第4話 黄巾賊を壊滅させたら董卓の孫娘が仲間になったって?

 さて俺はチャンフェイとイケメンにくわえステルスを部下にしたのでそのままさらに街道を先に進む。


 相変わらず敵の拠点と拠点の間は距離が長い。


 しばらくすると日が暮れてきた。


「今日はここで一休みするか」


 俺がチャンフェイにいうと彼は頷いた。


「承知いたしました我が君。

 では寝所を建築いたしましょう」


 わらわらと兵たちがどこから持ってきたのかわからない木材で家をぱっぱと立てていく。


「こりゃ便利だな」


 チャンフェイは頷く。


「はい、安全で快適な寝所を用意するのは大事ですゆえ」


 そりゃ確かに、この世界は暑くもなく寒くもなく適度な涼しさの風が吹いているし、敵を倒しても血生臭くなったりしないし、死体も残らない、武器だけは残していくけどな。


 この世界には死体にたかる蝿や煩わしく飛ぶ蚊なども見当たらない。


 ある意味清潔すぎて薄気味悪いのだが徹底的に環境を快適化した異世界なのか、VR空間なのか正直判別がつかないのだ。


 もしかしたらこの世界で”疲れを感じたり死んだら腐る体を持った生きている”存在はわずかしかいないのかもしれないが。


「まあ、いいや、飯食って寝るか」


 俺はやはり中華料理の飯を食べると部屋の中に置かれた清潔な寝台で寝ることにした。


 それはいいんだが。


「なんで、同じ部屋にいるんだい?

 お前さんたち」


 チャンフェイたちが何故か部屋に残ったままなのだ。


「もし何かあると困りますからな。

 我々は見張りをいたしております」


「部屋の外でも良くない?」


「いえ、何かあったら困りますので」


 よくわからんがそういう設定らしい。


「分かった、んじゃおやすみ」


 もう気にしないで寝ることにした。


 チャンフェイなどに襲われることはないだろうしな。


 ・・・


「ひろポン様?我が君?我が君?いつまで寝てるのですか。

 早く起きてください」


 やはり俺を揺すっているのは筋骨たくましいむさいおっさん。


「あー、すまんもう起きたんで離れてもらっていいかな」


 チャンフェイはニコリと笑う。


「かしこまりました我が君」


 あーあ、あいつは傾国の美女に毎朝起こしてもらってるんだろうに、なんで俺はむさいおっさんに毎朝起こされなきゃならんのだろうなぁ、いやチャンフェイはああ見えていいやつだとは思うけど。


 そして突然現れたログインボーナスをタップしてみた。


 これでまた金と食料が5000ずつ手に入ったから少しは楽になるかな。


 もっとも俺の食事やこうやって経てた寝場所の建物の建築費用が食料や金からひかれているわけじゃないからこれはありがたいことだ。


 とりあえず寝ていた家の便所で用を足した後、洗面所で顔を洗い、用意されていた朝飯を食って、鎧をきちんとつけ直し先に進むことにする。


「では、ひろポン様参りましょう」


「よし、皆頼むぞ」


「はい、私の兵にお任せください」


 チャンフェイは笑いながら言う。


「ああ、任せておけ」


 イケメンも自信満々に言う。


「わが弓兵におまかせを」


 ステルスはどこにいるんだ?


 まあ、いるのは間違いないので先に進むことにする。


 そんなことを考えながら、街道で待ち構えている黄巾賊の副頭領の”張梁”に遭遇した。


「ふふふ我こそは黄巾党が地公将軍の張梁なり。

 さあ、命の惜しくないやつはかかってこい」


 敵黄巾賊の将軍がそう名乗りを上げる。


「はっはー、その首このチャンフェイがもらうぜー」


 相手の方はちょっと変わってるのにチャンフェイのセリフは一緒なのか。


 今回は敵が波状攻撃してくるパターンかな。


 チャンフェイ、イケメンを前にステルスを後ろに配置して後は戦闘は自動で勝敗がつくまで行われるから事前準備が勝敗を分けるのだが、今のところ育成などでできることはないので配置して戦闘を開始させるだけだ。


 敵味方の兵士たちがぶつかり合い矢が飛び交い、まずは張梁の部隊をあっさり蹴散らし、その先に進む。


「かかか、我こそは黄巾党が地公将軍の張宝なり。

 わが妖術の前にひれ伏すが良い!」


 このゲームに妖術使いいたっけ?。


 うーむ、敵が雷を飛ばしてきているがなんか別のソシャゲも混ざってる気がするな。


 多分妖術兵は多分重装甲の兵士に強いタイプだな、とは言え現状はまだチュートリアルの域を出てないからやっぱりあっさり全滅させたけど。


「主君、敵を殲滅しましたぞ」


 誇らしげに言うチャンフェイ。


「ああ、みんなおつかれさんだ」


 そして俺のレベルは順調に5に上がった。


 チャンフェイ、イケメン、ステルスのレベルも2にあがったぞ。


 そしてそして敵を倒したところでひょっこり現れる人影。


「あなたたちは洛陽に向かうのでしょう?

 私も連れて行ってくれませんか」


 若くて可愛らしい女性の姿だが一体誰だろう?


「えっと君は誰かな?」


「私は董白(フル・フラット)、董卓の孫娘です」


 董卓の孫?これが?どうみてもちくわ体型なんだけど。


 ・・・


 ステータス


 君主名:ひろポン

 レベル:5

 黄金:2000

 銅銭:10000

 食料:9600

 領地:なし


 配下武将


 武将名:張飛(チャン・フェイ)

 レベル:2

 兵種:軽装騎兵

 レア度:☆☆

 武力:B+

 統率:B

 知力:D

 攻撃:260

 防御:125

 速度:145

 兵力:900

 戦闘力:1430

 食料消費:200


 武将名:顔良(イケ・メン)

 レベル:2

 兵種:長槍歩兵

 レア度:☆

 武力:C+

 統率:C

 知力:C

 攻撃:110

 防御:90

 速度:30

 兵力:900

 戦闘力:1140

 食料消費:200


 武将名:荀攸(ステ・ルス)

 レベル:1

 兵種:長弓歩兵

 レア度:☆

 武力:E+

 統率:D

 知力:B

 攻撃:140

 防御:60

 速度:30

 兵力:900

 戦闘力:1140

 食料消費:200


 武将名:董白(フル・フラット)

 レベル:1

 兵種:弩歩兵

 レア度:☆

 武力:E+

 統率:D

 知力:B

 攻撃:160

 防御:20

 速度:20

 兵力:800

 戦闘力:1140

 食料消費:100

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る