第3幕 中傷
耳を覆いたくなった。
「出席日数が残り少なくなっています。このままでは彼女留年してしまいますよ。」
うるさい。
「ほらあの子また一人だ。」
うるさい。
「わーあの子気持ち悪い。」
うるさい。
クスクス⋯と笑い声が聞こえる。
教室は騒がしくて、忙しない。
しかし、人の噂や陰口だけは聞こえてくる。
それには下品な笑い声が聞こえてくる。
学校、ここに私の心休まる場所はない。
私は昔から、人に突っかかられる。
顔を笑われ、食べ方を笑われ、大勢の輪には入ることができない。
話が続かないのだ。
小学生の頃は違った。
臆せず誰にも話しかけられ、知らない人に挨拶したものだから、母の友達も私が知らない人についていかないか心配していた。社交的だった。
中学の頃、ガキ大将みたいな女の子がいた。
彼女は転校してきたらしい。母親との関係がうまくなっていなくて親元を離れて、父の祖父母に引き取られたのだ。
中学の頃、クラスは仲が良かった。いじめも怒らず、みんな楽しそうだった。
しかし、彼女 Nが来てから、クラスは彼女を心配するようになった。彼女に少し同情したのだろうか。もともと面倒見がいい人が多いクラスだ。彼女は口が悪かっった。転校して3ヶ月ほどで気に入らないことがあったら、その子に聞こえるように中傷をした。
私は彼女に
「猿」
「気持ち悪い」
「食べ方変」
「自分のこと可愛いと思ってんの?」と、すれ違ったり目があったりする時に、中傷されていた。
特に辛かったのは給食の時間だ。
コロナが緩和されてきて、給食はグループとなった。
早く食べ終わらないと、グループは終わり、机を戻して前を向く。
彼女らはずっと私の食べる姿を見てケチをつける。
自分は食べ物を残さないようにきれいに食べるのを心がけていた。
食べ方だって、人とほとんど変わらない。
汚い食べ方はしてなかった。
しかし、彼女は下品な意地悪な笑いで、こっちを見てニヤニヤしている。
「わあ〜」と、彼女らは騒ぎ立てる。
私は、得意ではないが、できる限り早く食べるために死に物狂いで食べ終わっていた。
すると、彼女たちは、決まって「残念〜いじめてやろうと思ったのに。」と、笑う。
消えてしまいたくなるような、その場から逃げ出したい焦りを覚えた。下品な笑い声が耳に残って離れない。
私は中2の頃学校に行きたくないと、友達の前で泣いた。
だが休んだら、彼女たちは笑うだろう。いい気味だと思うだろ。
負けたくないと思って私は体にムチを打って登校し続けた。
そしてNは中3の初めに保護者の都合で転校していき、嵐は去った。しかし、私は家族以外の前で食べられなくなった後だった。
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