第2話 変人四天王!参上!でも後輩の方がウザい♡

 昼休み、憩いの時間。だが面倒ごとは向こうから飛んでくる。


「りんせんぱーい!栄養士か考えてない弁当美味しいっすか?!」


 ロハスが俺の席の前の席に勝手に座って弁当を広げ始めた。


「お前は同級生と食えよ」


「でもせんぱいってあたしのかわいい顔いつでも見たいですよね?」


「お願い俺の話聞いて」


「たこさんウィンナーあげるぅ!あたしが作ったの!いっぱい食べてね♡」


「栄養バランスが崩れた?!」


 俺の白いご飯の上にたこさんが侵略にきやがった。俺の完成された栄養バランス満点の弁当に余計な脂質が追加された!あんまりだ!


「また後輩来てるの?ここが上級生のクラスだってわかってるの?ていうかそこあたしの席なんだけど!!」


 俺の前の席にすわる春野シャールカがイラついている。春野は金髪ツインテールで青い瞳の絵にかいたような日本人離れした美少女ツンデレさんだ。だけどこいつがロハスに向けるツンはガチである。


「あーシャールカちゃん!今日も可愛い!あたしの太ももの上に座っていいぞ!」


「腹立つわー!どけよ!このウザ陽キャめ!」


「いやーん♡りんせんぱーい♡この人こわいいぃ♡」


 だけどどうせロハスのペースに巻き込まれる。陽キャは圧倒的に自己中で強いのだ。


「はぁ。ていうか燐、わたしの貸しどうなってるの?今日相談乗るはずだったでしょ?」


「あたしもついてきますよ!だってあたしは可愛いから!」


「Tohle je fakt otravná beruška…」


 あーっとチェコ語でなんかデレたかな?違う。デレてない。多分。


「Děkuji! Jsem roztomilá, že? ♥」


 ロハスがチェコ語でなんか返した。ロハスは耳が馬鹿みたいにいいので大抵の言語を数週間程度で覚えてしまう。しかも発音はネイティブレベルだ。


「うぜええええええ!!ロシデレみたいにしてろよぉおおおお!!きーー!!」


 だから無駄だって。春野がイラつくのはわかるが俺でもロハスは退治できないのだ。


「春野話は戻るが、準備はちゃんと進めてる。原稿さえあればマーケティングができる状態はもう出来てる」


 春野は絵がうまい。最近俺の助言でマンガを描き始めた。こんど同人誌即売会に出品する予定だ。


「え?まじ?仕事はや!?……マジか……」


「おい。原稿は?」


「まだ出来てません……詰まってます。助けてください……」


「To máš! ♥」


「チェコ語はわたしめちゃくちゃわかるぞぉ!!ロシデレみたいに甘くないからなぁ!!きーーー!!」


 春野がキレ散らかしてるけど、煽られるのは春野のミスである。


「放課後、俺んちで原稿するか。問題点は編集手伝うよ……」


「ありがとうぅう!!」


「なら私も混ぜなさい。それはまるで、剣絶ちぬ氷面の面影……遥か縮む教戒と宿痾の密談……」


 また変な奴が出てきた。桐島紗夜というクラスメイトである。黒髪ロングの凛とした美人さんで普段は窓の外をミステリアスに眺める学校のアイドルである。だけど口を開けばポエムを連打する電波系である。日本語が斬新すぎてよくわからないのが欠点だ。なおポエムの名は


「我が余白に世界は宿る。汝参画せしめんと欲する獣」


 だからポエムで会話するのやめろ。意味不明過ぎる。なおこの女のポエムは凌越神話碑銘なるタイトルでネットに公開されているらしい。地獄かな?これでも小説は面白いもの書くからほんと意味不明である。


「りんせんぱーい♥この人も原稿落としてますよ♡ウケる」


「桐島もうちで原稿仕上げね。ふぅ」


「天地切り拓くは感激の鉾なりて、況やここに捧げるは純信」


「相変わらずそいつ意味わかんないね。凜君。そいつらよりもボクのこと手伝ってよ」


 頭をピンクに染めてパーカー着てるパンクな奴が来た。こいつも変人の一人である。名は芽野あん、天才プログラマーにしてわが校首席であり、そして。


「創ったんだ……人気ソシャゲーの新キャラの新しい衣装!見て欲しいの!」


「それで燐先輩の家に来るのどうかと思いますよ。自宅でやればいいのに。そんで際どい写真ぺけったーにアップしてオタクのオナネタになればいいのに。ピンクオナペット豚め!!」


「ぶひぃ!もっと罵ってください!ロハス様!ボクの卑しくてオタクに媚びてる猥褻なコスプレ姿を蔑んでぇ!!」


「他人の作品のキャラをあなたみたいなメス豚がコスプレして汚すとか……ほんとキモ♡」


「ぶきゃきゃきゃ!!」


 駄目だよこいつ。もう駄目なんだよ。俺にSのサービス精神はない。ロハスの弄られてればいい。


「うわーーーーーんん!助けて燐ぃ!!」


 またここに馬鹿がやってきた。軽音部のスーパーベーシストである渚井めい。いつもトラブルばかり起こして俺がトラブルシュートしている厄介さんである。


「なにやったの?今度はどんな理由で軽音部を追放されたの?もう復帰諦めたら?」


「なげないでよ!今回はウチ悪くないの!なんかいきなり泥棒猫とか言われてみんなに追放されたの!」


「また誰かに思わせぶりしたの?」


「知らないよぉ!ウチは普通にお喋りしただけ!なんかそれがバンドメンバーの彼氏だったの!なんかウチに告ってきたの!断ったのに泥棒猫だよ!ひどくない!?」


「そりゃひどいね。とりあえずお前は男と喋るのやめろ。すぐに相手を魅了するんだから慎め」


 渚井は銀髪に赤瞳のアルビノ系の容姿なのだが、その神秘的な外見から男たちを知らずに堕としてしまう魔の女である。小さいころから各地のサークルを壊して回った生粋のファムファタール。なお本人はまったく男性と付き合うつもりも、その予定も、経験もない。


「向こうから来るんだよぅ!ロハスちゃーん!慰めてぇ!!びええええええん!」


「おーよしよしいい子でちゅねぇ。このウィンナーしゃぶれよ。そしたら撫でてあげる♡」


 ロハスがたこさんウィンナーを自分の股のところに持っていき、そこへ渚井がぱくついた。ちょっとエロい。


「ぱく!もぐもぐもぐ!撫でてぇ!」


 そしてロハスが渚井を撫でまわす。


「放課後いっぱい可愛がってあげるねメイちゃん♡」


「わんわん!!」


 ほんまどうしようもない面子である。そして俺の家に全員来ることになったカオスかな?カオスです……。

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