つイタリア料理のスパゲッティ・アッラ・ナポレターナとも別物である。イタリア人は食文化に強い誇りを持っているので、うかつな発言には気を付けよう。
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