僕は生成AIをこう使っている──
桃神かぐら
第1話 僕は生成AIをこう使っている──
「AIダメ論」に流されず、創作の自由を守るために
最近、「生成AIは良くない」「AIで本文を書くのはダメ」といった意見を見かけることがあります。
でも、僕は少し違う考えを持っています。
今日は、僕がどういう理由でAIを使っているのか、
なぜ“AI=悪”という単純な話にならないのか、
そして僕自身の創作との向き合い方を、正直に書いてみたいと思います。
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■1. 僕には“言葉が出づらい”という特性がある
僕は、構音障害があります。
• 言いたい言葉が出てこなかったり
• 単語が浮かばなかったり
• 頭では理解していても文章にできなかったり
創作においても、この「言語化のハードル」が常に付きまといます。
普通の人が“1分で書ける言葉”が、
僕には“30分かかっても出てこない”ことがある。
でも、物語を作りたい気持ちは人一倍強い。
だから僕は、AIを使っています。
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■2. AIは「代筆」ではなく、僕の言葉を“取りこぼさないための補助具”
よく「AIで本文を書くのはズルだ」と言われることがあります。
でも、僕の場合は全く違います。
AIに頼んでいるのは、
• 言葉が出てこない時の補助
• 心の輪郭の言語化
• 表現の候補だし
• 世界観の整理
• 感情の繋ぎの補助
• 長文の構築
こういう “文章化のサポート” の部分です。
そして創作における
世界観・キャラ・主題・展開・意図・感情の中心は、
全て僕の中にあります。
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■3. 実際のやり取りは、とても“共同作業的”です
少し、実際の会話をそのまま書いてみます。
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僕
「幽霊って“Phantom”以外に何か言い方あったよね?
思い出せそうで思い出せないんだ。」
AI
「ありますよ。
Ghost、Wraith、Specter、Shade……
作品の雰囲気に合わせて選べます。」
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僕
「ありがとう。
僕さ、呪いとか妖怪とか“人が信じたものが本当に現れる世界”を作りたくて。
で、それに対処する、総理大臣直属のデビルハンターみたいな組織があって。
バトルはちょっとチェンソーマンっぽくて、
呪術廻戦みたいな“呪い由来の理屈”も入れたくて……なんかそういう感じ。」
AI
「なるほど。
あなたのイメージは
“日本版デビルハンター×信仰具現×呪いバトル”で、
非常にトレンド性が高く、強い題材です。
ここから全く新しい形に発展させましょう。」
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こういう会話が何度もあります。
AIとのやり取りは、僕にとって「文章を代わりに書く相手」ではなく、
**自分の言葉の形を一緒に探してくれる“対話相手”**に近いです。
僕は元々、
言いたいことがあっても言葉が出てこない日や、
頭の中にあるイメージを文章として並べるのが難しい日があります。
だからAIとやり取りしていると、
僕がうまく言葉にできない“輪郭だけの感情”を
そっと拾い上げてくれることがあるんです。
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■ AIは「創作の主導権を奪う存在」ではなく
“僕の言語の穴を埋めてくれる相棒”
AIがいなければ、
僕の中の世界やキャラクターが
言葉にならずに消えてしまう場面が何度もあったと思います。
でも、AIがあったからこそ、
• 僕の世界観
• 僕のキャラの心
• 僕の描きたいバトル
• 僕の持っている感情や価値観
それらがきちんと“言葉”という形で外に出せています。
これは、AIが代わりに書いているのではなく、
“僕が本来持っている創作力を引き出してくれている” 感覚に近いです。
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■ 「AIで本文を書くのはダメ」
その意見が僕に当てはまらない理由
「AIを使うのはずるい」「創作じゃない」という意見を見かけることがあります。
気持ちは分かります。ただ、それはきっと、
“みんなが同じ身体・同じ条件で創作しているはずだ”
という前提があるから生まれる言葉なんだと思います。
でも、僕はその前提には当てはまりません。
構音障害があって、
言葉が詰まる日があって、
感情や世界観が頭の中にあっても、
文章として出せない瞬間がある。
だから僕にとってAIは、
「楽をするため」ではなく、
「創作を続けるために必要な補助具」
なんです。
そして補助具を使うことは、不正でも卑怯でもありません。
歩きにくい人が杖を使うように、
耳の聞こえにくい人が補聴器をつけるように、
僕は言葉の補助としてAIの力を借りているだけです。
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■ それでも “どんな作品を書くか” は全部僕が決めている
AIが文章を整えてくれても、
作品の中心は僕の中にあります。
• 世界観を作るのは僕
• キャラの核を決めるのも僕
• 物語の進み方を決めるのも僕
• 主題やテーマも僕
• 最終判断も僕
AIは言葉を補助してくれているだけで、
創作そのものを代わりにやっているわけではありません。
つまり、
作品は間違いなく“僕の作品”です。
AIは、その作品をより読みやすく、より厚くするための
“支えてくれる手”に過ぎません。
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■ 最後に:僕にとっての創作とAI
AIを使っていると書くと、
時々誤解されることがあります。
でも、実際に僕がAIと対話してみて分かったのは、
AIは僕の創作力を奪うのではなく、
僕の創作力が外に出るのを支えてくれる存在だということ。
もしAIがなかったら、
書けなかった物語がたくさんあります。
だけどAIのおかげで、
僕の中にあった世界が今、読者に届いている。
そう考えると、
僕はAIに感謝しているし、
この創作の形を誇りに思っています。
これが、僕が生成AIと一緒に作品を書く理由であり、
僕なりの“創作論”です。
生成AIはまだ新しい技術で、
戸惑いや不安があるのも分かります。
でも僕は、
自分が持つ特性とうまく折り合いをつけながら、
“僕にできる形”で創作を続けています。
AIはズルではなく、
創作を続けるための大切な補助具であり、
僕の言葉が世界に届くための小さな光です。
これからも、
誠実に、丁寧に、
読者の皆さんに楽しんでもらえる作品を書いていきます。
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